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Episode 1 突然な、突然すぎる出来事

どうも、まとせぴとかいうものです。

異世界に転生したと思ったらめちゃめちゃな能力を手に入れ、その力でどんな敵も楽々勝利!女の子にモテモテハーレム……そんな小説が多いですね。広告もよく見ます。

そんな広告に、良くついてるコメントが(私もたまーに思うけど、)「元の世界ではそんなこと言う人間じゃなかっただろ」「普通の人間がそんな能力を得たとたんそんなふるまいをするだろうか」

確かに。

なので、異世界に転生したと思ったらめちゃめちゃな能力を手に入れ、その力でどんな敵も楽々勝利!女の子にモテモテハーレム……そんな小説みたいな状況に立たされた「普通の高校生」をテーマに、ちょっとした私の別作品要素を混ぜ混ぜしたものが、こちらになります。

普通の異世界に転生したと思ったらめちゃめちゃな能力を手に入れ、その力でどんな敵も楽々勝利!女の子にモテモテハーレム……そんな小説を期待してやってきた方はきっと満たされないと思いますので、お引き取りください。

「ひ……ひぃッ…!!」


何がどうなってるんだか、俺のおつむじゃ理解できないことが、目の前で、今、起きてる。


ただでさえ意味わかんねえことが連続して続いたってのに、もう何もかも意味わからねえ…



2019年3月。


「いやー俺らが高校に入学してからもう一年経つんだなー!」


高校一年生の俺たち。進級に備えて学校に置いてある荷物を全部家に持ち帰らなきゃいけないって日になった。整理の苦手な俺はそのせいで今日馬鹿みたいな量の教科書を持ち帰ることになったわけだ。


「中学生の頃はこんなに教科書多くなかったしなあ、全部学校のせいだ!」


「いやいやお前のせいだから」


「くっそ~マツダだって似たようなもんだろ!!」


「俺はホリコシと違って部活の道具があんだよ!お前帰宅部なんだからやる気になりゃ日頃から持ち帰れただろうが!」


「やる気何か出るわけないだろ!ばーかばーか!」


「全く馬鹿はどっちもだっての、ほら二人ともちゃんと片付けて!」


「アイカワ……お前なんでそんなに荷物少ないんだよー。俺の持って帰るの手伝ってよ」


「俺はちゃんと計画的に持ち帰ってるだけだから。それに…ホリコシんちウチとは真逆だろうよ」


「ちぇー」


マツダとアイカワは高校からの友人だ。小学校や中学校、それどころか住んでる市まで違うんだから、家はだいぶ離れてる。


「なー今度、マツダんちに集まってホラゲーやろうって話あったじゃん?」


「そんなことも言ってたなあ。お前がホラー無理だから却下ってことになったけど!」


「だからさ、RPGにしない?ほら、バクットソードってやつあんじゃん!あれオフラインマルチできたよね?」


バクットソード、携帯ゲーム機「Games(ゲームズ) in(イン) Ideal(アイディアル) -Utmost(アトモースト)-(GiiU)」のゲームだ。スマホゲームが流行ってる今、少数のコアなファンばっかりがプレイしてる現状なんだが、その“コアなファン”が俺ってわけだ。


「えー、あれ…?なんか変な噂たってなかったっけ…」


「噂…?あぁ、アレのこと?まっさかぁ、アイカワお前、オカルト好きなのは知ってるけど流石にアレ信じてるなんてなあ」


「だっておかしいでしょ?『バクソーをプレイした人が揃って行方不明になる』だなんて…」


「『揃って』だなんてうそうそ!ほら見てみろよ、現に俺はここにしっかりと存在してるだろ?」


「……まあいっか、その件もあってちょっとは気になってたとこなんだ。マツダもやるよね?」


「まー、俺もちょっとは興味あったし」


「よーし、決まりだな!二人ともGiiUは持ってるだろ?ソフトなら4本持ってるからさ!みんなで集まる日までにある程度進めといて!」


「いや何でお前4本も持ってんの?」


「自分用と、保存用と、布教用2本」


「コミケかよ」



かくして、俺は二人にバクソーのソフトを渡して、馬鹿みたいに重い荷物をもって帰路についた。


「そんな荷物積んで自転車で帰るなんて…転んで死んじゃうとかやめてくれよ?」


「ははは、縁起でもないこと言うなっての。仮に死んでもほら、異世界転生無敵チートでハーレム、だろ?」


「それもそーだな、じゃ。」



あの時は冗談のつもりだった。



まさか、



「ちょ、嘘だろおい!!」



本当にこの後、



「ブレーキが…!!」



“そうなる”なんて――――――



「ッ―――――――!!!!!」




山積みになった「知識」が、宙を舞った。




[とまとはめをさました!]


とまと:は……ここは…?っだあ!?重い…なんだこれ、杖…!?


[とまとはこんらんしている!こうげきができなかった!]


とまと:なんだ今の声…意味わかんねえよ…!


[ホークしんりきょうだんいんAはよゆうそうだ!]


団員A:ヒャッヒャッヒャ!!強そうな奴が居るたぁ思ったが、攻撃もできねえへなちょこじゃねえか!その強そうな武器、お前じゃ宝の持ち腐れだろ!俺が貰ってやらあ!


とまと:なんだアイツ…早く逃げないと……ッ!!身体が勝手に…!?


[とまとはマジュツ【ロストソウルブレイク】をつかった!]


とまと:ちょ、おい、なんだよそれ!!


団員A:オ、、オイッッ!!嘘だろ!待ってくれ!!『ブレイク』だけは勘弁してくれ!!


とまと:ちょ、、勘弁しろって言ってるだろ…!!!おい、止まれ、止まれ!!とまれえええええええ!!!!!!!!!!!


[とまとはホークしんりきょうだんAをブレイクした!けいけんちを7000かくとく。]


俺の前に、息の止まった人間が転がった。


「ひ……ひぃッ…!!」

何がどうなってるんだか、俺のおつむじゃ理解できないことが、目の前で、今、起きてる。


「う、嘘だろ…!ロストソウルブレイクをあんなに易々と…!きっと彼が異世界の勇者に違いない!」


「勇者が現れたぞー!!」


「ちょ、ま、ま、待ってくれ、俺は今、何をしたんだ!?」


「勇者様、あなたは私たちを救ってくれた!ぜひ私たちの村に歓迎させてくれ!」


「待ってってば!!俺、俺今、この人を、、殺したんだよな…?」


「えぇ、そうですとも。ですからぜひ、歓迎を…」


「嘘…嘘だ……俺が…?人を…?何で…」


俺が、人を殺した。得体の知れない、なんかとんでもねえ技を使って。俺が、人を。俺が…!!



声にならない声が、そこら中に響いた。

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