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精霊に癒されたかっただけ  作者: キファリス
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第四十二話 vsジャイアントベアー ①


 7月29日

7月最後の日曜日でありアップデートを明後日に控えたこの日、エキト達5人はエリアボスであるジャイアントベアー討伐に向けて〈南の森〉を進んでいた。

 

 エキト・リーサ・アイラの3人は、始まりの街周辺で入手出来る装備としてはかなり上位の武具を装備している。その為ララとリリと言う2名の非戦闘員を連れた状態でも問題無く進む事が出来ている。

 もっとも、その2人も防具面に於いては相応の装備をしている為、魔猪やコドモショウトカゲなどの雑魚の攻撃で瀕死になる様な事はないので気は楽だった。



「装備を変えるだけでこんなに楽になるとはねー」

「ですね、初期装備でもギリギリ戦えるので使い続けてましたが、もう少し早く変えれば良かったです。」

「そうだな…っとボスエリアが見えてきたぞ」


 

木々の生茂った森の轍を進むと現れる、不自然に木々の少ないその場所は、〈始まりの街〉周辺の草原と〈南端海岸〉、そしてこの〈南の森〉が含まれる第一エリア(俗称)のボスモンスター

〈ジャイアントベアー〉の住処である。


 

「各自HPの全回復だ、アイラのMPが自然回復したらボスエリアに突入する」

「はーい」

「いよいよですね」

「なるべく邪魔にならない所に隠れてるから頑張ってね」


 気合は十分…かな?



「エキト、もし良かったらコレ使って」


 ポーションを使って少し減っていたHPを回復していると、インベントリから何かを取り出したリリさんに声を掛けられた。


「コレは?」

「トレントの枝とコドモショウトカゲの歯で作った特別製の矢。通常の矢より貫通力があるらしい。」

「それはありがたいですけど、”らしい”と言うのは?」

「弓は何度も作ったけど、矢は初めて。一応解説にそう書いてあったけど、試してないからどれほど効果が有るか謎。だから”らしい”。」

「成る程」

「本当は何本も用意したかったけど、案外難しくて三本しか用意出来なかった。」

「ではここぞと言う時に使わせてもらいますね」



 リリさんは三本しか作れなかった事を悔しがっているが、俺としては三本とは言えボスを前に切り札が増えた事は素直に嬉しい。

 道中で消耗した矢の補充を済ませた矢筒から三本をインベントリに仕舞い、この試作品へ置き替える。

 



「MP回復したよ!」

「よし、それじゃあいっちょやりますか!」

「「「「おー!」」」」



◇ ◇ ◇


 5人がボスエリアに入ると、エリア内を徘徊していたジャイアントベアーはその動きを止め、エキト達の方へ顔を向ける。

 5人を威嚇する様にガオーーっと鳴くとエキト達に向けて歩き出した。


恐らく今の「ガオーー」が戦闘開始の合図なのだろう。しかしその可愛らしい見た目に合った声で鳴く為怖さ半減である。



「とりあえずリーサには俊敏、エキトには筋力のバフかけるから」

「分かりました。とりあえずいつも通りの戦い方で様子見…ですね」

「ああ、一撃喰らわない様にだけ気を付けろよ」

「勿論です。」

「寧ろ一撃に気を付けるべきはエキトだよね…」



 

 予定通りリーサが前衛で、エキトが後衛。アイラ遊撃&支援の体制を整える。アイラのバフが載ったリーサなら、重鈍なジャイアントベアーの攻撃が当たる事は無いだろう。


 問題はジャイアントベアーによる投石攻撃で、コレに俺が当たると体制を崩される他、生産職の2人に当たれば一撃デスペナもあり得る厄介な攻撃だ。

 石を拾う予備動作が分かり易いのが救いだ



 ちなみに生産職の2人。ララさんとリリさんはボスエリアに入ってすぐの右手にあった木の裏に隠れてコチラの様子を伺っている。

 2人がジャイアントベアーの攻撃対象となってしまった場合はノアが作る土壁を盾に全力で逃げて頂く手筈である。


 

 シアさん?俺の上空飛んで戦況把握、場合によっては俺とリーサに指示を出す事になっているよ。






 

f「エキト君達がジャイアントベアーとの戦闘を開始しましたね」

a「シアちゃんとノアに任せれば直ぐに終わるだろうけど…」

b「あの3人は大精霊達を戦闘に参加せないからね…」

a「ま、余程のヘマをしなければ死ぬ事は無いだろう。」

b「攻撃力不足で時間かかりそうだけどね…」


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