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プロローグ
ひとつだけ願いが叶うとしたら、何を願うだろう
有り余る程のお金
多くの人々に讃えられる名声
磐石にして至高の地位
永遠の命
俺だって落ち着いて考えることができるなら、それくらい思い浮かぶさ
でも、それに死ぬ間際と突然って要素を付け足して、全身をバラバラに刻まれて前後左右にシェイクされながらだとどうだ?
むしろ、ちゃんと意味のある言葉を答えられた俺を誉めてくれたって良いくらいじゃないか?
木漏れ日が差し込む窓をベビーベットから見上げて、俺は独り言を呟いた