表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カンナギ  作者: ルンド
第一章
10/18

七話

九割がカルファスのセリフです。



「今からおよそ半年ほど前に何者かが(ことわり)に干渉していることがわかった。」

「なっ!」



理、それは世界を創造した初代蒼紋天守(そうもんてんしゅ)が作り上げた世界の根幹であり、大いなる流れ。

人は(おろ)か神々の命運すら握るもの。

初代の跡を継いだ歴代の蒼紋天守ですら、あくまで管理をしているだけであり、非常時ならばともかく平時では干渉すらも許されないはずのもの、それを誰よりもわかっているはずのカルファスの言葉にエルネスタは思わず声を上げるが、カルファスはなおも話し続ける。



「理に干渉されていることに気づくことができたのはほんの偶然にすぎない。

下手をすれば今も気づいていなかった可能性すらあった。

だが、気づいたからにはすぐに相手を見つけ出せる自信が私にも当代にもあった。

歴代の蒼紋天守には自分の代のみではあるが理によりさだめられた命運を知る権利が初代の頃より受け継がれていたうえ、非常時には自分の代以外の命運を知ることも、干渉することも多少ではあるが許されているからな。

それらを使えば理に干渉したものをすぐに見つけ出し捕えることができるはずだった。


しかし、私たちにはそれが誰なのかわからなかった。

こんなこと本来ならば在りえぬ。当代と時代蒼紋天守が二人かがりで寝る間を惜しんで調べつくしてなお、だれが一体何の目的で理に干渉したのかわからぬのだ。

わかったのは二つだけ。

理への干渉が初代の頃から続いていたことと、天界を拠点としている痕跡があったこと、この二つだけなのだ。


・・・・・・それ以外はほんとに何もわからんのだ、いったい何のために干渉したのかも、理をどのように書き換えたのかも・・・・・・

そもそも、理が本当に書き換えられているのどうかも何一つとしてわからなかったのだ・・・・・・


だからどうか協力を頼みたい。

この天界においては次期蒼紋天守である私より、光輝天守(こうきてんしゅ)である貴殿のほうがより強い権限を与えられている。」



長い話を終え、事の重大さに青どころか白と言っていいほど血の気の失せたエルネスタ殿の顔を見て私は小さく笑みを作った。


それは自分でも疲れが(にじ)んでいるとわかるようなものだったが、それでも笑わずにはいられなかった。



・・・・・・何が次期蒼紋天守だ


・・・・・・私は何もできないただの無能ものだ


何も・・・・・できない・・・・・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ