ドラゴン達の会合
とある山脈で、ドラゴン4匹が会合を開いている。
「…誠か?それは…」
「うん!皆にも買ってきたよ」
「あら!ありがとう!フェアちゃん!」
「毒入りじゃないのか?」
「…なら、これは私とグーさんで食べる。2人にはあげないの」
小さなドラゴンは美少女に化け、緑色のドラゴンは妖艶な美女に。
美女は艷やかなウェーブの緑の髪を揺らしながら、美少女から紙の包を受け取る。
「これは何かしら?」
「ハンバーガーと言うみたい。初めて食べるならチーズバーガーか普通のハンバーガー、フライドポテト、ジュースって唯璃お姉ちゃんが言っていたよ」
「ジュースって!作物は8割減っているのに!」
「うん。お店だからあるみたいなの♥」
「…意味が分からないわ…とりあえず、ハンバーガーにするわ」
「うん!」
茶色い包と水色のコップにストローが刺され、黄色い箱にはフライドポテト。
「この包をこーして…はい、グーさん」
フワリと良い香りが周りを支配する。
「い…いただきます…」
一口食べた美女は目を見開き、ガツガツ食べ始め、終わると自身の変化にも驚いた。
「うそ…古傷が…体力魔力まで…全回復?ありえないわ!食べただけよ!エリクサー入り?」
「私も最初はびっくりしたよ…だから…悪用されないように…私は契約したの。人間達は浅ましく薄汚い嫌悪すべき存在…だから…だから」
「無視はできないわね…私も契約し民にハンバーガーを食べさせたいわ」
「なら、案内するね!」
「ありがと…チュッ♥」
「グーさんのチューだ♥」
「フフフ、お礼よ♥」
そんな2人をただ見つめていた、美青年と初老の美男子。
見かねた、水色のウルフカットの美青年が口を開く。
「フェア…俺にも」
「うん」
「チーズバーガーで」
「分かった」
黄色い包以外、同じ入れ物を美青年に渡す。
「食い方は見ていたから大丈夫だ…」
美青年は一口食べたら、美女と同じく目を見開きガツガツ食べ始め、口についたケチャップを舌でペロリと舐めた。
「っはは、まじかよ…全回復だ。古傷すら塞がるなんてな…スゴすぎるぜ…。
チビ…俺もグリーン同様…契約する。人間達に悪用されちまう。作った奴はこの世界を知らないんだろ、なら尚更だ」
美青年の瞳は真っ直ぐ、小さい少女を見た。少女はそれを感じ取り微笑む。
「しかし…そいつ、一体何なんだ?全回復するような食べ物、この…まて…今も営業してるなら、人間達来てるんじゃ?」
「「あ…」」
「エー爺さん!とりあえず食え!早く!」
「しかし…」
「「食えーー!」」
エンシェントドラゴンは、自分の身体の変化に気付き驚愕した。
傷付いた癒えない痺れが残る左腕、身体に付いた歴戦の傷痕、枯渇しそうな魔力体力は全回復し、視力も戻った。
「これは…!主等が食わせた意味、主等の夢語りが真実とは!このエンシェントドラゴンをうならせ、喜ばせるとは。その人間…我等異種人種の加護を受けるに価する」
「さすがね、エンシェントドラゴン。話が分かるわ」
「なら、行くか」
「フェアリー、案内せよ」
「うん!行くよ!」
4匹のドラゴンは、赤い砂が広がる灼熱の砂漠に飛んでいく。自分達を救える少女、何も知らない無知な少女を護るために。
恩を返すために。
グリーンドラゴン領主
エメラルド・デ・エメラルラ、301歳。
グリーンドラゴン領主で、人間バージョンは艷やかなウェーブの緑の髪で、緑色の瞳は切れ長で冷ややかさも感じる。
ボン・キュッ・ボンではなく、程良い大きさ・キュッ・キュッと華奢な美女。
地の魔法を得意とし、大地の怒りは大地を揺らし地割れを引き起こす。
ブルードラゴン領主
サファイア・ザン・サファー、370歳。
ブルードラゴン領主で、人間バージョンはスラリとした体躯にウルフカットのサラサラな水色の髪。
水氷系の攻撃魔法を得意とするも、人間バージョンでは剣も得意とする、バリバリ攻撃系。
エンシェントドラゴン
シルバー、年齢不詳。
ドラゴンで1番長生きしてるドラゴンで、人間バージョンはやや低めの身長ながらも人間バージョンでは体術を得意とする。見た目は老紳士で72歳ぐらいに見える。
五雨唯璃の師匠となる。
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