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第2話 転生から1週間経過

転生してから1週間が経った。


目覚めた初日の出来事は、固まっていた公爵閣下と泣き真似している義妹を速攻で部屋から追い出し、支度に全く来ないメイドを待つ気はなく、クローゼットを漁り服を探したが派手な服しかなく思わず舌打してしまった。


何であんな目がやられそうな派手なのしかないのだろうか。


取り敢えず動きやすそうな服を選んで着てはいるが、1,2着しかないから早いうちに新しいのを買わないと。


部屋もキラキラ過ぎて寝付きが悪いから寝やすいように変えよう。


キラキラは睡眠には良くないね、ほんと。


そして私は今、最初に立てた目標を破りたい思いでいる。


「1ヶ月様子見ようと思ったのが間違いないだった……」


思わずため息が漏れる。


この世界の状況を知らないため、情報収集に1ヶ月ぐらいあればと思ったけど、予想外の出来事が勃発して諦めたくなってきた。


でも、まだ集めないといけない情報があるんだよね……。


とはいえ、この1週間を振り返るとため息が漏れる。


まず1つ目は、元々仕事していた人間がいざ何もしないとなると退屈で仕方がない。


あと3週間あるなんて耐えれない。


毎日仕事漬けは嫌だが、何もしないのもきつい。


2つ目は、家族のこと。


目が覚めた次の日の朝食にて。


昨日のこともあり、めんどうな事に巻き込まれたくないから行きたくなかったが、メイドのせいでいやいや食堂へ連れてかれる。


席につくなり、速攻義弟に絡まれた。


例の階段から転落事件について。


公爵閣下と同様私が悪者前提で話してくる。


ほんとうんざり。


返事もせずに無視してたら


「義姉様。その服はなんですか?私は純清アピールですか?貴方には似合わないので辞めた方がいいですよ?」


今度は服装に対しいちゃもんつけてくる。


さっきからギャーギャーうるさい。


こっちは味の方に集中してるのに。


「無視ですか?貴方にそのし「さっきからうるさい。静かに出来ないんですか?」っ……」


冷ややかな目でそう言うと義弟は黙った。


このままギャーギャー言われ続けられたら折角の食事が不味くなる。


「今日の昼食からは部屋にして」


「はい?」


食事を終え、席を立つと同時に近くの使用人にそう言うと聞き返された。


「聞こえなかったんですか?夕食から部屋に持ってくるよう行ったんですが」


冷めた目で見つめると何故か震えだす使用人。


「か、かしこまりました。あの、私達には敬語を使わなくても……」


そう言う使用人に首をかしげながら


「親しくない人達に砕けた口調は使わない主義ですの。それに今までされた事を考えると貴方達と親しく話すなんて……嫌気がしますわ」


淡々とそう告げると、シーンとなった食堂を出て自分の部屋へ歩き出す。


その日以降、部屋で食べ続けている。


そして3つ目は……。


「君みたいな性格悪い人が婚約者候補なんて最悪すぎる」


朝食事件後、皇太子殿下の婚約者候補として城へ出向いた時だ。


顔を見るなり第一声がそれで思わず眉間に皺がよる。


最悪すぎる?


それはこちらの台詞ですか?


というか、私としては貴方とははじめましてなんですけど?


何故、こうも立て続けにイライラさせられるのか。


「それなら婚約者候補から外して頂けると嬉しいですわ」


こっちだって、貴方なんかお断りだ。


そう言いそうになるのをぐっと堪え、無理矢理口角を上げて笑顔で言う。


向こうが嫌ってるなら皇太妃になりたくなかったし好都合。


妃教育とか嫌だし、ほぼ城の中での生活とか嫌だし、何より嫌ってる相手と死ぬまで一緒とか無理だし。


よし、このお茶会も意味ないから速攻帰ろう。


帰ってあの部屋をどうするか考えないと。


やる事多くて、忙しかったから早く帰れてラッキー。


「それでは、性格悪い女はご退出させて頂きますわ。失礼します」


ドレスの裾を持ち上げて礼をし、唖然としてる周囲を無視して馬車へ行く。


あー、何のために来たのやら。


馬車酔い我慢して王命だから来たのに……。


二度と呼ばないで欲しいわ。


酔い止めないから耐えるのきついしね。


……ってか、そう言えば皇太子殿下の名前ってなんだったけ?


誰かが名前言ってた気がするけど、人の名前ってすぐ覚えられないんだよね。


まぁ、これから婚約者候補じゃなくなるし、忘れたままでいっか!

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