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ハルカアキ  作者: 珈琲之助
先生に説教する生徒会長
19/55

第19話

冬丸「一週間くらい学校休んだほうがいいですよね?」

健子「今すぐ運動場100周走っても問題なし!」

冬丸「いやいや何かないですか?」

健子「ナッシング!」

冬丸「アルシング!」

健子「アッアルシング? ってなに?」


冬丸がどうしても「異常あり」にしてほしい理由。それは翌日に補習授業を受けなければならないからだ。担当教諭は決勝の審判をしたイロハという女性教員。彼女は学校で一番厳しいことで有名だ。


健子「必ず受けなきゃなんないんだから」

冬丸「え~っ」

健子「頑張んなさい。あんた生徒会長でしょ」

冬丸「抽選で選ばれましたけど~」

健子「はいはいおしまい。帰った帰った!」


冬丸はカクっと肩を落として保健室を後にした。冬丸が教室に戻った時、下校時間だった為か誰もいなかった。支度をして教室を出た冬丸を待ち構えていたのはララ美だった。彼女はいつものツレと一緒にいた。


ララ美「冬丸様!」

冬丸「よう」

ララ美「お怪我の具合はいかがですか?」

冬丸「平気平気」

ララ美「よかったーっ!!」

冬丸「ちょいちょいちょいちょい!?」


ララ美が自分の責任だと言わんばかりに冬丸をぎゅうっと力強く抱きしめた。だんだん冬丸の気が遠くなっていく姿をリリ子とルル香はヤバいと感じていた。やっとの思いで解放された冬丸は心臓をバクバクさせていた。


ララ美「今から生徒会ですよね」

冬丸「うっうん」

ララ美「頑張ってくださいね。キュン」


冬丸は出たとララ美から放たれたピンク色のハートを真に受けた。リリ子とルル香は何度もその行為を見ているはずなのに引いていた。その後、冬丸はリリ子とルル子と手をつないでスキップするララ美を茫然と見つめていた。


冬丸「俺、どうなっちゃうのかな」


ララ美から不気味なハートを何度も何回も受け続ける冬丸は体に何かしらの影響があるのではと心配した。だがそれも僅か1分後にはどうでもいいということになり冬丸は生徒会室にやってきた。


冬丸「おはよう」

冬子「おはようございます。先輩、大丈夫だったんですね」

冬丸「なんで知ってんの?」

冬子「みんな知ってますよ。生徒会長が鼻血を出して気絶したってこと」

冬丸「ブーしてバタンよ。事故だからね事故」

冬子「そんなこと言って、本当はあの人の愛がこもっていたから受け止められなかったんでしょ」

冬丸「そうなんだよねぇ~ってコラ」


今日も生徒会はこんな感じで始まった。翌日、ホームルームが終了して冬丸は気を引き締めて補習が行われる教室へ足を踏み入れた。


冬丸「失礼しますって誰もいないかと思いきや女子が1人いた」

真夏「……」


と言い、冬丸は真夏の隣の席に座った。しーんと静かな教室。この状況を冬丸は耐えることができなかった。


冬丸「君って1年生だよね?」

真夏「……」

冬丸「俺、2年生なんだけどさ。教室間違えてない?」

真夏「いいえ」

冬丸「こりゃ失敬」


この時、真夏は思った。あたしを一目見てアイドルだとなぜ気づかないのかと。当然、冬丸は気づくはずがない。なぜならアイドルに全く興味がないからだ。しかし、冬丸は彼女を見てドラマに出ていたヒロインと顔がそっくりなことに気がついた。


冬丸「君ってさ」

真夏「……」

冬丸「あれに似てるよね」

真夏「……」

冬丸「え~と……ねこねこニャン子物語に出てたボジェット蘭だ! そうそうそう」

真夏「……」

冬丸「似てるって言われない?」

真夏「さぁ」


真夏は正解だと言いたかった。だが、学校に自分が在籍していることが広まることを恐れ隠し通した。


冬丸「そっくりだよマジで」

真夏「どうも」

冬丸「本人だったりして~」

真夏「......」


冬丸は何かを感じとった。それは真夏からこれ以上、話しかけないでほしいというオーラだった。冬丸は補習授業が終わるまで真夏に話しかけることはなかった。それから数分後、イロハが姿を見せた。


イロハ「今から補習授業を開始します。1年生の課題はこれ。2年生の課題はこれ」


彼女は無表情で言うと教卓にそれぞれの課題を置いた。真夏がさっと行動に出る。冬丸は課題を受け取るなり難しい顔をした。


イロハ「私が指定する時間までに課題を仕上げること。始め!」


イロハの合図で授業が始まった。真夏は所属するアイドルグループの中でも頭が良い枠に入っているのか淡々と仕上げていく。一方、冬丸は定期的に勉強をしているものの習っていない範囲の問題が出ていたため教科書を見て調べるなど苦戦していた。


冬丸「パキュラル3世......いやいやいや、ピキュラル3世じゃなくて……なんだっけ? ピキュラエリ2世? パキュラエリ3世か。なんでややこしい名前つけんだよ!」

イロハ「そこ! うるさい!」

冬丸「すいません」


つい声を出していた冬丸は回答欄にポキュラエリ3世と書いてしまった。冬丸は間違えたと消しゴムを使用して正しい回答を書こうとしたのだがピパポが多くかわからなくなってしまった。


冬丸「パキュラエリ3世―っ!」

イロハ「生徒会長春夏秋冬丸!」

冬丸「すいません!」

イロハ「これで何回目?」

冬丸「2回目です」


なんでこの人はこんなにイラついているのだろうと思った冬丸は声を出すまいと心に決め、課題を進めた。なんとか時間ギリギリに終えた冬丸はほっとしていた。一方、真夏は余裕の表情を見せていた。


イロハ「1年生の次の課題はこれ。2年生はこれ」


まだあるのかと思いながら冬丸は課題を始めた。ようやく終了するなり冬丸が「あ~」と声を出して深呼吸をした。その瞬間、声を出してしまったと冬丸は焦った。しかし、授業が終了したあとなのでイロハは注意をせず。教室をあとにした。


冬丸「お先」


冬丸は生徒会の活動のため真夏にそう言って教室を出た。1人になった真夏は思った。アイドルだとバレなくてよかった。バレたら大騒ぎになるところだったと。


真夏「帰ろ」


真夏は軽く深呼吸をして静かに教室を出た。彼女が廊下を歩いているとき誰かに後をつけられている感じがした。真夏が後ろを振り返るも誰もいない。彼女は気のせいだとのんびりと帰路についた。


イロハ「今、彼女が正門を出た。もうすぐよ」


イロハは真夏の情報をスマートフォンで誰かに話していた。その誰かとは一体。

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