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ハルカアキ  作者: 珈琲之助
他校の問題に口出しをした生徒会長
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第45話

ある日、ミレニアム高校の生徒会室で生徒会長の冬丸がいつもの席で500ミリリットルの牛乳パックに入った何かと牛乳を混ぜた「○○ラテ」なるものを飲んでいた。冬子は相変わらず課題をしている。生徒会というものはこういうのでいいのだろうか。将来が気になるところだ。


冬丸「まじ~これ」

冬子「……」

冬丸「冬ちゃん冬ちゃん」

冬子「なんですか?」

冬丸「これマズい」

冬子「そうですか」

冬丸「そうですかって何も見ずに言わないでよ」

冬子「(チラっ)」


冬子は冬丸を一目見てまた課題に集中した。冬丸は「○○ラテ」なるものがこれ以上飲めないのか冬子に渡そうとしたら断られた。彼は仕方なくそのままゴミ箱に捨てようとすると冬子に注意された。


冬子「そんなの普通に捨てたらエラいことになることくらい想像できないんですか?」

冬丸「すいませんってか課題に集中しろ」

冬子「してますよ」

冬丸「よし! じゃあコレあげる!」

冬子「いるか」

冬丸「頼むよ飲んでよ~」

冬子「キモいからやめてください」

冬丸「マズいんだよ~マジで」


冬丸は誰がこのような商品を売りに出したのか販売元を見た。すると春夏秋乳業と記されていた。案の定、冬丸が口に出した。しかし、冬子は相手にせず。課題に集中していた。


冬子「終わった~。なんですか?」

冬丸「なんでもねぇよ」

冬子「そうですか」

冬丸「あ~それにしてもマズい」

冬子「よくそんなの買いましたね」

冬丸「見た目は美味しそうじゃん」

冬子「そうですか?」

冬丸「もしかして見た目からしてマズそうだって?」

冬子「はい」

冬丸「ちょっと待ってよ! 試されてるってこと!?」

冬子「たぶん」

冬丸「だよな。売店のおばちゃんが言ってた。それ買ったの俺が初めてだって」

冬子「よかったですね」

冬丸「よくあるか」


結局、冬丸は捨てることもできず我慢をしながらラテをちびちびと飲んでいく。そんな中、冬子が最近、起きたことを冬丸に話した。それは伊藤レイがイジメの加害者だというニュースだ。


冬丸「レイちゃんがイジメ?」

冬子「そうなんです」

冬丸「この前のウェブ会議でそんなこと言ってたっけ?」

冬子「どうしてです?」

冬丸「だって冬ちゃんが知ってるってことは俺が知ってて当然だろ?」

冬子「伊藤学園の生徒から聞いたんです」

冬丸「聞き取り調査みたいなことでもしたの?」

冬子「友達が伊藤学園にいるんです」

冬丸「なんだそういうこと。でもさ、あのレイちゃんがイジメなんかするかね?」

冬子「人は見かけによりませんからね」


冬丸がレイが本当にやったのかと疑問を持ちながら例のラテを一気に飲み干しては苦い顔を見せた。その翌日、放課後にて冬奈と秋枝がZ子に真犯人を聞き出した。本当は誰にやられたのかと。


Z子「ごめんなさい」


Z子は睦月たちに指示をされて実行したことを2人に明かした。冬奈と秋枝は動画は本当にイジメの証拠だったのだと改めて認識するのだった。秋枝がZ子に言った。このままだと伊藤レイが代表の座から降ろされると。しかし、Z子は睦月たちのいる前で証言はできないと彼女たちの頼みを拒否した。すると冬奈が動画をZ子に見せた。


Z子「できない」

冬奈「なんで? どうして?」

Z子「あいつらがこわい」

秋枝「あたしたちがついているから大丈夫だって!」

Z子「いや……こわい」

冬奈「もういい」


拒否をし続けるZ子に冬奈がしびれを切らし、強制的に何が何でも連れて行くと本気を出した。前には冬奈、後ろには秋枝が仁王立ちしている。逃げ場を失ったZ子は泣く泣く行って証言をすることを了承した。


冬奈「やっば」

秋枝「もう始まってんじゃん!」

冬奈「早く行くよ」

Z子「やっぱりこわい!」

冬奈「今さら何言ってんの!」

Z子「だって!」

秋枝「頑張ろうよ。ねっ」

Z子「無理……絶対に無理!」


2人がZ子を説得している間、伊藤学園生徒会連合緊急ウェブ会議にて伊藤レイによる謝罪が行われた。それでも冬丸は信じきれなかった。


冬丸「本当にやったのかな?」

冬子「先輩静かに」

冬丸「やったのかな?」

冬子「先輩」


彼らの会話が聞こえていたのか睦月から注意が入った。それを機に冬丸が睦月たちに言った。伊藤レイが加害者なら証拠を出せと。その発言に皆がザワめいた。何を言っているのだと。


冬子「先輩、何を言ってるんですか?」

冬丸「どうしても納得がいかないんだよね」

冬子「なんで?」

冬丸「だって顔に書いてあるもん。私は本当にやっていませんって」

冬子「えっ」


冬丸がそう言った次の瞬間、Z子が緊急ウェブ会議の会場となっている場の扉を思い切り開けた。だがすぐに行動できるものではない。なぜなら睦月たちがいたからだ。すぐ後ろには冬奈と秋枝がいた。Z子は何も言えず時間だけが過ぎていった。睦月から「何をしにきたのか」などと意見が飛ぶ。


冬丸「おっ証人登場か!?」

冬子「そんなドラマみたいなことある訳ないでしょう」

冬丸「じゃああの子なんなのさ」

冬子「それはわかりません」

冬丸「彼女のうしろ、よく見ろよ」

冬子「ん?」

冬丸「生徒会のヤツらがいる」

冬子「本当だ」


冬丸は自分がいつも使用しているタブレット端末の画面にZ子たちの様子がはっきりと映っているのを見て実況のようなことをし始めた。


冬丸「言え」

冬子「何をです?」

冬丸「このままずっと睨み合いを続ける気か」

冬子「先輩」

冬丸「はい?」

冬子「一応、言っときますけど声みんなに聞こえていますからね」

冬丸「知ってるよそんなの。さっき注意されたじゃん」

冬子「そうですね」


冬丸の言う通りZ子は何も言わず。睦月たちとの睨み合い状態が続いている。彼女たちはZ子が突然、やってきたため進行できずにいた。うしろにいた冬奈と秋枝はZ子に勇気を出してもらうため小声で聞こえないように話をしている。


睦月「本当なんなの!?」

如月「用がないなら帰って!」

弥生「生徒会の邪魔をしたということで規則違反にされたいの?」

Z子「あ……あの……」


生徒会トップ3を前にZ子は何も言えない。するとタブレット端末から「言いたいことがあるのなら早く言え」という声が聞こえた。これはZ子があまりにもじれったい為、冬丸が待っていられなかったからである。


冬子「バカ」

冬丸「だってよう何も言わないんだもん」

冬子「あの子だってあの子なりに順序ってものがあるんです」

冬丸「だってさぁ」

冬子「だってもくそもない」

冬丸「誰かが背中おしてあげないとダメそうじゃん」

冬子「先輩!」

冬丸「わかったよ~」


冬丸がふてくされたように冬子を一目みた後、また行動を起こした。それには冬子も呆れていた。しかし、彼の言葉が後押しになったようでZ子は胸を張って前を向き、緊張しながら言葉を発した。

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