【60秒で一気読み! キャラクター小噺】 〜もしも、こんな○○がいたら
【60秒で一気読み! キャラクター小噺】 〜もしも、こんなスプラッターなケーキ屋さんがいたら
【 腕には自信あり! ケーキ屋さんのこんな店頭デモ」
集客に困っていたケーキ屋の店長さん。
ある日、蕎麦屋さんの前を通りかかり閃いた!
ガラス張りの作業場で手打ち麺をこしらえている真摯な姿に心打たれた。
「そうだ! ウチもケーキ作りをお客さんにぜひ見てもらおう。
そうすれば、ウチのケーキの素晴らしさをきっとわかってもらえるハズだ」
早速、店頭を改造し外から通りすがりの人に調理場の様子を見てもらえるようにした。
店頭を興味深げに覗く通りがかり客が横目で注目し出していた。
さあ、店長のケーキ作りデモが始まった!
クリームを工事現場用電動ドリルでかき交ぜ、スポンジケーキの上にドビィシュワーと
ぶちまけると、電動ノコギリで切断し始めた。
汁やケーキ片が飛び散ると、店の奥でギャーやめて、と悲鳴が轟き、保護ゴーグルの奥で店長の目がニヤリと笑った。
まるで『デクスター』。人体解体のような調理現場。
30分後、店頭にそれはみごとなデコレーションケーキが飾られた。
赤いイチゴが光っていた。
素晴らしい出来の完成品。
だが、お客さんはすでに誰もいなくなっていた。
「できれば、最後まで見て欲しいのに‥‥‥」
味は大変美味しかった。