動物園の猿死亡事件(お題 傘/電球/猿)
ここはクソミステリー世界!今日もクソミステリー世界で、三須照小学校五年生の米田 共作君は、ベタベタな探偵帽を被り、どこで買って来たのか、ウンコ型棒キャンディーをしゃぶりながら、クソミステリーに挑む!
「今日は米田市内動物園名物のお猿さんが被害者だよ〜傘で電球を回す芸を、朝の9時から閉園の5時までずっとやらされてたんだって〜」
説明口調で説明するのは、三須照小学校4年生の柏木小雪。リボンで結んだツインテールがチャームポイントの、共作の助手兼幼なじみ妹分だが、今日はクマさんのヘアゴム。クマとか普通にヤバい、クマった困った動物なのに、なんでメルヘン面して女の子向けの定番キャラみたくなってるんですかね? 森のくまさんの童謡と、テディベアの知名度がそうさせるんでしょうか?
「ああ、それ別にただの過労死らしいからどーでもいいよ」
作者の疑問も小雪ちゃんの説明も気のない感じで、共作はウンコ型キャンディー(しかもチョコ味)を舐めていやがりました。このウンコ型キャンディー、昔服屋のレジ前とかに売ってたの見た記憶があるんですが、まだあるんでしょうか?
「え〜だってそれはそれで動物虐待じゃないの〜?」
「一応警察と連携して調査したけど、こいつ市内でイタズラしまくってた野生の猿を捕まえてここに置いてたらしいんだよね。捕まるまでが本当に酷くて、食べるわけでもなく、人家の柿を投げて遊ぶわ、青果店の果物や野菜を店主に投げつけて遊ぶわ、子どものオモチャ取って泣かせるわ、マックに侵入してテリヤキバーガーのテリヤキハンバーグだけ食って残りはゴミ箱に捨てるわ、民家のペットのメス猿に……これ以上は小雪ちゃんに聞かせられないよ」
「ええ〜! 探偵の共作ちゃんの事件解決について行ってるくせに、今更純なぶりっこする気ないよ〜?」
「僕がヤなの! 大体、今日は完全にオフで小雪ちゃんとデートに来てるのに迷惑だよ、クソ猿が勝手に自業自得で死んでてさ。大体動物園の猿なんかそんなにいらないのを温情で入れてもらったのに、仲間の猿は虐めるわ、飼育員の人にバナナの皮を投げつけるわ、調査報告書読んだり、一応僕自身で聞き込みしてるうちに気分悪くなっちゃったよ!」
共作はキチンと「ありがとうございました」と一応調査の為、その辺にいた刑事さんにお辞儀して、調査報告書を返した。
「さ、デートの続きしよう。僕も小雪ちゃんや、事件解決に協力してくれる警察の方々、色々発明品を作ってくれる博士への感謝を忘れたらいけないね。あっちには見に行くと絶対大口を開けて口の中を見せてくれるカバがいるらしいよ」
「ホント〜? 見てみた〜い!」
「アイスクリーム買う?」
「共作ちゃんと同じキャンディーでいい!」
「えー? 別に小雪ちゃんなら分けてもいいけどさ、せっかく遊びに来たんだし、ちょっと良いもの食べようよ、僕も小学生だから、あんまり高いものは買ってあげられないけどさ」
こうしてクソ猿は「猿が悪いんじゃなくてコイツがクソ」という事で片付けられ、共作達はラブラブデートに戻った。推理すらしてないが、これにて一件落着!