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7、師匠!!!?

夕食に関しては何も無かった、としか言いようが無いだろう。


魔法工学の技術による製品、とか言うコンロがあったりして戸惑ったりしたがなんとなく出来た。


シルリアが食事中何も言わなかったことが結構重圧だったが……


「結局、戦闘訓練はするのかしら?」


「お願いします。」


「じゃあこっちに来て。」


…そうして連れてこられたのは庭。


シルリアは土蔵のようなところへ行き、中から二メートルほどの鎧を引っ張り出してくる。


「これは外の人形アウトドールって言う人型兵器、勝手に攻撃してくるから。まずはこれを壊して。」


勝手に攻撃するって…動くのこれ?


「どうやって壊すんだよ?」


「出かける前に短剣渡したでしょ、それを使って。」


そう言われ長さ二十センチほどの剣を抜く。


対する人形は腰から木刀を抜く。


人形相手とはいえ真剣を構えているという事実に嫌な汗が出る。



人形は上から木刀を振り下ろす。


とっさに短剣を上に構えガードする。


ドンと思い衝撃とともに短剣の刃が木刀に少し食い込む。


人形は木刀を捻って短剣を弾き飛ばし、続けてもう一度木刀を振り下ろそうとする。


悠斗は目をつぶり両腕で頭をかばう。


木刀はその両腕に容赦なく叩きつけられ………なかった。


「そんなことしてたらすぐに死ぬわよ。」


ちょっと離れたベンチに座るシルリアが言う。


「戦い方はどうでもいいから、とにかく逃げないこと。」


目の前の人形は木刀が悠斗にあたる直前で停止していた。


「はい、早く短剣取りに行って。」


夜明けはまだ遠い。




※※※




夢を見た。


家族で遊園地に行ったときの夢だ。


特に何かあったというわけではない。


それでも、あの暖かさがとても懐かしかった。



チュン、チュン、


カーテンの向こうから日光が部屋を照らす。


夢から覚めた悠斗。


ホームシックではないが、やはり家は恋しい。


昨日一日しか行動をともにしていないが、だいぶシルリアのことを分かったと思う。


シルリアは、この異世界からの乱入者にどうでもいいと思っているらしい。


最初に会ったときの輝いた目は知識欲モードというか、簡単に言うと未知の物や知識の山を見ると発現するモードであり、感情が表に出るってだけのことである。


当然のことながらそのモードは長くは続かず、必然的にさめた状態のシルリアと長く接することになっているわけだ。


だからあんな夢を見たのかなと思い、痛む体に鞭打ってベッドから出た。


カーテンを開ける。うーん、眩しい。


空を見上げると太陽は真上に来ており…


「ってもう昼!?」


慌てて着替え(昨日、呉服屋に行ったのはこのため)部屋を出て、階段を下りリビングに入る。


「おはよう。」


「あ、お、おはよう。」


こんな時間まで寝ていたことを一切気にしてないシルリアの振る舞いに、しどろもどろになりつつ応える。


「テーブルに食事が置いてあるから。」


「ん?雑用は俺がやるんじゃなかったっけ?」


「起こすほうが面倒だわ。」


ふむ、つまるところ俺の地位はあったらほんの少し便利かもしれないパシリ的なものか。


テーブルにはフレンチトーストのようなものがあった。



「今日は組合の手伝いに行くから、訓練したければ外の人形置(アウトドール)きっぱなしにしてあるから使って。」


「情報収集は?」


「今から?」


「………」


「それじゃあ。」


なんだか訓練を快諾した理由が分かってきた。


人形を壊せ以外の指示を受けたことのない悠斗だった。


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