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精霊に癒されたかっただけ  作者: キファリス
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第二十八話 終業式


 7月も下旬となると連日真夏日で、今日も朝のニュースで天気予報士が「水分補給をこまめにして熱中症に注意して下さい。」と警告していた。



 クーラーの冷気を求めて教室のドアを開ける。

 普段ならこの暑さに気力を溶かされた生徒達が机で伸びているが、今日は皆どこか元気そうだ。


 それもそのはず、今日は7月23日月曜日。一学期の終業式なのだから。




「おっす秋人。今日から夏休みだな」


自分の席に座ると年中元気な努が話しかけてくる


「今日の終業式が終わったらな」

「式して通知表貰うだけなんだから、夏休みみたいなもんだろ?」

「本当、()()()()なんだから金曜日に済ませてくれても良いと思うんだよな…」


 なんで土日挟んで校長の話と通知表の為にわざわざ学校に来なくてはならないのか…



◇ ◇ ◇


 俺と努が話していると、佳奈も登校してきた。


「おはようアッキー、それと努も」


 俺は適当に挨拶を返してから佳奈に今日の午後は暇かと尋ねる。


「別に予定は無いよ?仮にあったとしてもキャンセルするけど」

「キャンセルはダメだろ…ま、予定が無いなら良いか、今日の午後から北の草原の奥の森に素材取りに行くんだが、一緒に行かないか?」

「北の草原の奥…あー弓用にトレント狩りか?」


努達はもう森まで行ってるだろうし、知ってるのか…


「そう言えば、秋人が探しに行きたいって言ってた胡椒、かなり確率低いけど確かにあったぞ?」

「本当か?それは楽しみだな。それで佳奈はどうする?」

「勿論一緒に行くよ!もし胡椒見つけたら秋人にあげるね!」


 食い気味で了承してくれる佳奈。料理スキルを持っていないからか、見つけた胡椒は俺にくれると言う。ありがたやありがたや…


「そりゃありがたい。俺とシアに佳奈、理沙とノアで探せば1つくらいは見つかるだろう」

「あ、うん。そうだね…ですよね…」


 と、そこでチャイムが鳴って担任が教室に入って来たので雑談は終了。


 終業式の為にスーツを着た担任の一声で、夏休み前最後の学校が始まった。



◇ ◇ ◇



「ねぇアッキー、帰り途中まで一緒に帰らない?」


 終業式が終わって体育館から教室に帰る途中、そう佳奈に聞かれた俺はとりあえずOKした。



「それで、なんで今日は一緒に帰ろうなんて言ったんだ?」


 帰り道を歩く俺は、隣にいる佳奈に尋ねた


「乙女心を弄んでくれた誰かさんにアイスでも奢ってもらおうかと思って」

「誰かさんの懐はキンキンに冷えてるらしいから、その冷気で我慢してくれ」

「ちぇ、まぁいっか…それじゃあアッキー、代わりにFWOで手伝って欲しい事があるんだけど…」

「手伝って欲しい事?」

「〈精霊言語〉のスキルスクロールを探すの手伝って欲しいんだ…エキトとリーサちゃん見てたら私も欲しくなっちゃった…」


 へへへっと何処か寂しそうにお願いしてくる佳奈。

 確かに俺と理沙と佳奈の3人でパーティーを組む上で、精霊とコミュニケーションが取れないのは不便だよな…


「〈精霊言語〉のスキルスクロールなら王都にあるかもしれないぞ?」

「そうなの?」

「始まりの街で知り合ったNPCが〈精霊言語〉を求めて王都に行ったからな、可能性はあると思うぞ?」

「それじゃあ王都に行こう!」

「王都って次のエリアだろ?エリアボスを倒しに行くのか?」

「無理…かな…?」

「今作って貰ってる防具と、今日取りに行くトレントの素材で出来た武器が有ればギリギリ勝てるかも?」

「じゃあエキトの装備が出来たら3人でボス戦に挑戦しよう!私もそれまでに装備整えておくから」

「俺は構わないぞ、理沙には後で聞いてみような」

「うん!」








ノア『シアー、今度のアップデートの内容知ってる?』

シア『知りませんけど?』

ノア『プレイヤーが家を持てる様になるんだってー』

シア『ほう?』

ノア『それで私達はマスター達がログアウト中は家の中待機に変わるらしいんだけど、その間現実のマスター達は家の中にいる私たちの様子が見れる様になるんだって』

シア『待機中を見られるのは少々恥ずかしいですね…』

ノア『ちなみに見られてる間はマスター達の様子を私達が見る事が出来るんだって』

シア『⁈ちょ、ノアそれ詳しく』

ノア『残念、後書きで多くは語れないんだ、その内本編に出てくるからそれまで楽しみに待ってると良いよ』

シア『そんなぁ…』

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