残り730日、誕生日。
まだ少し説明回です。
次話から堅苦しい書き方で無くなると思います。
次話からはほのぼのとでも時々考えながら見ていただけたらと思います。
私は10歳でラプラス家に仕えた。
最初は、主にパシリや食事担当だったが4年ほど経ったころ、とあることが原因でお嬢様に気に入られ、専属執事となった。
お嬢様は私の二歳下で、家の事情もあってだいぶ甘やかされていた。
あの固有魔法は女性にしか遺伝しないのだ。
だから感情を失うまでの間はどうしても甘やかされてしまうのだ。
お嬢様はよくわがままを言う。
そして、お嬢様は家の外のことやものについてのわがまま、おねだりが多い。
ラプラス家では家の外で何者かに襲撃されては敵わないということで最低限の社会勉強のとき以外は外に出ることを許されていない。
特に奥様が未来予知を行い、感情がほとんど無くなった時はだいぶ無茶なお願いをしていた。
例えば、他国に旅行に行きたいや、お嬢様のお気に入りの本の作家さんの直筆サインを欲しがったり、流石に私とお嬢様の二人きりの時だったが、どこか誰にも知られない場所に逃げたいとか……
自分で言うのはなんだが、おそらくお嬢様からは信用を置いてもらってるのではないだろうか。
お嬢様と過ごした時間は3年とそこまで長くはなかったが、それまでのお嬢様の周りにいた人は全員大人、それもベテランの方ばかりだった。
なので歳の近い私は話の合う唯一の「友達」というのが感覚的に近いのではないだろうか。
しかし、私はただの専属執事、感情を失ったあともずっと傍に居させて頂きたいと思っているが、身分的にも出来ることは限られている。
それに、絶対に感情が戻らないかと言われればそうではない。
最近はそのように進化していったのか、戻る確率が高くなる、また、戻るまでが早くなるといった傾向はある。
話が長くなったが、今日はお嬢様の15歳の誕生日。
先代、つまりお嬢様のお母様が予言した情報によるとお嬢様が予言を行うのは2年後の明日。
つまりお嬢様が感情を失うまではあと2年、つまり残り730日という事になる。
私は残り日数をお嬢様とどう過ごしていくべきか、ずっと考え続けている。
だが、良いアイデアは思いつかない。
唯一出来ることは、いつも傍に居て感情を失っても離れていかない、1人にならないとう事を伝え続けることくらい……
お嬢様は基本的に物に興味がない。
一時的なものはあるけれどすぐに片付けてしまうタイプ。
なのでおそらくものを強請るのは自分のために動いてくれる人が居るのかを確認したいからでは無いだろうか。
お嬢様はずっと不安なのだと思う。
1人で寝ることはできないし、常に誰かの存在を確認していないとすごく取り乱してしまう。
「ルル?何を考えていらっしゃるの?今日は私の誕生日です。お祝いして下さらないと泣いてしまいますわ。」
私はお嬢様に「ルル」と呼ばれている。
名字のシャルルから取ったそうだ。
ルルという名に文句はないが少し女の子ぽいのではないだろうか。
ちなみにお嬢様は巷で言われる「ツンデレ」と言われるものかもしれない。
本当はすごく構って欲しいだけなのだが、何せ人との関わりが少ないためどう接すれば良いのかが分からないのだ。
「今日の予定に着いて考えておりました。今日もご綺麗ですね。とても似合ってらっしゃいます。」
「そうでしょ!」
「はい。あと、心配されずとも私はお嬢様の傍から離れませんから。ずっと私が着いております。まぁ、執事の立場で行えぬこともありますが、安心してください。私にできることなら何でも致します。」
「はい!なら、これは次に必要な時まで取っておくこととします。」
こうして誕生日パーティーは始まった。
次話は誕生日パーティーのことです。
しかし、いつ投稿されるかは未定です。
すみません。