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ハルカアキ  作者: 珈琲之助
生徒会長と代表
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第37話

冬丸は伊藤学園生徒会連合定期ウェブ会議の存在を知る由もない。放課後、彼は200ミリリットルの牛乳を購買で買うやいなや一気に飲み干した。その後、生徒会室へ駆けて行った。教室の前で火花が飛び散りそうになるほど勢いよく止まった冬丸は扉を開けた。そしてヒョイっと中に入るなり言った。


冬丸「生徒会室到着ーっ!!」


クーっと背伸びをした冬丸はいつもの席に腰掛けた。今から何をしようか考えようとした次の瞬間、冬子が現れるなり教室に響き渡るかのような元気の良い挨拶をした。その大きな声に冬丸はビクっと反応してしまう。冬子がそれを指摘するも彼は何のことだとしらばくれた。


冬子「そうそう。先輩」


彼女もいつもの席に腰掛けた。一段落したところで冬丸に今日の活動内容を伝えるべく話しかけた。すると冬丸はまだ先ほどのリアクションを気にしていた。


冬丸「驚いてねぇからな」

冬子「はいはい。そんなことより今日は校内清掃をしますからね」

冬丸「えっ!」

冬子「お腹痛いとか言わないで下さいよ」

冬丸「はいはい」


と冬丸は仮病を使う気満々だっただけにやる気のない声を出した。十数分後、時間を確認した冬丸は1年の課題をしていた冬子に気合を入れた声をかけた。彼女は冬丸のやる気に感心し、筆記用具などを片付けた。そして2人は清掃活動のため生徒会室をあとにしようとしたその時だ。まさかの人物が入ってきた。


園子「2人とも席について」

冬丸「はい」

冬子「……」


冬丸は何度か校長に会っているのかさほど驚く気配はない。だが冬子に至っては意外過ぎる人物の登場に目を丸くして固まっていた。冬丸が席に着けと声をかけるとビクっと反応を見せ何も言わず。彼女は席に着いた。


園子「驚かしちゃった?」

冬丸「とんでもございません」

冬子「……」

園子「今からあることに参加していただきます!」


そう言った園子は一緒に入室した御茶野にある指示をした。緊張して言葉を発しない冬子はさておき、冬丸は居たのかというリアクションを見せた。御茶野は2台のタブレット端末に何か設定をしている。


園子「突然だけど、生徒会長くんたちに伊藤学園生徒会定期……違う。生徒会ウェブいやいやいや」

冬丸「??」

園子「そうそう! 伊藤学園生徒会連合定期ウェブ会議! に参加してもらいます」

冬子「??」


園子は言えたとドヤ顔を見せたのだが冬丸と冬子は何のことだという表情を見せた。すると冬子が勇気を出して園子に話しかけた。


冬子「あの!」

園子「はい。副会長さん」

冬子「ほっ本日、実施予定だった校内清掃はよっよろしいのでしょうか」

冬丸「そっちかい」

冬子「だだだって」


冬丸がつっこみ、顔を赤くして焦る冬子に園子はクスっと微笑んだ。彼女の発言に答えたのは御茶野だった。彼は後日にすると言った瞬間、冬丸が静かにガッツポーズをした。それを園子に見られていたとも知らず。


園子「生徒会長君どうしたの?」

冬丸「あっいや……清掃したかったなぁ~って」

園子「フフフ」

冬丸「あははは」

園子「生徒会長君って本当、面白い人ね」

冬丸「ありがとうございます」


笑顔で返事をする冬丸に冬子は嘘だと思った。その後、園子は伊藤学園生徒会連合について話し始めた。


園子「生徒会連合というのは伊藤学園の生徒会による連合組織です」

冬丸、冬子「へぇ~」

園子「伊藤学園が運営している高校は4校でしょう」

冬丸「そうなの?」

冬子「はい」

園子「ということは生徒会長が4人いることになる」

冬丸「本当だ。4人だ」

園子「でね、生徒会連合のトップは代表っていうんだけど……」

冬子「もしかして……生徒会長の上の役職ってことですか?」

園子「その通り!」

冬子「本当にあったんだ……」

冬丸「??」


冬子は伊藤学園には生徒会長より高い役職がある噂を耳にしていた。それが噂から真実に変わった瞬間、感激した。このとき冬子は自分も将来、その役職に就けたらいいなと思っているのだろう。


園子「現在、代表はレイちゃんです」

冬子「レイ……ちゃん?」

冬丸「レイ・チャンって外国人? ですか?」

園子「レイ・チャンじゃなくてレイちゃん。伊藤レイといいます」

冬丸「その人って先生ですか?」

園子「スチューデントよ」

冬丸「スチューデント?」

冬子「生徒のこと」

冬丸「そのくらい知ってるよ」


それから色々と園子によって伊藤レイのことを知った。その後、御茶野による設定が完了すると2人にスタンド付きのタブレット端末が1台ずつ渡された。


園子「時間になったら映るようになってるから」

冬丸「はい」

園子「それではごきげんよう」


園子は御茶野とともに生徒会室を出た。2人が出たあと冬丸が冬子に言った。


冬丸「校長参加しないんだ」

冬子「生徒による会議ですから」

冬丸「定期ウェブ会議って何話せばいいの?」

冬子「テキトーでいいんじゃないですか?」

冬丸「冬ちゃんの口からそういう言葉が出るとは……」

冬子「だって、会議とか参加したことないんだもん」

冬丸「だよなぁ。会議っていったらクラスの話し合いくらいだもんな」

冬子「でしょう」

冬丸「おっと時間だ」


園子が指定した時間になると会議のライブ映像が流れた。冬丸と冬子はそのキレイな画質に「おぉ」と声を出した。


レイ「男子生徒」


連合初の男子生徒の登場にレイのみならず誰もが驚いた。ザワザワする様子に冬丸たちは何事かと思っている。そんな雰囲気を変えるべくレイが静かにするよう皆に呼びかけた。


レイ「ミレニアム高校生徒会の皆さま初めまして。伊藤学園生徒会連合代表の伊藤レイと申します。よろしくお願いいたします」


レイの丁寧なあいさつに冬子の背筋が伸びる。彼女のあとに挨拶をしなければならないのにも関わらず冬丸はいつも通り、ぼんやりとしていた。彼はこの場でなぜ緊張しないのかと思われたに違いない。

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