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精霊に癒されたかっただけ  作者: キファリス
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第四十七話 王都散策③


皆さんこんにちは、シアです。



私は今、イルさんを探して王都を飛び回っています。


 というのも現在エキトさんとリーサはデートもどき中。

 リーサの要望で単独行動をするのは事前に分かっていましたし、それならばとアイラとのデートまでに王都へ旅立って暫く経つイルさんを探す事にしたのです。

 



エキトさんと別れる際、エキトさんは

「イルさんに会えたらホットドッグでも食べて、もしくは他の聖霊が見える人のお店が有ったら好きに使って良いから」

と言って私に6000zのお金を渡していきました。


 精霊使いが少ないこの世界で使えるお店があるかは分かりません。

 イルさんならお金を持った状態で目の前を飛べば気付いて貰えるでしょう。

 ホットドッグを買えるだけ買ってインベントリに保存しておくのも良いですね…



(余談ですがこのお金、普段プレイヤーの皆様はインベントリとは別の空間に保管されています。それを必要に応じて実体化させて使用しているのですが、その実体化した状態のお金ならインベントリに入れる事も可能なのです。インベントリを圧迫するデメリットしか無いのでやる必要は皆無ですが)


◇ ◇ ◇


 スタート地点は昨日のログアウト地である南東部。この辺りは昨日見た限りそれらしき人物は見当たりませんでした。

 勿論今日いる可能性はゼロでは有りませんが、料理人であるイルさんがいる可能性は低いでしょう。


一番可能性が高いのは西部の食料品店が多いエリアか、屋台の立ち並ぶ南西部にある大通り。

次点で北西部の飲食店エリアですね。


 可能性の高いエリアは西側に集中していますし、スタート地点から時計回りに王都を探すとしましょう。


 入れ違いで始まりの街に居るかも?

 その時はその時です。




 これだけ広い大都から1人の人間を探し出すのです、イルさんを探している間は独り言が多くなりそう(説明回なの)ですね。



◇ ◇ ◇



 この王都、知っての通り二重の城壁に守られています。

 中心から順に

王城、堀、貴族街、第一城壁、堀、平民街、第二城壁、堀、農地

となっており、第二城壁は素通りできますが、第一城壁より内側はプレイヤー・NPC共に許可なく入る事が出来ません。



『っと、この建物は冒険者ギルド支部ですね』


 独り言を呟きつつ飛び回っていたシアは、冒険者ギルドの建物の上で止まる。


 


 これだけ大きい街となると冒険者ギルド1つでは冒険者を捌き切る事は困難です。

 その為この王都には本部を含めた五つの冒険者ギルドが存在します。


 今私の真下に有るのはこの国の東西南北それぞれにある支部の1つ、南の冒険者ギルド支部ですね。

 東西南北の支部にギルドの機能としての差は有りませんが、隣接するエリアに関係する依頼が多い傾向があります。

 例えばこの南だと、城門を出た先にある〈南の森〉で行える討伐系クエストや採集クエスト、もしくは南東部にいる鍛治職人から寄せられた鉱石の採掘依頼などのクエストが多くなります。


 もっとも、クエストの傾向が多少変わるだけで大差は有りませんし、魔物の素材などはどの支部も同じ値段で買い取ってくれるので無理して別支部に行く必要は有りません。




 先程も言いましたが、支部があるなら当然本部も有ります。

 第一城壁の内側、貴族街のそれも王城に近い場所に立派な本部が存在します。


 本部は支部との相違点が幾つかあります。

まず本部で受け付けたクエストが支部に回される事は良くありますが、その逆はまずありません。

また高難易度クエストは支部には張り出されず、全て本部のクエストボードにのみ貼られます。

 

 理由は簡単で、冒険者ランクがB以上なら自由に第一城壁内に入る事ができる為、本部にいる冒険者の大半がBランク以上の強者だからです。




冒険者ランクB以外で第一城壁内に入る許可を得ようとすると、貴族やギルド職員とのコネやら金やらが必要となってきます。


 襲われていた貴族の娘を助けたら気に入られて許可を貰えた…なんてイベントもここの運営なら用意しているでしょう。


女の子ホイホイのエキトさんがそのイベントを引く可能性はかなり高い様な気が…

 エキトさんなら襲われていたのが王女で第一城壁内どころか王城内に入る許可すら貰いそうですね…



まぁ通常のプレイヤーが第一城壁内に入る日は暫く先になるでしょう。







八代「………bは何をやっているんだ?」

f「プレイヤーから操糸スキルを実装して欲しいとの要望が来ているのを見て「そう言えば無いね〈操糸術〉!俺そう言うの好き!作るわ!」と言って他部署から糸を拝借して色々試してるみたいです。」

八代「それでデスクの上が毛糸やらワイヤーやらでゴチャゴチャになってる訳か…」

f「はい…」

八代「ようb、作業は順調か?」

b「あ、八代さん、会議お疲れ様です!絶好調ですよ!〈操糸術〉のプロトタイプは完成しました!」

八代「そうか、そうか、それは素晴らしいな。今日がアップデート前日じゃ無けれな?」

b「あー…」

八代「ま、今日中に帰れると良いな」

b「orz」

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