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未来の星での物語  作者: 凡人(ぼんど)
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出会い編 第1話 森の中

一億年の未来の地球


コールドスリープから目覚め僅かに生き延びた人類と


進化し人の姿になった昆虫類


やがて進化は他種族交配を可能とし、それは新たな種、

新蟲類しんちゅうるいとして世界に広がった


種族としての特徴を持ち続け他種族と交わらない純血種としての昆虫類と

新な種として生まれ増え続ける新蟲類

そして 目覚めては滅び、生きる道を探す人類の


未来の星での物語

 


ボクは森をさまよっていた。


どのくらい歩いているのか、分からないくらいに。


足が動いているのか、止まっているのかさえも。


気が付くとボクは止まっていた。


そしてまた気が付くとボクは倒れていた。


もやがかかっている。


それが頭の中になのか、この森になのか、分からなかった。



誰かがボクのそばにいる。


「私の結界で動けなくなってしまったのですね」


誰だろう


「この場所の結界に反応するなんて・・珍しい、あなた人ですね」


何かがボクに触れた


「ちょっと待って下さいね、今、動けるようにしてあげますね」


僕の首に触れているのは手だと気付いた。

何かが流れ込んでくるような感覚と同時に、頭の中のもやが スッと消えていく。

手と足が僅かに動く。

ズキッと痛みの感覚が戻ってきた。


そこにいるのは、誰だろう、


頭を必死に上げて見る


美しい女性は両膝をつき、ボクの首に両手を添えて、微笑みながら言った。


「私を抱えて、あれから逃げて下さい」


「・・・え?」



それはもう、目の前まで迫っていた。


「うかつでした、気付くのが遅れました、このあたりに張った結界ではあの大きさのものを

 麻痺させる強さはありません」


なんだあれは、とんでもないのがいる!


「ボクはまだ動けない、逃げ切れない、君は早く逃げて」


ボクらに今 近づいてくるそれは

体長がボクの数倍はある肉食原始昆虫、大型のキリギリスだ。


「私は走ることが得意ではないのです。 この距離では飛び掛かられて終わりです

 逃げ切る必要はありません、あれとの間に結界を張る時間と距離を

 作ってほしいのです」


キリギリスはゆっくり近づいてくる。

こちらが動かないからなのか、その跳躍力を使って一気に襲い掛かることもせず

じりじりと、距離をつめてくる。


「あなたには私の抗体を投与しました。 すでに体内毒素は無効化されているはずです。

 さあ、来ますよ! 立ってください!」


その言葉に必死にこたえ、体を起こした

彼女を両手で抱え


動く! 走れる!?


「飛び掛かってくるつもです、来ますよ 横にかわして、今です!」


突進してきた巨体を横っ飛びにかわした


「もうすこし、あきらめないで!」


走った、ただ夢中で走った、

引き離せているのか、それともすぐ後ろにいてボクを噛みちぎる寸前なのか、

・・・分からない、息が続かない・・


その時、ボクに抱えられていた彼女の両手が スッと空に向かって伸びた。

そして両の手のひらを返して そのまま肘から指先までを逆側に反らせた。


目の錯覚だろうか、その手から光の粒がさらさらと流れたように見えた。


そして彼女は言った

「もう大丈夫、止まっていいですよ」


振り向くと、その大型キリギリスは痙攣を起こして動けなくなっていた。

ついさっき、ボクがそうだったのと同じように。











お読みいただき ありがとうございます。


連載していきますので、どうぞよろしくお願い致します。

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[良い点] すごいな、第一話 [気になる点] 走ることが好き [一言] この低学年たち約束をを読んでみて下さい
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