授乳
出産から10日がたった。
母親の乳房を一心に吸い付いて放さなかった。お乳を飲んでみるみる成長した赤子は、母の腕が疲れるほどだった。
白い胸元の大きく空いた授乳服を着る母は、赤ん坊のうっすらと毛の生え始めた頭を愛おしそうに撫でた。
夫の握りこぶしほどしかないその小さな頭は、プラチナブロンドの美しい産毛に覆われ、将来の美貌を予感させる。
「そんなに母乳を飲ませては、赤ん坊がお腹を壊してしまうよ」
医者の夫は心配そうに言った。
「ですが、こんなに体の大きな子なんです。きっとお腹が空いてしまうんでしょう。今だってこんなに」
母親が少しでも胸を隠すそぶりを見せれば、赤ん坊は真珠のように大きな見開き、涙を浮かべた。
その泣き声は雷のようだった。
母親は、そのことも凄く嬉しく思った。
流産が続いていただけに、思いは一入である。
「ああ、許して頂戴。ママは悪くないのですよ。お父様がもう乳はやるなというからです。ひどい人ですね」
「そうは言っていない。俺はお前の体を案じているだけだ」
夫は、ばつが悪そうに言った。
世間では今、死に至る流行り病が蔓延している。
医者であるため、人々が苦しみ、身を寄せる教会に足を運ばねばならない。
当然、その病を我が家へと運ぶ危険があった。
妻は産後、体が弱り、病気にかかりやすくなっている。
「乳母を雇う金だってあるんだぞ。お前だってそんなに丈夫じゃないんだから」
「そんな悲しいことを言わないでください。この子は私の乳で育てたいのです。それに、乳母とて、病気になっているかもしれませんよ」
「私はこの子も心配だが、君も心配だ」
「大丈夫です。我らには神様が付いているのですから。そうでなければ病弱なわたしに、こんな元気な子が授かるはずがないもの」
母親は嬉しそうに笑って、ぐずる我が子を嬉しそうに抱いた。
1.赤ん坊が流行り病にかかる
2.赤ん坊は目が見えない
3.赤ん坊は耳が聞こえない
4.赤ん坊は良く笑う
5.赤ん坊はいつも元気に泣く
6.世間は流行り病に襲われるが、医者宅はその毒牙にさらされない
結果は5の出目。赤ん坊はいつも元気に泣く。
二話目にして他人の人生を手に握るというのが、凄くドキドキすることだと知る。
これ以降も良いことと悪いことを半々で列挙し決めていく。あなたが起こしてほしい奇跡や未来があったら、ぜひコメント欄に。叶えられるかどうかは運命が決めます。
公正を期すためにサイコロは自作した。一辺4cmの6面体で、材質は段ボール。筆者の思惑やその他の要素が介入しないように、重心が偏らないよう注意し、作成を行った。サイコロは目隠しをした状態で60×60cm四方のできるだけ水平な執筆机の上で投げられた。
今後も同じサイコロ、同じ執筆机で出目を見る事とし、観測を続ける。筆者の気持ちで出目を意図的に変えたり、振り直しを行うことは無い。