零れた歪む言の葉
掲載日:2026/06/28
神は言った。苦しみも、辛さも、全て暖かく見守っていると。
民は言った。神を信じ続ければ、いつかは救われると。
私は言った。信じ続けても救われない、神は天から見下ろすだけだと。
家族は言った。神は我々を救うと。信じぬ者は世で生きてはいけないと。
民は祈った。神を信じれば救われると、そう信じていた。
私は嘆いた。神は私を見てくれていないと。
私は憎んだ。家族と私を引き剥がした、神を。
民は憎んだ。神を信じぬ私を。
私は呪った。私を独り残した彼らを。
私は祈った。神に少しでも暖かな未来を与えてもらえるように。
民は気付いた。神を信じても、自分で動かなければなにも起きないと。
私は信じた。家族を呪った神を。
私は消した。私を独り苦しませた者共を。
私は気付いた。信じたものは全て、偶像だったと。




