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ハルカアキ  作者: 珈琲之助
他校の問題に口出しをした生徒会長
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第46話

冬丸「言っちゃった~」

冬子「真実が判明しましたね」

冬丸「いや彼女だけじゃレイちゃんは救われない」

冬子「おっ春夏秋さんたちが出てきた」

冬丸「いいねぇこの展開」


Z子が思い切って真実を言った後、冬奈と秋枝が証拠となる動画を流した。これを目の当たりにした睦月たちを除く全員が絶句。被害にあったレイは「よかった」これで救われると安堵の表情を見せていた。一方、冬丸と冬子はまるでドラマでも見ている感覚のようだ。


睦月「こんなの嘘だ!」

如月「作りものだ!」

弥生「でたらめだ!」


やはり睦月たちが罪を逃れようと前に出てきた。彼女たちの言い分もわかる。なぜなら自分はやってないと言いたくなるからだ。証人と動画が出てきたのにシラを切るとは何事だとレイがかつてない怒りを見せた。それでも彼女たちは言い訳を続けた。


冬丸「まだ言うか」

冬子「しつこい人たちですね」

冬丸「まるでドラマだな」

冬子「そうですね」


彼らの声に睦月が怒った。冬子は小さく「すいません」と言ったのだが冬丸は何も言わない。それどことか早く終わってほしいと思ったのか。それとも睦月たちの反論に呆れたのか。冬丸がこんなことを言った。


冬丸「いつまで続けるんだ?」

冬子「先輩?」

冬丸「動画まで流されて否定するとかバカじゃねぇのか!」

冬子「ちょっと落ち着いてください」

冬丸「おい伊藤学園生徒会長!」

冬子「もう止まらない」

冬丸「やってないならやってないで証拠持ってこい!」

冬子「そうだ」

冬丸「レイがやったっていう証拠あるんだろうなぁ」

冬子「ないと思います」

冬丸「レイは加害者じゃない。以上だ」


冬丸の突然の怒号に睦月たちは何も言えず。周りを静かに見渡すなり驚いている。なぜなら伊藤学園高校の生徒会役員全員が睦月、如月、弥生を睨みつけるように囲んでいたからだ。彼女たちはこれまでかと思い、落胆し、その場に腰を下ろした。レイが最後に放った言葉に3人とも静かに頷いた。


冬丸「終わった終わった」

冬子「長かった~」


緊急ウェブ会議は突然、画面が消えたため終了となった。2人はとんだ騒ぎに巻き込まれたと少々、お疲れのようだ。冬丸が立って柔軟体操みたいなことをしている。そんな彼を見て冬子が微笑んだ。学校から最寄り駅まで歩いているとき冬子が冬丸に聞いた。


冬子「どうして伊藤レイさんを信じたんですか?」

冬丸「顔にそう書いてあるって言ったろ」

冬子「でももし、本当に彼女が加害者だったら」

冬丸「彼女はそんなことをするような人間じゃない」

冬子「えっ」

冬丸「だって」

冬子「だって?」

冬丸「彼女が黒幕だったら以外すぎやしねぇか」

冬子「えっそれだけ!?」

冬丸「それとさレイちゃんって可愛いよな」

冬子「……」

冬丸「なになに? 自分もカワイイって言ってほしいの?」

冬子「別に」


冬子はこのとき納得がいくような回答を期待していただけにため息を吐いた。冬丸からどうしたのと聞かれるも冬子はなんでもないと言った。それから数日後、伊藤学園生徒会定期ウェブ会議にて睦月たちが規定により生徒会を離れることが伊藤レイの口から報告された。それと伊藤レイが冬丸に感謝の言葉を述べた。


園子「伊藤園子です」

栗子「どうぞ」

園子「失礼いたします」


ある日、伊藤学園の本部にミレニアム高校の校長、伊藤園子が理事長である栗子が呼び出しを受けてやってきた。


栗子「レイちゃんから聞いたの」

園子「何を?」

栗子「この間のウェブ会議で混乱を鎮めたのは春夏秋冬丸くんだって」

園子「そうですか」

栗子「他校の問題に口出しする生徒会長なんて聞いたことないわ」

園子「確かに聞いたことありませんね」

栗子「黙っていられなかったのかしら?」

園子「彼ならやりかねないかと」

栗子「そう」

園子「それを問題にするのなら配信を止めなかった伊藤学園側の責任かと」

栗子「園子」

園子「はい」

栗子「彼に言っておいてほしいの」

園子「何を」

栗子「他校の問題に口出しをしないでほしいと。もちろん責任は配信を続けた側にあります」

園子「かしこまりました」


園子は丁重なお辞儀をして理事長室をあとにした。そしてミレニアム高校に戻った後、放課後を利用して園子が冬丸に伝えた。これに関して冬丸は何も口答えをすることはなかった。


園子「わかりましたね」

冬丸「はい」

園子「でもある意味でよくやったね」

冬丸「えっ」

園子「だってぇ普通は黙って見るもんでしょう」

冬丸「そうですかね」

園子「なんで? どうして口出ししたの?」

冬丸「それは……」

園子「正直に言ってごらん」

冬丸「早く帰りたかったからです」

園子「生徒会長くんらしい答えね」

冬丸「ありがとうございます!」

園子「これからもこの調子で頑張ってね」

冬丸「はい!」


校長室をあとにした冬丸は園子に褒められたことが嬉しくて気分よく購買で例のラテを買って生徒会室に姿を現した。既に冬子がいた。今日の彼女は珍しく何もしていなかった。


冬丸「校長に褒められちゃった!」

冬子「何かしたんですか?」

冬丸「この前のことでさ」

冬子「へぇすごいですね」

冬丸「他校の問題に口出しするなって注意されちゃった」

冬子「全然、褒められてないじゃないですか」

冬丸「そのあとだよ」

冬子「へ?」

冬丸「それは理事長からの通達で校長からはこのままの調子で頑張ってねだってよ!」

冬子「このままの調子ね」

冬丸「なんだよ」

冬子「別に」


冬丸は気分よく例のラテをぐびぐび飲み始めた。すると例のラテだと気づいたのか苦い顔を見せた。


冬丸「間違えた!」

冬子「またそれ」

冬丸「冬ちゃんあげる」

冬子「先輩の飲みかけなんかいりませんよ気持ち悪い」

冬丸「どうしようこれ」

冬子「責任もって全部飲みなさい」

冬丸「はい」


冬丸は冬子に言われた通り、全部飲み干した。そしてマズいと一目でわかるような顔を見せた。一体、牛乳と何を混ぜたものなのか。気になるところだ。


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