スタンドアローン・ミッション~単独任務~
遠くでHE弾が炸裂、大爆発。危険物のタップリ詰まった施設にでも直撃したのだろう。激しい閃光のあとに爆風。俺の体は、まるで木の葉のように宙を舞っていた。
「死ぬのか…。俺は…?」
意識が遠のく中、任務のことよりも家族のことが思い浮かび、また二度ともう会えないであろうという後悔でいっぱいになっていた。
一体どれだけの時間が経ったのだろうか。ショックのせいだろう、体が動かない。だが感覚はしっかりしているようだ…。
「クソが…。」
かろうじて動く首を動かしてみる。
血と硝煙とオイルの臭いのする中で、まるで俺に送られたかの様にスノードロップが咲いていた。
「こんな所に捨てられた修道院?そこに咲くとは嫌味な花だ…」
「スノードロップ…。花言葉、送られた場合は貴方の死を望みます。か。クッソムカつくジョークだな。」
小さく白い、まるで涙のような花弁を持つその花は、遠くの爆撃で起きただあろう爆風に晒されながらも凛と咲いている。
その様が嫌に腹立たしい。意識が朦朧とする中でそんなことを思う。
「そういえば、この花言葉を知らなくて、カミさんにスノードロップ贈って怒らせたっけな…。」
-遠くで閃光、轟音、爆発-
我に返る。
そして自分に語りかけるように、念じるように口に出す。
「そうだ、俺にはまだ任務がある。こんな所で、死んじゃいられない。」
「死を望まれても、生憎だが俺はここでは死ねんのさ。」
腰に携えた軍用拳銃を手に取り、彼は地獄の釜の蓋を開けたような死地で、無謀な任務遂行のために単独で歩を進めるのであった。
END
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初投稿です。
文章書くのって凄く難しい。
よろしくお願いします。