表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/39

第三十八話 専属受付嬢

本日は二話更新です。

その一話目です。

「ミーニアよ。ここに座らされている理由はわかるな?」


「はい……」


 ダラスの咎める言葉に、ミーニアはしょげた顔で答える。

 ミーニアの前に座るダラスは真剣な表情でミーニアを見ていた。その格好は二本の三つ編みのカツラに、筋肉によって伸び切った受付嬢の制服を着ている。奇天烈な姿だが、ダラスが優秀なギルド長であることは、その仕事ぶりから数日一緒にいたミーニアでもわかった。元ギルド長とは雲泥の差である。

 そのダラスがこのように咎めるのは、ミーニアの最近の態度だろう。

 ダラスは顎に手を置き、考える仕草をして、


「……何か悩み事でもあるのか?」


「…………」


 ミーニアは下を向き、何も言えなかった。その悩みが、『好きな人が街を出るから、自分はどうしよう』というものだったからだ。上司に相談する内容ではない。

 ダラスはミーニアを射抜くような視線を送り、


「男だな?」


「えっ!?」


 ダラスに言い当てられたミーニアは、驚愕する。どうしてわかったのだろう。

 ミーニアの反応を見たダラスは、自分の話したことが正解だったことを理解したのか、納得した様子だった。

 誰にも好きな男性ひとがいることを言っていないのに、なぜ赴任して間もないダラスが知っているのかミーニアには不思議である。

 ただ、ダラスに咎められたことでミーニアは決心した。

 おそらく、このような出来事はずっと続くだろう。この想いがなくならない限り、リラクがいなくなったとしたら永遠に。

 ならば、自分の気持ちに嘘をついてはいけない。

 顔を上げたミーニアは意志の籠った瞳で、ギルド長を見る。


「あの、ギルド長。わたし、受付嬢辞めますっ!」


 ダラスは眉を上げた。


「理由は……、聞くまでもないな」


「はい!」


 ダラスはミーニアの瞳をじっと見つめた。無言の時間が続き、フッと笑った。


「だが断る!」


「えぇっ!?」


 まさか断られるとは思わず、驚く。まさかハンターギルドもブラックなのではと疑ってしまう。

 驚いているミーニアに、ダラスは続けた。


「だが、お前にもうひとつの選択肢をやろう」


 ダラスは一枚の用紙を摘まみ上げ、テーブルの上に置く。

 ミーニアは用紙を見て、首を傾げた。


「……専属受付嬢?」


「新しくできた制度だ」


 ミーニアは用紙の内容を読み進めた。専属受付嬢とはハンターと共に行動する受付嬢のことで、ハンターが街を移動したら受付嬢も一緒に異動する制度らしい。


「どうしてこんな制度が……?」


 ミーニアにとっては渡りに船であるが、あまりに都合がよすぎる。

 ダラスは渋い顔をした。


「お前のように辞めるものが多いからだ」


「あはは……、そういうことですか……」


 と、苦笑いする。ミーニアのようなケースは特別ではないようだ。確かによくある話かもしれない。ハンターを好きになった受付嬢がついていくというのは。


 そういえば、ちょっと前にハンターと結婚して辞めた同僚がいたっけ……。


「で? どうする?」


 ダラスの問いに、ミーニアは満面の笑みで答えた。返事などひとつしかない。


「リラクの専属受付嬢になりたいです! お願いします!」


 ミーニアの心は羽のように軽かった。

お読み頂きありがとうございます。


ダラスのキャラクターで長話は変だと思って、一度書き直しました……。


次が最終回です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ