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リモート者強制ブリーチ事件(お題 夕暮れ/リモート/ブリーチ)

 ここはクソミステリー世界!今日もクソミステリー世界で、三須照みすてり小学校五年生の米田こめた 共作きょうさく君は、ベタベタな探偵帽を被り、どこで買って来たのか、ウンコ型棒キャンディーをしゃぶりながら、クソミステリーに挑む! このバカミスを書いている窓の外は晴れていて、窓を開けていても温かい空気と風が入って来ます。もう春ですねえ、ごらん、むこうの川辺でカワイイ菜の花が黄色く開花しているよ。


「共作ちゃん、今日の事件はな~に?」


 まったりとした口調で共作に話しかけるのは、妹分兼幼なじみ兼助手、将来共作ちゃんと挙げる結婚式は、王道に教会で真っ白なウエディングドレスを着て挙げたいな~。と思っている小学四年生、柏木かしわぎ 小雪こゆきちゃん。そんな願望が現れてるのか、今日のツインテールは白いリボンで飾られています。うーむ清楚!


「いい質問だ、小雪ちゃん。実は最近、米田市内で、リモート出勤中の人達が、夕暮れ時、いかにも悪の組織って感じのクソジジイがモニターに映ったかと思うと、髪をブリーチ、漂白されてしまう事件が相次いでいるんだ」

「それどう考えても、この間共作ちゃんとの遊園地デート邪魔したDr.マッドっておじいさんのせいじゃない~! また推理要素がないよ~!」


 Dr.マッドっていうのは共作と因縁の対決してる悪の組織の悪の科学者です。もっと有名な探偵の黒い感じの組織みたいなもん。詳しくは「米田共作の事件簿~遊園地ゾンビ量産事件」を参照の事。もっとも、読んだところでわかるか作者も知らんけど……。


「安心するんだ小雪ちゃん、この僕達のデートの邪魔したクソジジイが、この毒電波ブリーチ化映像をどこから送って来るか特定する作業がある」

「え~? 逆探知とか? それとも発信機? わあ、やっと探偵らしくなってきた~!」

「いや、そんな事しなくても映像の背景でバレバレだよ。コレ、僕らもよく行く、『喫茶ドイル』じゃん」


 〇


「見つけたぞDrマッド!」


 カランカランカラン♪

 

 いかにも個人経営喫茶って感じのドアベルの音を鳴らしながら、共作達が『喫茶ドイル』に踏み込むと、テーブル席にパソコンその他怪しげなアンテナでめっちゃブリーチ毒電波を送っているDr.マッドが、ナポリタンスパゲッティーとブラックコーヒーに舌鼓を打っているところだった。


 この『喫茶ドイル』は、「子ども達にもコーヒーの味をわかって欲しい」という信念の元、小学生までは割引でおいしいコーヒーが飲めるので、共作達も時々学校の帰り道の寄り道デートに使ってたりする。でも二人とも、大人しく砂糖とかミルクとか入れて飲むので、果たして背伸びしてサイフォンとか使う感じのコーヒーを飲む意味があるのかはわからない。でも本場の方が砂糖とかミルクドバドバ入れるっていうし……。雪印コーヒー牛乳とMAXコーヒーを愛する子ども舌作者にはもう何もわからない、わからないんだ……。


「キーフィッフィッフィッ! ふぉふぇふぁひょうひゃふ、よくふぉふぉふぁわひゃったは!」

「食ってから喋れよ汚いなあ」


 モグモグゴックン。


「キーヒッヒッヒ! 米田共作、よくここがわかったな!」

「言い直してくれたおかげでわかりやすいね、共作ちゃん」


 『喫茶ドイル』のナポリタンは量が多く味も良く、卓上の粉チーズかけ放題でお値段も手ごろなので、共作達も良く食べてるらしいよ。私もナポリタンスパゲッティ食べたいなあ。でもなんかミートスパゲッティばっかり作っちゃうんですよね。えっ作者の近況なんて誰も訊いてない?


「マスターもこんなの即通報しようよ、1000%怪しいじゃん」

「そうだよ~」


 共作達が抗議しますが、渋いイケメンおじさんって感じのマスターはカウンターで食器を磨きながら、


「……コーヒーと食事を味わいたい方に、貴賎はないので」


 と言って、また食器磨きに戻ってしまった。大物なんだかバカなんだかわからんなこのおじさま。


「キーヒッヒッヒ! ここを突き止めたのは褒めてやるが、このスイッチ一つ押せば米田市内の、モニターやスマホを見ている連中全員の髪を真っ白けっけに出来るところまで準備は万端よ!」

「行けー時計型ミサイル!」


 ボガーン! クソみたいなスイッチは共作の狙い撃ちで滅びた。良かった良かった。


「あー!! 何しやがるこのクソガキ!」

「そんなキモイ電波とスイッチ作るお前のがクソだろ! 大体なんの目的でそんな事すんだよ!!」

「だってワシはもう髪が真っ白なのに、若者がみんな真っ黒なのが腹立つんだもん」

「同情の余地が一個もないよ~共作ちゃ~ん!!」

「よーし! 博士の作ったこの1000t級ハンマーで装置も全部壊してやる!」


 共作がどこからともなく、「1000t」と書かれた古典的なハンマーを取り出すと、


「お客さん……ご飯とコーヒーは、お行儀よく食べてください」


 静かで大らかなマスターの、鶴の一声。


「あっ、ごめんなさい」

「もうしわけない」

「ごめんなさ~い!」


 というわけで、Dr.マッドがコーヒーとナポリタンを平らげて、それを見てた共作達も食べたくなったから注文して、みんなでお会計を済ませてからいつものドタバタ騒ぎしたらしいよ。みんなもご飯はお行儀よく食べようね!


 えっ、事件はどうなったのかって? 共作のミサイル攻撃で変なブリーチ装置は壊れたけど、またDr.マッドは逃げちゃったらしいよ。めでたしめでたし?

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