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ハルカアキ  作者: 珈琲之助
先生に説教する生徒会長
25/55

第25話

夏男「冬丸! どういうつもりだ!」

冬丸「夏男」

夏男「なんだ!」

冬丸「それ貸してくれないか」

夏男「えっ」

冬丸「いいからいいから」


冬丸が夏男から箒を奪った。冬丸が何をしようとしているのか誰もが気にしている。彼は皆が見ている前でそれを肩に乗せた。そしてイロハの方を向いてしゃがみ、目線を合わせた。


冬丸「先生」

イロハ「……」

冬丸「あなたはこの学校の女子生徒全員を被害に遭わせようと企みました」

イロハ「フンっ」

冬丸「実際に2人の生徒が被害に遭いました」

イロハ「そうよ。だからなに?」

冬丸「!!」


冬丸が地面に思い切り箒を叩きつけた。それにより箒が2つに割れた。彼の行動にイロハはもとより皆も驚いている。


冬丸「なにってお前、全然反省してねぇじゃん」

イロハ「!?」

冬丸「てめぇのせいで体調崩して学校来れねぇヤツがいるんだよ!」

イロハ「……」

冬丸「わかってんのか!!」


冬丸はイロハを睨みつけたまま折れた箒を放って腰を上げた。冬丸は夏男を見るなり笑顔で言った。


冬丸「ふ~」

夏男「……」

冬丸「夏男、春子ちゃん早く元気になるといいな」

夏男「ありがとう」

冬丸「おう」

イロハ「あーっ!!」


突然、イロハが奇声を上げて夏男と冬丸の間をかき分けて逃亡を図ろうとした。しかし、御茶野たち教員によって失敗に終わった。それでもイロハは暴れている。


御茶野「イロハ先生」

イロハ「放して! 放せ! あーっ!」

御茶野「いい加減にしろー!!」


逃げようと必死にもがく彼女に御茶野の堪忍袋の緒が切れた。それはとても言葉では表せないほど恐怖に満ちていた。これで突如発生した騒動は幕を下ろした。その一部始終を校長室で園子と珈琲谷が見ていた。


珈琲谷「イロハ先生に立ち向かったのはタチという男子生徒です」

園子「彼は剣道かなにかやってたの?」

珈琲谷「あまり目立った生徒ではありませんので何とも……」

園子「それにしてもタチ君がいなければ生徒会長君はやられてたかもだね」

珈琲谷「それはごもっともですが生徒会長もいなければ流血騒ぎになっていたかもしれません」

園子「だよね~。イケメン君がイロハ先生を打ってたかもだよね。今回のお手柄は誰でしょう?」

珈琲谷「それはタチ君ではないでしょうか」

園子「でもでもでも生徒会長君たちがいなかれば不審者は未だにこの辺ウロついていたかもしんないんだぞ~」

珈琲谷「それもそうですね」


それはお昼休みの出来事だった。タチが今朝の行動で女子からモテ始めていたとき、演劇部員のAが部員たちとともに冬丸の教室を訪れた。彼女たちは冬丸にまた短編作品を作るので出てくれないかと出演依頼をしたのだ。


冬丸「いいね」

A「出演するでよろしいですか?」

冬丸「こんな俺でよければいつでも……ニャニャ?」

夏男「もう出てったよ」


冬丸が自分なりにカッコイイ感じを出していたのだが彼女たちには届かなかった。放課後、冬丸は張り切って演劇部員のいるところへやってきた。


冬丸「キミたちの中からじゃないの?」

A「この前のことがあったので」

冬丸「この前のこと? 俺、何かした?」

A「いえなんでもありません」

冬丸「??」

A「あっヒロインが来ました」

冬丸「誰かな......えっ」


演劇部初。一般生徒から選ばれたヒロインは冬丸もよく知る女子生徒だった。彼女は冬丸と恋人役を演じれるとだけあり2度目のスーパー乙女になっていた。


ララ美「冬丸様、がんばりましょうね!」

冬丸「おっ……おう」

ララ美「キュン!」


冬丸は久しぶりに出たーっとララ美から放たれた巨大なハートにドンっと潰された。撮影はたった一日で終わった夕方6時を過ぎ、冬丸はララ美とともに最寄り駅まで一緒に歩いていた。そのとき冬丸が彼女に対してずっと思ってきたことを聞いた。


冬丸「ララ美さん」

ララ美「なんですか?」

冬丸「一つ聞いていいか」

ララ美「ええ」

冬丸「なんで俺のことそんなに……なんていうか……」

ララ美「好きかって?」

冬丸「えっあっいや……その……」

ララ美「冬丸様もそんな顔するんだ」

冬丸「わっ悪い?」

ララ美「ううん。可愛いなぁって」

冬丸「なっなに言ってんだよ」

ララ美「あたしが冬丸様のことを好きになったのは」


そう言うとララ美が冬丸の方を向いた。珍しく冬丸は恥ずかしそうにララ美と目線を合わした。ララ美が少し間を開けてこう口にした。


ララ美「あたしのことカワイイって言ってくれたから」


この瞬間、冬丸は「そんなこと言った?」と疑問符を何個か頭上に浮かべた。それはすぐにララ美にも伝わった。


ララ美「忘れたなんて言わないよね」

冬丸「えっあっ……えっと」

ララ美「も~」

冬丸「仕方ねぇじゃん」

ララ美「冬丸様ひど~い」

冬丸「悪うござんした」


そのとき、ララ美がよそ見をしていたせいで通行人と軽くぶつかった。その衝撃で冬丸が彼女を受け止めた。それはまるで抱き合っているかのようだった。


冬丸「大丈夫?」

ララ美「うん」

冬丸「なぁ」

ララ美「ん?」

冬丸「離れてくんない」

ララ美「もうちょっとこのままでいましょ」

冬丸「いや……ちょっと、ねっ」

ララ美「はは~ん」

冬丸「恥ずかしいよ」

ララ美「私は恥ずかしく……ない!」


ララ美は久しぶりに冬丸の体温を感じており簡単に放すまいと必死にくらいつく。一方の冬丸は誰かきたら恥ずかしいと顔を赤くしていた。


冬丸「まっいっか」


と心の中で思いながら。

第4章が終わりました。5章ができるまでしばらくお待ちください。

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