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倒されるべき勇者  作者: ロールほうれん草
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第一話「労働者レイ」

「レイ、ほらレイ!起きなさい!」


 部屋に怒鳴り声が響く。

 その声に反応するのはレイという名の少年だ。


「んぁ、あぁあ」

「水でもかぶって目を覚ましなさいな」


 そう言って母ノエルはコップに汲んでおいた水を乱暴にかける。

 もちろんレイはそれをすべて受け止める。


「冷たいよ! 雑すぎるよ!!」

「そうでもしないと起きないじゃないか。これも思いやりだよ。感謝してくれていいよ」


 タオルを渡しながら言う。

 レイは不満に思いながらも受け取ったタオルで頭を拭く。


「今日仕事はいってたっけ?」

「そうじゃなかったら起こしてないよ。本当は自分で起きてほしいんだけどねぇ」

「出来たらそうするよ」


 仕事というのは飲食店で注文を聞いたり、料理を運んだりするものだ。

 レイが働いている店は「冒険者の集い」という所だ。

 そこには冒険者(名前の通り世界を冒険する者のことだ)がよくあつまる。

 スタミナをつけるためだとか冒険で稼いだ金を奮発したりで大量に注文してくれる。

 そのため結構給料がいい。


 レイの場合は給料などどうでもよく冒険者の話を聞くために働いているのだが。


「とりあえず、これ着て」


 服を顔向けて投げつける。


「実の息子なのに扱いがひどいなぁ」


 文句を言いながら寝巻を脱ぎ受け取った服を着ていく。


「朝ごはんはどうするんだい?」

「あっちで済ましてくるよ」

「あんまり店の負担になることをするんじゃないよ。作って置いたから持っていきなさい」


 そうしゃべっている間に着替え終わる。


「よし、それじゃ行ってくるよ」

「待ちな、これ忘れてる」


 ノエルが持っているのは青い宝石が特徴のペンダントだ。

 レイの首にそれがかけられる。


「うん、いいね! 完璧だ!」


 肩を強めに叩かれる。


「痛い! 優しくしてって!」


 黒髪の短髪、黒い目。

 服は上が茶色で、下が黒。

 いい感じに整っている。


「ほら。これ朝ごはんね。行ってきな」


 今度はさっきより大きい声で少年は言う。


「行ってきます!」

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