視線
いつも感じていた貴女の視線
まるで私の身を焦がすよう
その眼差しを感じる度に
心がざわついていた_
始まりは受け持ったクラスでの挨拶
視線を感じて振り向けば
呆然と私を見る貴女
それが何故か印象に残った
貴女の視線を感じるたびに
何故か落ち着かない私の心
ふとした時に気づくそれに
落ち着きをなくしていた
それからはたまに気にかけていた
視線を感じない時には無意識に探して
そして貴女を見つけたら
安心する自分に気づいた
同じ性別である筈なのに
私より年若い貴女に心乱される
ああ、ああ、お願いだから
その目で私を見ないで
桜吹雪の中貴女は私を呼び出した
行ってはいけないと頭で分かっていても
体は指定された場所へと赴く
ああ、ああ、誰か私を止めて
告げられたのは視線と同じくらい強い想い
私の体を歓喜が駆け巡る
だけどそれを理性で押しとどめ
私はそれを拒絶した__
あれからいく年月
今年もまた貴女を否定した季節が来た
胸に走る鈍い痛みを押し込め
これで良かったのだと自嘲する
ふとした瞬間涙が溢れそうになる
その資格が無いと理解しているのに
それでも私は聖職者としてやるべき事をやったと
彼女の為だったと偽善をはく
(本当は怖かった
彼女の視線に一喜一憂する自分が
あの想いを受け止めた後
彼女の愛した自分でいられるだろうかと)
不意に感じた懐かしい視線
忘れることの出来なかったあの感覚
勢いよく振り返れば
あの頃より大人びた彼女の姿
(迎えに来たよ、と優しく囁きながら抱きしめられた
その温かさに目じりに涙がたまる
総てを理解していたと告げる視線を受けながら
私はあっけなく理性を手放した)
何故かお相手の方が....うん、何も言うまい
ブラックコーヒー@カフェイン増量さんの企画です
チャレンジしてみました如何でしょう..?(ドキドキ)
感想宜しくお願いします(ペコリ)