表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

月夜譚 【No.101~No.200】

冬の準備 【月夜譚No.168】

作者: 夏月七葉

 ドアノブに手を触れた瞬間、静電気が走った。咄嗟に腕を引いて、弾けた痛みに指先を撫でた。

 最近は気温も下がって空気が乾燥しているから、静電気が起き易くなっている。今日はもう三度も経験しているのに、すっかり忘れて何の躊躇もなくノブに触ってしまった。

 彼は溜め息を吐いて、思わず玄関の扉を睨みつけた。扉は何も悪くないのに、いいとばっちりである。

 秋風が頬を掠める。冷たい空気を含んだそれは、もうすぐ冬がやってくると予告しているようだった。

 寒いのが苦手な彼にとって、冬は一年で最も嫌いな季節である。それに、今冬は重要かつ憂鬱な、特大のイベントが待ち構えている。

 玄関先でこんなことをしている場合ではなかった。彼は我に返って、恐るおそるドアノブに手を伸ばす。

 今度は大丈夫だったことにほっとしつつ、しっかりとノブを握って戸を開ける。

 今日もまた、夜中まで机と睨めっこだ。参考書の入った書店の袋を手に、彼はもう一度息を吐いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 静電気嫌ですよね〜。
2021/11/21 20:29 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ