10.『抜く』には老いすぎたおじさん
今回は下ネタ関係なので下ネタが苦手な方は読まないことをおすすめします。
おじさんはネット掲示板でアニメキャラについてのやりとりを見ていた。途中でおじさんが気にしたレスがあったので、以下に記す。
あいちゃん可愛すぎワロタ 今日もあいちゃんで抜くわ
『あいちゃんで抜く』とはどういうことだろうか。おじさんが首がねじ切れんばかりに強く首を傾げたところ、戻らなくなった。おじさんは今まで『気になって仕方なくなる』『身体が痒くなる』『そわそわする』症状を確認したが、今回新たに『首を傾げると戻らなくなる』症状を発見した。ちっとも嬉しくない。
首が傾いたまま戻らないおじさんの代わりに『あいちゃんで抜く事件』を解説する。
この『抜く』とは本来の意味の『抜く』ではなく、『自慰行為をする』という意味である。どうして『抜く』なのか?以下に有力な説を示す。
1)『扱く』と見間違えられた『抜く』が使われてしまい、広まった
2)『抜』の字を解体すると、手偏が『オ』、友の一画目と二画目が『ナ』、三画目以後が『ヌ』に見えるため、『オナニー』の隠語である『オナヌー』の意味として使われ始めた
1)の『扱く』は『細長いものを指などを使って挟み、擦ること』であるため、自慰行為の際にすることはそれに該当する。そのため、『あいちゃんを見ながら自慰行為をするわ』を『あいちゃんを見ながら(細長いアレを)扱くわ』と表現し、簡略化して『あいちゃんで扱くわ』としたところ、誰かが『扱くわ』を『抜くわ』と見間違え、自分の意思表示の際に『あいちゃんで抜くわ』としたところ、閲覧者のツボに入ったのか、伝播したと考えられる。
2)は説の概要の通りである。よくそれを思いついたな!としか思わない。ネット発祥の用語として『ネ申=神』など、一文字の漢字を分解して別の文字で表示したものを用いることがあるが、おそらく『ネ申』より『抜く』が先に用いられたので、『抜=オナヌ』は文字分解の先駆的なものだと捉えられる。
どちらの説であろうと『抜く』は『自慰行為をする』の意であるため、彼の目に入ったレスをした人はあいちゃんで自慰行為をする(した)のだろう。そうなると、自慰行為のネタになった『あいちゃん』のことが気になってくる。彼女を見るまでに長い時間を要することはなかった。『あいちゃん かわいい』の画像検索の結果画面には、栗色の長髪を二つおさげにまとめた帽子をかぶった制服姿の幼女の画像が沢山表示されている。
「えっ、この子で抜くの…?」
おじさんの首がようやく元に戻ったようで、彼は首をさすりながら驚愕した。
翌日、おじさんの家に遊びに行くと、彼の携帯電話に『あいちゃん』のストラップがついているのに気づいた。




