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ハルカアキ  作者: 珈琲之助
不思議な体験をした生徒会長
31/55

第31話

ある日、各部活動の部長で構成されていた部長連合会がある理由で解散をした。それによりすべての部活動が生徒会の管轄になった。それに伴い部員数と活動実態を調査する「部活動調査」が行われることになった。今、生徒室にて冬丸が冬子にどのようにして調査を行うかの説明をしていた。


冬丸「会長わかった?」

冬子「わかりました」

冬丸「どうする?」

冬子「え?」

冬丸「なに?」

冬子「なんですか?」

冬丸「なんですかって今から行く?」

冬子「行くに決まってるでしょう」

冬丸「明日からにしな~い」

冬子「あっそうそう」


冬子がどんなタイミングで出してくるんだよという感じで冬丸に部活動一覧表という用紙を渡した。


冬子「御茶野先生からラブレターです」

冬丸「うわぁっクラブってこんなにあるんだ」

冬子「行きましょう」

冬丸「会長会長」

冬子「なんですか?」

冬丸「御茶野先生からじゃなくて会長からのラブレターに訂正してくんない?」

冬子「はぁ!?」

冬丸「御茶野先生からって気持ち悪いっしょ」

御茶野「気持ち悪くてわるかったなぁ」

冬丸「ひょ!」

御茶野「これは俺から2枚目のラブレターだ。ハハハ」

冬丸「あ……ありがとうご……ございます」

御茶野「終わったら俺のところに持ってくるように」

冬丸「かしこまりました」


御茶野から2枚目のラブレターという名の部活動調査チェック用紙を受け取った冬丸と冬子はまず始めに女子部へ出向いた。冬丸はいまこの瞬間まで演劇部と放送部、ダンス部の3つしか存在しないと思っていた。


冬丸「これもラブレターかよ~」

冬子「よかったですね」

冬丸「よくねぇよ。会長が変なこと言うからだぞ」

冬子「いいじゃないですか」

冬丸「いいくない。それにしても多くない?」

冬子「多いですね」

冬丸「放送部と演劇部とダンス部の3つしかないはずだろ。なんでこんないっぱいあるんだよ」

冬子「ほんとに3つだけしかないって思ってたんですか?」

冬丸「思ってたよ」

冬子「うそ~」

冬丸「悪いかよ」

冬子「かなり衝撃です」


冬子が冬丸の情報に衝撃を受けた。その直後、彼の発言に彼女はさらに衝撃を受けた。それは女子部を知らなかったことだ。


冬丸「女子部って何?」

冬子「知らないの!」

冬丸「初めて聞いた」

冬子「マジ!?」

冬丸「なんだこれ? ラ部ってコレふざけてんだろ」

冬子「ちゃんとしたクラブですよ」

冬丸「ほんとか?」

冬子「じゃあ初めにラ部に行きますか」

冬丸「おう」


生徒会一行は女子部を後回しにしてラ部に来た。中に入ると女子しかいない光景に冬丸は驚きを隠せなかった。


冬子「はじめますよ」

冬丸「全員女子か?」

冬子「ええ」

冬丸「なんで男子がいないんだ?」

冬子「男子は先輩を含めて部活に入っていませんから」

冬丸「へぇー。それにしてもカワイイ子いっぱいいる~」

冬子「はじめましょう」

冬丸「俺ここ入ろうかな」

冬子「先輩」

冬丸「入ったら俺モテモテかな」

冬子「は・じ・め・ま・す・よ!!」

冬丸「にゃーっ!!」


冬子にチェック表で頭を軽く打たれた冬丸は変な声を出した後、部長に活動調査を行った。その終盤、冬丸が入部したいですと部長に言うと断られてしまった。


冬丸「なんでい」

冬子「次いきましょう」

冬丸「なにがラ部だよコノヤロー」

冬子「そんなこと言わない」

冬丸「そんなことなら女子部に入ってやるー!」

冬子「ダメーッ!!」

冬丸「にゃにゃにゃ?」

冬子「失礼しましたーっ!!」

冬丸「およよよよ」


冬子が深く頭を下げて冬丸の手を握りダダダダダーっとラ部から離れた。冬丸が何事かと冬子に尋ねるとラ部では女子部と言ってはいけないらしい。冬丸はなんのことかさっぱりわからず。ハテナを幾つも頭上に浮かべていた。


冬子「ラ部では女子部と言ってはいけないんです!」

冬丸「なんで?」

冬子「話すと長くなりますが……」

冬丸「次、女子部行こうぜ」

冬子「ちょちょちょ」

冬丸「にゃは」


冬子はなぜラ部で女子部と言ってはいけないのか冬丸に話した。それによるとかつて女子部は部員数最多を誇っていた。その当時、女子部の部長は部長連合会の会長とイコールで結ばれていた。そんな最大勢力を持つ部にある日、内乱が勃発した。原因は当時の部長と副部長の喧嘩によるものだった。


冬子「それが長期化して部長派と副部長派という派閥ができました。その後、副部長派が女子部から独立して作った部活動こそラ部なんです!!」

冬丸「女子部に到着~っ」

冬子「!!」

冬丸「あ~あっ」

冬子「なっなんで教えてくれないんですか!」

冬丸「だって会長があまりにも熱心に話すから悪いと思って……俺なりの配慮ってやつハハハっ」

冬子「笑ってる場合ですか!」

冬丸「にゃはははは~」


冬丸がバカみたいに笑い、冬子が白目を向いて茫然と立ち尽くしているとガラガラっと女子部の扉が開いた。冬子は女子部の前で「ラ部」と言ってしまったことで公開処刑されるのではと思い、その恐怖から頭を深く下げて大声で謝罪した。


部長「なっなにを謝ってらっしゃるのですか」

冬子「へ!?」

冬丸「わぁ~オ」


煌びやかな女子部の部長に冬丸は見とれていた。冬子は見た目からしておしとやかな彼女にホッとしていた。


冬子「よかった~」

部長「どうぞお入りください」

冬丸「失礼します!」


部長が冬丸を生徒会長だと知っていたのか丁重に女子部へと招き入れた。冬子も入ろうとしたのだが目の前でピシャっと扉が閉まった。冬子はその場で「副会長なんですけど」とふてくされていた。

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