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21、なんや北広場でけったいなことが起こっとるん

「これまた少ないな。」


「しょうがないじゃん、必要最低限しか持ってないわけだし。」


場所はティルが借りてた宿の受付、兼居酒屋。


昨晩の宿代を払い忘れていたティルだが、宿主は親切にも荷物を受付で預かってくれていたらしい。


「本当にこれで全部なのか?」


「服と寝袋、水筒、食糧袋、金銭…これで全部だよ。」


「テントとか持ってないのか?」


「テント?」


テントはこの世界にはないのか。


「雨が降ったりした時はどうしてたんだ?」


「ああ、これを使ってるよ。」


ティルが取り出したのは円錐のようで微妙に違う変わった形の金属六つ。


「これは晶輝包器って言って魔力を流すだけで空気以外を通さない強い結界が張れる優れ物なんだ。雨だとか寝る時はこれを使ってるから問題ないよ。」


「壊れたり使えるだけの魔力量がなくなったりはしないのか?」


「あのフェフィナーの作品だから壊れる事は無いって、それに一定時間で消費する魔力量よりボクの魔力回復速度の方が速いよ。」


ま、消費魔力量が少ないのもフェフィナーの作品だからかな。とティルは付け加えた。


フェフィナーという名前に聞き覚えがあるような気がしたが気のせいだろう。


「そんな凄いアイテム、どうして持っているんだ?」


「え!?…いや…それは過去に色々あったからな訳で………それより荷物も受け取ったんだし出発しよう。」


急かすティルは悠斗を宿から押し出す。



「ユウトはどこか行くところとかあるの?」


「いや、あまりにもやる事が無いからどうしたものかと悩んでいたところだよ。」


「ならさ、ボクにこの街を案内してよ。実を言うと一昨日の夜ここへ来たばかりでどこに何があるのか知らないんだ。」


「俺もあまり詳しくないけど、それでもいいのか?」


「ボクより詳しいならそれで十分。」


「じゃあどこから行く?」


「生活必需品は確実に押さえておきたいから、食糧や呉服屋の系統の知っている店全部から。」


「これまた現実的な選択だな。やっぱりまた旅へ出るのか?」


「いつになるかは分からないけど多分そうなるかな…」


異世界に旅人と出会いと別れ。

定説とも言える組み合わせの寂しさを感じる。


「心気臭い顔してないで、早く行こう。」




※※※




「俺が知ってるのはこれくらいだよ。」


「予想以上に少ないね。」


「俺も少ないと思う。それでも頼まれた分は全部回ったんだけど。」


「そうかぁ、なら後は組合の場所でも覚えて帰ろうか。」


「組合?どうして?」


「旅人にとっては常識だよ。やっかい事が起きたら組合で処理しなきゃいけないし。」


「ああ、そうだな。」


そう言えばそうだ。


悠斗とシルリアは組合の外注のため護衛と討伐の仕事の話しか回って来ないが警察的役割も担っているのだ。場所は覚えておいた方がいい。


悠斗がそれじゃあ行くか、と言おうとすると後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。


「おーい、ユウトはん。なにしとるん?…って、あ、ティルちゃんやん。久しぶりやな。」


「久しぶりナッシュ。」


ティルは微妙に声のトーンを落として応える。


「これから組合にでも行こうかと思ってたんだが。」


「組合か、なら一緒に行こや。」


二……きり……たの…、とティルがよく聞き取れないくらい小さく呟いていたが今は気にしなくてもいいだろう。


「ナッシュはどうしてここに?」



「それは北広場の後始末に行ってたからや。」


「北広場?」


「せや、魔法使いにたいなもんが九人も半生き埋め状態になって内二人は廃人になっとる。広場の方も地面は割れて木は一本根本から引っこ抜かれとるし、その木は何故か砕け散っててそこら中に瓦礫やら焦げた跡も残っとるし、果ては魔法式半永久継続型噴水が壊れて水も無くなっとる。その調査に行ってた訳や。」


広場におけるかなり大規模な破壊の跡は、実はたった一人の人間が戦った余波に過ぎなかったりする。


「そうそう、被害にあった子供が『髪と目が真っ黒のお兄ちゃんが助けてくれた。』とか言ってたんやけど、それってユウトはんやない?」


「多分俺だよ。」


「ホンマかい。何があったんか教えてくれへん?」


「いきなり魔法が大量に放たれて、外獣が現れた。」


「外獣!?外壁の中に!?何て言う外獣や?」


「えーと……翼の生えた…四足歩行の……」


「キマイラが五体、デーモンが二体だよ。」


…人っ……だっ……に、とばかり言っていたティルが会話に参加する。


「デーモン二体!?でも死体が無かったんやけど…」


「シルリアが蒸発させたから。」


「なるほど、シルリアちゃんがやったんなら納得できるわ。ほいでシルリアちゃんはどこにおるか知らへん?」


「昨日どこかに行ったきりで…」


「ティルちゃんはどこに行ったか知らへん?」


「ずっとユウトと一緒だったしボクも知らないよ。」


「ユウトはんと一緒?って言うことはシルリアちゃんの家に泊まったん?」


「そうだよ。」


「そないなことして大丈夫だったん?」


「大丈夫?…それって何のこと?」


「シルリアちゃん家の防衛システムのことやて。」


「防衛システム?」


「外の人形ちゅう勝手に動く甲冑があった筈や、あれはシルリアちゃんが認証させてない全ての生物を排除するんやけど。」


「そんなのあったのユウト?」


「いや、ティルをおぶって入った時は立ったまんまだったぞ。」


「ティルちゃんがおぶられていたんなら攻撃を受けないのも分かるな。」


「どういうこと?」


「ティルちゃんがユウトはんの付属物として扱われたんやと思うで。」


「荷物扱いってこと?」


「そや、まだ認証を受けてへんなら帰りも手繋いで行くしかあらへんわな。っと着いたで。」


「もう組合か。」


「へえー、ここが組合なんだ。」


「じゃあシルリアちゃんが帰ってきたら顔出すよう伝えてな。」


こうしてティルへのキセム案内は終わった。




※※※




「ねぇユウト、手繋がないとダメなんだよね。」


「そうじゃないと外の人形に排除されるって話だしな。」


「なんか意識すると急に躊躇っちゃうんだけど。」



門前ではそんなやりとりが………

なんかグダグダになってしまいました…

つか何のためにこの一ページ作ったんだろ?


作者にとっても訳の分からないページになってしまいスイマセン。

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