4話 フライ
※ 本小説はmixiの日記にて投稿された内容のため、『日記』と題していますが、日記形式ではいことをご了承ください。
見上げるとそこに、この異様なキッチンに負けない異様な男が立っていた。背は小柄だが、やけに筋肉がついている。顔は・・・醜く焼けただれていた・・・おそらく、隣の部屋の住人なのだろう・・・
「オマエハ アンマリオイシクナサソウダネ」
美味しくない?
どういう意味だ?
まさか、あの、大きな鍋で僕を食べようっていうのか???
ホラー映画じゃあるまいし!そんなこと、現実に起こるわけがない!!!
しかし、僕は妻の近くにあるものを見て、背筋が凍りついた・・・
小麦粉、卵、パン粉・・・そして、大きな中華鍋の中には煮えたぎった油が入っているようだった。
まさか、これで人をフライにして揚げようっていうのか???
もしかして、僕が今まで香ばしいと思っていた、
あのフライの匂いは・・・・
人間のフライ・・・・・・
僕は、胃の中から込み上げるものを感じた。ものすごく気分が悪くなった。
こいつは、僕たちを食べるつもりなのだろう。
「ズット オマエノ ツマノ コトヲ タベタイト オモッテイタンダ」
喉も焼けただれているのだろうか?男の発音は不明瞭だった。
それにしても、妻を食べるだって!?この男、何を言ってるんだ。今までの人と同じように紗枝を、フライにして食べようっていうのか???
「イキテルニンゲンヲ タベレバ キットオレノカオモ ヨクナルンダ・・・イママデハ シタイシカ タベレナカッタ カラ カオガ ヨクナラナカッタンダヨ」
こいつ・・・人間を食べれば、顔が治ると思っているのか?紗枝を、こんな奴に食べられてたまるか!!
僕は全身の力を振り絞り、男に殴りなぐりかかろうとした・・・・
あれ・・・・
体が動かない・・・・・・
つづく・・・




