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歴史と、名所

「やっぱりこの街の見所といえばあのガイルスラジアなんですけど、実はもう一つ、結構旅行者さんに人気の場所があるんです。そこに行きましょう!」

「おお、そいつは楽しみだ。宜しく頼む」


 どうやらこの街は円形で、通りは中心の大木から放射状に何本も伸びているらしく、さっき食事処や薬師の店があった通りとは木を軸に対象にある通りを俺は歩いていた。

 さっきの通りとはまた違った趣だが、賑わいはどっこいどっこいに大きい。人が大勢行き交い、雑踏は五月蝿いくらいだ。


「この街はもともと、森の中に隠れ住むエルフの集落だったんです。それがある時人間に発見されて、人間の国の一部になり、今ではこんなに発展したんですよ」

「隠れ住むって……あの木があってどうやって隠れてたんだ……」

「そこは……うーん、言われてみればどうしてたんでしょうか……」


 わからないのかよ。

 色々いい加減だな、この世界……多分魔法かなんかでどうにかしてたんだろうけど。


「んー……それはさておき、そういう経緯があって、この街にはエルフが多いんです」

「お、おう。ナーミアもエルフだもんな」

「はい! 耳が尖ってるから、わかりやすいですよね」


 ピコピコ、と尖った長い耳を動かしてみせるナーミア。

 動かせるのかそれ……そういえば、同級生に耳を動かせるやついたりしたな。俺は無理だけれど。


「そして、今から行くお店はですね。誰でも簡単に魔法が使えるようになるっていうお店なんです!」

「ま、魔法ぅ?」

「はい! エルフは魔法が得意ですからっ。誰でもお手軽に魔法が体験できるっていう施設が今からいく、ファニーマン魔法塾です! こんなところ、滅多に無いんですよ?」


 おおー、やっぱりあるのか魔法。

 魔法なんて超常的な力をお手軽に体験出来るとなれば、それは人気のスポットというのも頷ける。誰だって一回はやってみたいと思うだろう。

 まぁ、もし問題があるとすれば──


「俺、お金あんま無いけど大丈夫かね……」

「ふふ、全然大丈夫ですよ。流石に僕も、お客様の懐事情くらい考慮に入れます!」


 ちょっと頰を膨らませて心外そうにするナーミアに、俺はごめんごめん、と手を立てて謝った。

 魔法か……なんか楽しみだ!

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