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精霊に癒されたかっただけ  作者: キファリス
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第五話 運営

運営視点です



私の名前は八代広司(やしろこうじ)、簡単に言えばFWO運営の偉い人だ。今日は待ちに待ったFWOのサービス初日である。私が入社した時点で既に計画が始まっていた長期事業がやっとユーザーの手に渡ったのだ、こんなに嬉しい事は無い。

いや、娘が産まれた時は今日くらい嬉しかったな…ん、まぁいいや。


「八代さん!広報の佐伯さんがいらしゃってます!例のサービス初日のプレイヤーで作るPVの件でお話が有るとか!」


このフロアは現在戦場である。GMコールへの対応に始まり、細かなバグの修正、MMOの性質上止まる事の無い開発陣、果ては落選者からの苦情のお電話…これに関しては部下に即切りを許可した

そんな訳で騒がしいフロアで人を呼ぶには叫ぶしか無いのだ、あの部下の様に。


「分かった!今行く!」


勿論返答も叫ぶ他無い。

入り口付近で苦笑いを浮かべる佐伯さんを比較的静かな窓際のデスクに案内して話を聞く。


「随分と大変そうですね…」

「えぇ、まぁ…初日ですから覚悟はしてましたけど、想像以上のカオスですね。広報から数人引き抜いて良いですか?」

「ダメに決まってるじゃないですか!ま、そう言いたくなる気持ちも分かりますけど…」


こんな状況を(喧騒の中、床で寝)見ては(ている徹夜組)佐伯さんが遠い目をするのも仕方ないだろう


「それでPVの件なのですが、一応めぼしいプレイヤーn「八代さん!ちょ、ちょとこれ見て下さい」


本題の話を始めようとしたら部下が慌てた様子で駆けてきた。


「あまり窓際で大声だすな、こいつら(徹夜組)疲れてるんだから。それで?そんなに慌てて何があった?」

「はい、それがサポートAIを仲間にしたプレイヤーが現れました。」


そう言って手に持っていたタブレット端末を寄越してくる。


「あー、アレか。でもコレは一応仕様だろ?何か問題でもあったのか?」

「問題では無いんのですが、そのAIがSの1桁でして…」

「Sの一桁って言うと、えぇと…マジかおい。確かアレの条件って滅茶苦茶大変だったよな?最初のサポートにSの1桁がつく事自体がすごい確率だよな?しかもその次が完全ランダムでアバターを作る事だっけか?」

「はい、それでそのランダムで〈エルフ〉の〈精霊使い〉かつステータスは精神が1番高く、〈精霊言語〉と〈使役〉と〈弓術〉が必要になります」

「そしてその状態でAIの用意した精霊…確かコレが5000~10000でAIが決めるんだよな?それの半分以上を鑑定、ないし対話してからAIを指名するだったか?」

「その通りです、それでAIが精霊の数を6001体にして自分の存在を仄かした様でして…AIもここまで来る様な豪運の持ち主なら自分を選んでくれるのでは?と6001体にしたのは良いものの本当に選ばれてしまった為に我々(運営)に確認を取りに来ました。」

「なるほどな…AIは他に何か言ってたか?」

「彼について行きたいと。」

「そうか…」



 FWOで運用されているAIシリーズ、その中で最も古く、最も高性能なのがSシリーズだ、それの1桁代となると思い入れのある社員はかなり居るだろう…むしろ俺以上の幹部連中や退職した連中からしたら孫の様な人気がある。


「娘を嫁に出すってこんな感じなのかねぇ…」

「良いんですか?」

「良いも何も仕様だぞ?しかも当の本人が行きたいって言ってるんだから何の問題も無いんだよ」

「わかりました、ではその様に」


 Sシリーズ1桁が早くもプレイヤーの手に渡るか…


「あ、最後に1つ。そのプレイヤーの名前は?」

「〈エキト〉ですね」



〈エキト〉ね、その名前は忘れられそうに無いな…








八代「勇者とSシリーズってどっちが難しい?」

部下a「余裕でSシリーズですね」

部下b「始まりの街の武器屋で店先に雑に置かれてる〔訳あり〕品の中に聖剣が混ざるのと同じくらいの確率ですよ」

部下c「もしくは色違いの初期装備が当たるのと同程度の確率です」


八代「色違い初期装備なんてあるのか…」

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