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精霊に癒されたかっただけ  作者: キファリス
3/50

第三話 キャラメイク

1話,2話=運良くゲームを手に入れた

ハード=DREAM

ソフト=Fantasy Welt Online

主人公=秋人

妹=春花

そして迎えたサービス開始初日の7月14日は土曜日。

高校は定期試験が終わり、夏休みも目前のまさにゲーム日和な今日この頃。俺と春花の2人は朝からサービス開始時刻である正午が来るのを待っていた。


 正午ピッタリにログインするためあらゆる家事を終わらせ、昼食も少し早めに焼きそばを作って食べた。昼食の片付けも済ませればゲーム以外にやる事は無い。各自自室にこもってその時を待つのみであった。

 


◇ ◇ ◇



俺はふかふかのベッドに潜ると頭にヘッドセットを装着し、DREAMの電源をONにする。

 すると視界が暗転し、金縛りの様な感覚になる。

 その状態で暫く待つと目の前にサービス開始までのカウントダウン時計が表示された。


カウントダウンが0になると再び視点が暗転する。

そして一拍置いて目線の先に一点の緑色の光が灯される。それは少し大きくなると、どこか人の様な形を型取る。

 

《ようこそ。Fantasy Welt Onlineの世界へ》

 

その人型の光の上に吹き出しが表示されるのと同時に頭の中に直接話しかけられる。

 

《貴方の名前を教えて下さい》

 Name:〈名前を入力してくだい〉

 

キャラクター名はちゃんと考えてある


「「エキト」っと。よし、重複無しと。」

 

『〈エキト〉さんですね。エキトさん、ようこそFWOの世界へ。私はサポートAIのAI-S-000002と申します。エキトさんのキャラメイク及びチュートリアルを担当させて戴きますのでよろしくお願いします。』 

 

 この光の小人?いや妖精かな?が春花の言っていたサポートAIらしい。

 

 『それでは〈エキト〉さんのキャラクターメイキングを行います。身体情報のスキャン完了まで少々お待ち下さい。』

 

 すると体の感覚が徐々に戻る。それと同時に視界も真っ暗な空間から一面の草原へと姿を変えていった。

 

『こちらはキャラクターメイク及びチュートリアル専用の特殊空間になります。先ずはこの世界でのエキトさんの身体〈アバター〉を、制作してください」


アバター制作での制限は生物学的性別変更の不可、それと現実の姿からの著しい変貌不可の2種類だった。曖昧な基準だが、やり過ぎた場合サポートAIさんが止めてくれるらしい。


 「とりあえず髪を短めにしてから青みがかったシルバーにして目は青藤色…後は現実をベースに顔を少しだけカッコよく(小声)」

 

ゲームだもの、男の子だもの。あきと。


「うんまぁ…これだけ変えておけば身バレは大丈夫かな…」

 

『承知しました。〈エキト〉さんの容姿を決定しました。そうですね…男の子ですものね…』

「ん?んん?」

『それでは次に種族と職業を選択してくだい。種族と職業には相性もありますのでご注意下さい。又、種族によっては作成したアバターに変化が加わる種族もあります。例としては獣人族を選ぶとケモ耳と尻尾が生えます』

 

なるほど素晴らしいな。

とりあえず種族を見てみよう



 〈人間族〉

 ・最も一般的な種族

 ・特に伸びやすいステータスは無いが伸びにくいステータスもない

 ・アバターに変化無し

 ・ゲーム初心者にオススメ

 

 〈獣人族〉

 ・身体能力が優れた種族。特に素早さに秀でている。

 ・何の獣人になれるかはプレイヤー次第。

 ・俊敏値が伸びやすく、器用さが伸びにくい

 

 〈鬼人族〉

・身体能力が優れた種族。特に力が強い

・筋力値が伸びやすく、知力が伸びにくい

 

 〈ドワーフ〉

 ・生産能力が優れた種族。特に鍛治が得意

 ・身長に変化あり

 ・器用値が伸びやすく、MPが増えにくい


 〈エルフ〉

・魔法適性が高い種族。

・器用値も高く、MPが多い


 〈天使〉

・魔法適性が高い種族。特に光系統魔法に高い適性がある


 〈悪魔〉

・魔法適性が高い種族。特に闇系統魔法に高い適性がある

         ・

         ・

         ・ 

         


 

 種族だけで30種類程ある様だ。

これだけ多いとどれにするか迷ってしまう…

 普通は事前に情報を集めてある程度目処を立ておくのだろうけど、偶然手に入れた訳であるからして…


「どーしようかなー」

『お悩みでしたら〔ランダム〕も御座いますよ?その場合〔種族〕〔職業〕そしてその後設定する〔ステータス〕〔スキル〕この全てがランダムで決定してしまいますが…』

「それって滅茶苦茶弱いのでは?」

『運が悪いと通常の半分の性能しか発揮できない〈アバター〉が完成しますね』


()が悪いと…ね…


「それじゃあ運が良いと?」

『通常の数倍の性能のアバターが完成します。極端な例を挙げますと〈勇者〉〈魔王〉などの場合1人しか存在出来ない特殊ルートに入ります。』


それ…ゲームバランス大丈夫なのか?


『クエストやイベント参加に制限などを掛ける事でゲームバランスを保つ様です。勇者の場合行動も逐次システムに監視されるので何かあれば即〈勇者〉が剥奪されます。簡単に言えばぶっ飛んだ性能の〈アバター〉はロールプレイRP用と言う事ですね。』


 質問する前にサポートAIさんが答えてくれる。まるで心を読まれているかの様に的確に答えてくれる…

 

 『実際に心を読んでいますので、ゲーム初心者の方の疑問に正確に答えるための措置ですよ、読めるのは表層心理だけですのでご安心下さい。』

 

本当に心読んでるですね…



◇ ◇ ◇



「小説の様な冒険を君も」

 確かに転生する時に強大な力を手に入れるのは小説の定番だ

 ただ、コレはゲームな訳で、普通ならありえない強さ手にする代わりに運営が行動を管理するけどねって訳ね…

 

 掲示板なんかは荒れそうだけど、ここの運営の事だから本当にゲームバランスは崩れない様になっているんだろうな。

 

「ねぇサポートAIさん、これってどのくらいの確率なの?」

『おおよそですが、

・10%の確率で村人以下の雑魚〈アバター〉

・60%の確率で〈ステータス〉〈スキル〉〈職業〉〈種族〉の相性が悪く弱い〈アバター〉

・15%の確率で可もなく不可もなく普通な〈アバター〉

・13%の確率で一般的ですが、運営オススメの強い組み合わせの〈アバター〉

・1.5%の確率で組み合わせが良く〈ステータス〉が通常より強い〈アバター〉

・0.499%で特殊な〈スキル〉等を持った〈アバター〉

・0.001%で〈勇者〉〈魔王〉などのユニークジョブアバターが誕生します。』

 

やはりそう簡単に強キャラにはなれないらしい。

 

『そう簡単にこの選択肢を選ばせない為の措置ですね、課金すればいくらでも引けるガチャとは違いますのでこれだけデメリットも多くしてあります。ちなみにDREAMとFWOを買い直しても身体スキャン時に特定しますのでアバターの作り直しを行う手段は存在しません。」

 

 これを選ぶ人は余程自分の運に自信のある人だろう…うん?運?…そういえばベッドを設置に来たキーファーの佐伯さんが言ってたプレイヤーの運が必要なシステムってコレの事か。

 佐伯さんは俺にコレを選択しろと言うのか。いくらなんでも無謀では無かろうか?

 でも開発した側の人間に使って欲しいと言われれば使わなければならない様な気もする…元々このゲームを手に入れる予定は無かった訳だし、ここは1つこのランダムを試すのも良いかも知れないな。


「それじゃあこのランダムでお願いします」

 

『どんな結果になってもアバターを、作り直す事は出来ません。本当によろしいですか?』

 

「お願いします」

 

 その後もう2回ほど確認を取られた後〈アバター〉がランダムで作成される事が決定。

俺の視界は再び暗転し、体の自由が効かなくなった。

 


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