転生パワーで崇拝され最強魔法を習う子供達の魔法学校で名誉講師として選任され最強魔術師学園スローライフが始まった件
「よし生徒諸君! あっちに用意した的を、先生より早く仕留めたら合格だ。さあ、やる気を出せ!」
最強魔術師として転生した俺は、魔法学校の名誉講師に就任した。
可愛らしい生徒たちが、色めき立って杖を構える。
「絶対に私が一番になってみせるわ!」
「いや、僕が勝つんだ!」
「邪魔しないでよ、リーダーは僕だ!」
純粋な向上心。眩いばかりの輝き。
そんな子供たちの希望を、俺は今から粉砕してやる。
「いくぞ……よーい、スタート!!」
ドゴーーーーーーン!!!!!!!!
俺は詠唱破棄の最強広域殲滅魔法を、開始0.1秒でぶっ放した。
爆煙が晴れると、そこには跡形もなく消え去った的の残骸だけが転がっている。
「いえぇぇぇぇぇーーーーーーーーーい!!!! 俺が先に全ての的を倒したぞーーーー! 俺の勝ちだ、ガハハハハハ!! 大人の、最強の力を見たかーー!! はっはっはっはっは!!」
飛び跳ねて喜ぶ俺。
だが、辺りは水を打ったように静まり返っていた。
「………………………………」
一人の生徒が、冷めた目で俺を指差して呟いた。
「……ねぇ。あそこに、まだ『動く的』が一つ残ってるよね」
「うん、一番大きいやつがピョンピョン跳ねてるね……」
………………
「あらあら教頭。あの特別講師の方は? さっきまで賑やかでしたけど」
後から様子を見に来た学園長に、生徒の一人が事も無げに答えた。
「ああ、あの人なら……急用があるって言って、帰っちゃったよ」
「そう、残念ね。ご挨拶もできなかったわ」
学園長は微笑んで去っていく。
しかし、その場にいた全員が知っていた。彼が「帰った」場所は、この学園の外ではなく、もっとずっと高い場所……あるいは深い場所だということを。
それ以来、学園で彼の姿を見た者は、一人もいない。
(完)




