第九話 冒険者ギルド
昨日(VRゲーム〔SF〕日間ランキング)52位を獲得。初のランキング入りを果たしました。ありがとうございます^ ^
シアさんの案内を頼りに、イルさんの屋台から徒歩10分程度。
目的地、冒険者ギルドに到着した。
冒険者ギルドは周りの建物より一回り大きい三階建ての建物で、柱や手摺りなどに装飾なんかもが施してある豪華仕様。
エントランスの上部には剣と斧がクロスした彫刻が施してあり、ここが冒険者ギルドであることを主張している。
さて、物語の定番だとギルドにやってきた主人公に素行不良の冒険者が絡むイベントが発生するんだけど…
『プレイヤーばかりですね〜』
サービス開始日だし、みんなココに来るよなぁ
ギルドの中はプレイヤーでごった返していた。
受付には列が、クエストボードは人集りが出来ている
『これでもピークは過ぎてると思いますよ?エキトさんがチュートリアルをしていた時間が1番混雑していた筈です』
確かにチュートリアルにかなり時間をかけた気がする。特に精霊を探すのにかなり苦労した。
『チュートリアルに5時間もかけたプレイヤーはエキトさんくらいですよ?普通は30分程度で終わる筈なんです』
5時間⁉︎俺そんなに精霊探すのに時間かけてたの?
やばい、16時にはゲーム辞めて夕飯の買い出しに行く予定だったのに!
『エキトさん、エキトさん、落ち着いてあちらの時計をご確認下さい』
慌てる俺を鎮めつつ、ギルドに設置された時計を見ろと言うシアさん。
『この世界で時計と言ったら必ずあの様に2つセットで設置されています。大きい方がこの世界の時間、ひとまわり小さい方がエキトさん達の世界の時間を示しています』
ギルドに設置された大きな時計は確かに2つセットで設置されていて、大きい方は18:30を、小さい方は15:15を示していた。
まさか…
『はい、この世界での体感時間は倍です。16時に予定が有るにしてもあと1時間半は遊べますよ?』
マジか…
それは聞いてない…
DREAMを他人が設置してくれたから、説明書をよく読まずに放置してたのも原因か…
春花も言ってなかったし…いや、人のせいにするのは良くないな、うん。
『視界の端に時計を表示する機能が有るので、設定から表示をONにチェックを入れると良いですよ』
本当だ。
あと、指定した時間を知らせてくれるアラーム機能もある、コレも設定しとこ。
◇ ◇ ◇
受付待機列を経て、俺の冒険者ギルドへの登録は簡単に終わった。
魔道具に触れて能力を読み取りカードを作るアレもやったけど、俺のステータスは至って普通な為受付嬢もスルー。
職業欄を見て眉を顰めた様に見えたけど、アレはきっと俺の気の所為だ。
少し並んで待つ時間が長かっただけで、特にイベントは起きなかった。
そりゃ、一人一人イベント起こしていたらいつまで経ってもギルドが人で溢れ返る事になるから無理か…
◇ ◇ ◇
冒険者ギルドに登録して良かった事が1つ。
ギルドで自分が受けた依頼以外にも、自分が発生させたクエストの確認が出来る様になった。
クエストは一定の行動をしたりNPCと交流したりする事で勝手に始まり、制限時間のあるのから無いのまで様々。
俺の場合
・〔シアのお願い〕
内容:最大MPを43050以上にする(150/43050)
報酬:無し
期間:無し
・〔イルの気まぐれ〕
内容:〈料理〉スキルをLv20以上に上げる(1/20)
報酬:???
期間:無し
こんな感じ、イルさんのはともかく最大MPの件もクエスト扱いになっていた
『私のお願い、叶えて下さいね?』
何か報酬が有ると頑張れるかも?
『私が報酬です』
なるほど、それは頑張らねばなりませんな
『それでは適当なクエストを受けて街の外へ狩りをしに行きましょう。レベル上げ以前に、エキトさんはまだ〈チュートリアル〉が終わっていないのですから』
そう言えばそうだった、とりあえずギルドの依頼で1番簡単そうなのを探す。
俺は〔ホーンラビットの角の納品〕と言う簡単そうな依頼を見つけ、シアさんの意見も聞いておく。
『ホーンラビットですか?この世界でトップクラスに弱い敵ですし、チュートリアルには丁度いいですね』
それじゃあこれ受注するね
・〔ホーンラビットの角の納品〕
内容:ホーンラビットの角の納品(0/1)
報酬:500z
期間:2日
進行中のクエストに新たに〔ホーンラビットの角の納品〕が追加された。
これで良し…っと
そうして俺達はウサギを狩に冒険者ギルドを後にした。
部下ab「「俺達ちょと新人〈エキト〉に絡む冒険者abやってくる!」」
部下c「ダメに決まっているでしょう!八代さん!このバカ2人組止めるの手伝って下さい!」
八代「やめろab」
部下c「そ、大人しく業務に戻りなさい」
八代「私が試験と称して新人〈エキト〉をボコボコにするギルドマスターYをやるから大人しく見ていろ」
部下c+その他(ab除く)「違う、そうじゃない」
エキト「へくちッ」
シア『風邪ですか?』
エキト「それ状態異常?」
シア『ですね』
エキト「まじかー」




