表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

カフェオレ

作者: みゆ

数日前の午後のこと


所用で出かけた先の駅でふとカフェオレを飲みたくなり自販機で購入しました


で開けようとキャップを捻りますがなんとも固い!人並みに握力あるはずなのに(女の子だから無理〜なんてことはいったためしがない女です)開かない


肩にかけたバッグがずり落ちるくらい全身の力を指に集めるけどびくともしない


と、そこで


「開けましょうか?」と天からの声


実際にはいつの間にか傍らにいた男性でした


180近い細身の身体に仕立ての良さそうなスーツを身につけたいかにもビジネスマンといった40過ぎの男性


一瞬困惑して躊躇した私の手からビジネスマンは生温いペットボトルを奪うとキャップを捻りました


しかし・・・簡単には開かず


ビジネスマンは照れ笑いを浮かべ


「暖かいペットボトルって開きにくいんですよね」


言い訳がましく聞こえたのは私の性格の問題(笑)


ビジネスマンは今度は「ふん!」と鼻息を荒くして力をかけます


すると


プシュ


と開きました〜───ヽ(〃∀〃)ノ───♪


ビジネスマン笑顔満開


その笑顔がとっても素敵


私のハートがキュンと音を立てました


ビジネスマンは私にペットボトルを渡すとその手が少し濡れてます


「カフェオレ少しこぼしちゃいました」


私は持ってたハンカチを差し出します


「大丈夫ですよ」とビジネスマンは手を振って手についたカフェオレを飛ばしました


そのラフな感じもカッコイイ(安直?笑)


でも私がハンカチを渡すと受け取ってくれました


「ありがとうございました」私が軽く頭を下げると


「いえいえ。困ってるみたいだったのでお声かけてしまいました」


「おかげで飲めます」


私は受け取ったカフェオレを持ち上げて見せる


「お礼しないとですね」


「お礼なんていいですよ」


「でも・・・」


「それじゃ・・・お名前うかがっても?」


「えっ!?それってナンパ?」


2人で笑ってしまいました


そこで電車がホームに滑り込んできました


私とビジネスマンは進行方向が逆のようです


私は慌ててバッグから名刺を取り出すとビジネスマンに渡しました


ビジネスマンも私に名刺をくれました


「向日葵さん・・・素敵なお名前ですね」


ビジネスマンは「鈴木一朗」


なんと平凡な(笑)いや、あのイチローの本名と同じ!


私の気づきをわかったのか


「あのイチロー本人じゃありませんよ。って名刺渡すとたいがいそんな顔されるので」


発車の音楽がホームに鳴ります


私は電車の中へ


一郎さんが手を振りドアが閉まります


その手に私のハンカチ


一郎さんも気づいてあっ!って顔になる


その顔が横に流れていく


一郎さんは私の名刺をヒラヒラとさせ何か言っている


読唇術はできないけどなんとなく「連絡します」と言ってるように見えた


あっという間に一郎さんは消えていったが私のハートに何か残していった気がする




あれから数日


いまだに一郎さんから連絡はない


(マジかよww)


こっちからする?ハンカチ返せって


いやいや・・・そんな無粋な女ではありませんことよ


ん〜


もし連絡あったらどうするかって?


わかんなーい


男と女なんて先が読めないから面白いんですもの❤その後鈴木一朗さんからメールが来ました


仕事終わりにスマホを見ると(鈴木一朗)の文字が


早速開いてみると以下のような文章が送られてました


「私は鈴木一朗の妻でございます。先日は夫にハンカチを貸していただきありがとうございました。状況は主人から詳しく聞きました。主人は直接ハンカチをお返ししようと思っていたようですがお忙しい向日葵さんのお手を煩わせるのはこちらとしてはしのびないので郵送でお返ししたいとこちらは考えております。もちろんクリーニング済みでございます。いただいた名刺の御社に送るべきかと思いましたがご自宅の方がよろしければお教え頂けましたらそちらに送らさせていただきます。ハンカチをお返ししましたら以降主人とは何もなかったことにしていただきたく思っています。かしこ」


だって〜


で自宅住所をこの奥さんに教えるのは怖いので会社に送ってもらいました(当然着払いで来ましたよ〜マジかよww)


チャンチャン

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ