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未来の星での物語  作者: 凡人(ぼんど)
10/31

出会い編 10話 物資調達

タウと一緒に集落を出発し、仲間としてハスとマクスそしてオペラクラリスが加わった。

それから5日目、小さな集落を1つ過ぎ、

そこから2か所目の夜営をした場所に

タウ、マクス、オペラクラリスを残してボクとハスは急ぎ歩いていた。


それぞれの呼び名を決めた夜のこと、

マクスの症状は単なる脱皮ではなく羽化なのだと、

つまりは、成虫になるのだとタウが言った。

羽化は通常、脱皮と比べて行動不能となる時間も遥かに長く、

外敵に対しては無防備となってしまう。


そして4日目、いよいよその兆候が現れた。

眠っているように見えるが呼吸も脈もわずかなものになり、

刺激に対しても反応しなくなった。 タウは、サナギの状態なのだと言った。


すれ違う者から得た情報では、あと1日進んだところに大きな町があるという。

知識のあるタウと、もしものときの護衛としてオペラクラリスを

マクスのそばに残し、ハスとボクはその町に向かった。


おおきな町ならば、医療品として使える物などが手に入るかもしれない、

包帯としての布や糸、消毒のための薬草や綿など、

できるだけ調達するようにと、タウに言われたのだ。


まる1日歩き、町についたのは夕方だった。

必要な物資調達のために用意したのは、銅の粒がすこしと、

タウが渡してくれた薬草粉末だった。


これらと目当ての物を交換するために、交渉をしなければならない。

実際に交渉をしたとしても、それが適正な条件なのか判断ができない。

ダマされないか不安ではあったが、あまり時間もかけてはいられない。

多少のことは目をつむり必要なものを短い時間でそろえる、

それを、最優先するしかなかった。


助かったことは、この町が予想以上に大きく、物資の取引が盛んに行われていたことだ。

中心部には物が集まり市場が開かれていた。


その中に薬草を買い取る専門の者がいた。

タウに渡された薬草粉末の原料はとても貴重なものらしく

銀の粒と交換してくれたのだ。

ボク達は手持ちの薬草粉末の半分を銀と交換して、その銀で必要な物を買った。


ちなみに、銀と同じ価値分の銅を提示しても、銅は圧倒的に人気がなかった。

銀と銅の交換相場は、あってないようなものなのだ。



「ほとんどの物が、手に入りましたね」


「ああ、よかった、持ってきた薬草粉末も半分近く残っているし、

 うまくいったんじゃないかな、銅の人気がなくてほとんど手つかずなのは、

 予想外だったけど」


「包帯が、少ないようですが」


「柔らかい布がある程度の量、手に入ったから、足りなければ切って包帯にできるだろう

 少量での購入ができずに重量がかさんでしまったけど、なんとか、持って帰ろう」


あたりはすっかり暗くなっていた、

夜通し歩くより、町の中で夜を明かし、体を休めてから

日の出を待って出発することにした。


タウによると、マクスは完全変態する種族らしく、蛹化ようかにどれほど

時間がかかるのか、分からないという。

そのため、あまり無理をしてまで急ぎ戻る必要はないとのことだった。


翌日、予定通り出発した

荷物を背負い歩き、太陽が頭の上まで昇ったところで休憩した。

まだ帰り道の3分の1ほどだった。予定を狂わせているのはボクだった。


担ぐ荷物は圧倒的にボクの方が少ない、にもかかわらず、

ハスは軽々と担ぎ、必死に歩くボクに合わせて速度を調整してくれていた。


「ここからオレが、もう少し荷物を持ちますよ」


申し訳ないが、そうしてもらおう。

それにしても人間と昆虫とでは、筋力がこうも違うものか。


お読みいただきありがとうございました


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