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11?

?は三人称なのですが

広い学校の一室に三人の少女が鎮座している。

電気は点いておらず、窓は暗幕で覆われている。

光あるところに影がある。

青春に汗を流す部活とは一線を画す。

学校の影。

決して表舞台に出てくることはないと思っていた。

彼女達もそう思っていた。


「急な召集、申し訳ありません。ですが、由々しき事態が発生しました。」

「某は構わないでござるよ。というか、その場に居た者として召集は必然なのでござる。」

「あぅあぅ。ワタシも久しぶりに滾ってしまったのですぅ。」


三つ編みに瓶底メガネを付けたそばかすの少女。

黒装束に黒マスクをした少女。

そして、オドオドとしたマスコットのような少女が集まっている。

その中のそばかすの少女がパチンと指を鳴らすとプロジェクターが起動する。

そこに映し出されたのは一人の新入生だった。


「忍。説明をお願い出来る?」

「御意。」


黒いマスクをした少女、服部はっとり しのぶが口火を切る。


「本日高等部へと編入してきた新入生、成瀬秋殿です。彼はこの学校では珍しい編入試験をパスした生徒になります。尚、苗字から察した通り中等部の成瀬清夏、高等部の成瀬冬美とは兄妹の関係にあります。」

「いきなりビッグネームが飛び出してきたわね。」

「副会長のことを『冬美姉さん』と呼んでいたのは確認済みなのですぅ。」


映し出された新入生とは、成瀬秋なるせ あきのことであった。


「その他にも編入してきた生徒には、肥溜こえだめ 糞太ぶんた蝋燭沢鞭ろうそくざわ むち御稚児星太おちご しょうたの三名がいるでござる。どれもジャンルは違いますが見目麗しい殿方でござるよ。」

「これほどの逸材が私達のクラスに来るなんて……私のグリーンゲイブルズはここにあったのね。」

「ワタシは先輩ですが、羨ましい限りですぅ。」

「楓殿は生徒会長と同じクラスではありませんか。」

「えへへ。そうなのですが、最近マンネリだったのですぅ。」

「会長は副会長にほの字だものね。」

「そうなのですぅ。ノーマルは滾らないのですぅ。」


そう、彼女達は普通の恋愛では満足出来ない身体なのだ!


「これだけなら良い男が入ってきた。それだけで済みますが、事はそんなに単純ではありません。」

「成瀬殿と御稚児殿でござるな?」

「あぅあぅ。噂は既に耳に入っているのですぅ。」

「なら、話は早いわね。忍、状況の確認を。」

「御意。この両名は以前からの知り合いらしく非常に仲が良いのでござる。そう!出会って対面座位で耳をはみはみするくらいに!!」

「ちょ、ちょっと待ってください! どういうことですか!それは!?」

「いつもの口調が崩れてるわよ、楓。」


冷静にツッコむ瓶底メガネ、目敏めざと ひかる

あわあわしている木葉このは かえでは二人がイチャついていたという情報しか仕入れておらず、詳しい状況は知らされていなかった。


「言葉通りでござる。ちゅぱちゅぱといやらしい音を響かせながら、耳を堪能していたのでござる。」

「まじ勃起もんだったでぇ。」

「光ちゃん、よだれよだれ。」

「じゅるり。すまない、取り乱した。」

「いや、仕方ないでござる。某も下半身のダムが決壊したでござる。替えのふんどしがなければ即死だったでござる。」

「あわあわ、ヘルメットがなければキスしていた名場面をそんな例えに。」


腐っても乙女である。


「そして、それを優しく嗜める成瀬殿。」

「あれ素でやってるなら、ジゴロよ。スケコマシよ。けしからん、もっとやれ。」

「はわぁ、説明してくださいですぅ。」

「おでこを合わせて『ダメだよ。皆が見てる。』って!皆が見てなきゃもっとヤルの!というかもうお前がナンバーワンだよ。」

「そ、それはすごいのですが、どうして今もそんなに興奮してるですぅ?」

「実はそのときはまだ御稚児殿を女性だと思っていた為、リア充への殺意の波動に目覚めていただけでござった。」

「それが男の娘だと聞いて事情が変わったのよ!」

「……今更ながら噛み締めているのですね。」


情景がフラッシュバックし更に二人を攻め立てる。

はぁはぁと荒い息が体温を上げる。


「しかも、その後がもっとヤバい。」

「某も夢現かと思ったでござる。」

「はわぁ、それ以上ってなんですか! 詳細求む!ですぅ。」

「良いでしょう、楓氏。あ…ありのまま今、起こった事を話すぜ!」

「突然ポルナレフになるほど動揺しているでござるな。」

「『御稚児君が飴を舐めていたと思ったら成瀬君が飴を舐めていた』な…何を言っているのか、わからねーと思うが私も、何をしていたのか、わからなかった…頭がどうにかなりそうだった…ノンケだとかホモだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…。」

「長いですぅ!三行でまとめるのですぅ!」

「御稚児殿のせいで成瀬殿が先生に怒られてしまい、気に病んでいたところに蝋燭沢殿が飴をプレゼント。それを一旦口に含んだ御稚児殿はそれを綺麗に包装し直し、成瀬殿に食べさせる。その後、そのことが成瀬殿にバレ、強引に御稚児殿の口に飴が流し込まれたのでござる。」

「ふぇええええええええええええええええええええええええええ!!!!……ばたん、きゅー。」


想像の斜め上の展開に楓はオーバーヒートしてしまった。


「美少年の唾液ってエロ過ぎかよ。射精した。」

「あの光景を見ていた女子の中にはきっと潜在的な同志が生まれたでござるよ。」

「しかも、その後に生徒会長とのトライアングル。」

「腐女子大勝利~!こふっ!?」


忍は吐血してしまった。


「ちょっと、忍!楓! 特に楓!その後、生徒会長と成瀬君が一悶着あったんでしょ!?死ぬなら話をしてからにしなさいよー!!」


行き場を失った光の声が響く。

まだまだ婦女子達の宴は続く。

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