遊園地地縛霊事件(お題 メリーゴーランド/クーラー/お経)
ここはクソミステリー世界!今日もクソミステリー世界で、三須照小学校五年生の米田 共作君は、ベタベタな探偵帽を被り、どこで買って来たのか、ウンコ型棒キャンディーをしゃぶりながら、クソミステリーに挑む! もうすっかり冬! 者のスマホを打つ指先がひび割れて痛い。一人で塗るオロナイン軟膏が染みるぜ……。
「寒いねー、共作ちゃん。今日は何しに来たんだっけー?」
白い指先に保湿クリームを塗りながら問いかけるのは、三須照小学校四年生の柏木小雪。共作の妹分兼幼なじみである。ツインテールを結ぶヘアゴムが白いポンポンですが、雪みたいで可愛いですね。
「うん、今日はね、僕らの地元の遊園地のメリーゴーランドが呪われてて大変だから解決に来たんだよ小雪ちゃん」
小雪に手を握られ、クリームを塗り塗りされながら説明する共作。クリーム出しすぎたんですね、小雪ちゃん。
「ホントだ〜、うちの地元の遊園地の微妙なネズミマスコットが、高速回転するメリーゴーランドから降りられなくて泣き叫んでるよ〜!」
「ギェエエエエエエ助けてぇ!! バイトで死にたくねぇよおおおおおおおお!!!!!!!!」
黄色いネズミにもハハッと笑うネズミにもなれない、灰色の冴えない米田市内遊園地のマスコット・ネズ太郎君が、中の人丸出しで叫んでいます。 いつもはちゃんと「~だチュー」というこれまた微妙な語尾を守って喋っているのですが……ちなみに声も中の人が違うと当然変わって……おや、誰か来たようだ。
(しばらくお待ちください)
……モウシワケアリマセン、ナカノヒトナドイマセンデシタ。エッ、ノウミソヲカイゾウサレタカノヨーナキカイテキナカタリ二ナッテルッテ? キノセイデス。
読みづらいので戻ります。
「ここのメリーゴーランドを呪ってる地縛霊は、寒さとお経に弱いらしいよ」
「なんで~?」
人指し指をほっぺに当てて、首を傾げる小雪。うーんあざとい!
「本命女子に一世一代のプロポーズしようと思って呼び出して、まあ女垂らしのクソ野郎だから普通にフラれて来てくれなかったんだけど、真冬に閉演しても一晩中待ち続けて凍死して、通りすがりの家族サービスしてた住職にお経読まれて一時的に除霊されたから苦手らしいよ。浮気性の癖にしつこい男だったから、定期的に湧いて復活するけど。夏は屋外でも使えるスポットクーラーで凍えさせて駆除するらしいけど、今は冬だからいらないかな」
「迷惑だね~」
「というわけで、その住職さん直伝のお経を今から唱えるよ!」
「はーい! ここ来る前にお寺に寄って、帰り道にお揃いの数珠買ったのはこのためだったんだね! 共作ちゃん!」
共作に習い、白いコートのポケットから数珠を取り出す小雪。ちなみに数珠は本格的な数万とかするやつじゃなくて、100均のちゃちなやつです。小学生だからね。
「ナムアミダブツ」
「ぶつぞーほーれんそー」
急ごしらえの付け焼刃なので、最初のナムアミダブツ以外はテキトーでした。そもそも長いお経を覚えられない庶民向けに、ナムアミダブツという簡単なお経が広まったそうですから、まともに修行をしてない小学生にはちょっと荷が重かった。取材を知らないアホの作者にも荷が重かった。
「ギェエエエエ!!!!! 消える!!! こんなテキトーなお経で!」
でもしつこいだけでチンケな男の幽霊なので、こんなお経でも消えました。
「ふう、悪は去った……さあ、後は二人で遊び倒そうか、小雪ちゃん」
「うん!」
「助けてくれてありがとーだチュー……ヴォェエエエエ!!!
手を繋いだ二人の横で、マスコットがなんかゲロ吐いてますが、冷えた指先をお互いの手で温め合う二人には細かい事は見えないのだった。そろそろテレビ放映のウィッシュも始まるし、散々な評判だけど実際どうなのか作者も自分の目で見て確かめたい事だし、終わり。




