第二十六話 双子
作者の予想よりもエキトのMP上昇量が多かったので、シアさんの本来のMP量と契約に必要なMP量をそれぞれ1桁ずつ増やす修正を加えました。
はいシアさん!
『はい、エキト君』
今日は装備の更新をしたいと思います!
夏休みまで残り1日となった今日、装備の性能と自身のレベルが合わなくなってきた俺は、遂に初心者用装備から更新する事にした。
あれからレベリングの方は順調で、現在Lv18。
2日目に出会った時のアイラのレベルを超えている。
最大MPの方は3570で、こちらも順調に増えている。
◇ ◇ ◇
『それでエキトさん、装備はどちらで購入するんですか?』
それなんだけどね、最初はNPC製のを買う予定だったんだけど、それを聞いた妹に
「私が服を作って貰った生産職プレイヤーに作って貰わない?双子で生産者プレイしてる人達なんだけどね、お姉さんが〈裁縫〉で服作ってて、妹さんが〈木工〉と〈鍛治〉持ちで弓作れるって言ってたからお兄ちゃんにもピッタリだよ?」
と言われてね、普段お店してる場所も聞いたから、そこで1式頼もうかなって。
『姉妹で生産職ですか…まぁ良いでしょう。この時間はログインしているんですか?』
ん?うん。もしログインして無かったらその時は近くの空いてるところで料理でもして待つよ。
『分かりました。では行きましょう』
◇ ◇ ◇
やって来たのは街の外れ。
東西南北にある門からも離れているのでプレイヤーは殆ど居ない。
『本当にこんな所でプレイヤーがお店を出してるんですか?』
そうみたいだよ?エルカも街を散歩してて偶然見つけたって言ってたし…っとあった、アレだ。
そこには街路樹の影で商品を並べて生産活動に励んでいる2人の女性の姿があった。
生産活動の邪魔をしては悪いので並べられた商品を見ながら手が空くのを待つ。
『なぜこんな場所で売っているのかは謎ですが、腕は良い様ですね…』
確かに置かれている弓は今使っている初心者用の倍近い性能となっている
◇ ◇ ◇
「いらっしゃいお客さん、防具をお求め?」
「それとも武器?」
生産活動がひと段落した双子さんは店の前に居る俺に話しかけてきた。
「両方ですね、MPが上がる防具と威力重視の弓が欲しいです」
「分かったわ、私は〈ララ〉防具は私の担当よ」
「私は〈リリ〉弓は私に任せて」
「〈エキト〉ですよろしくお願いします。」
ララさんとリリさんはそっくりで街中で1人で歩いていたら区別できないと思う…
「MP上昇系の防具はこの前売れちゃって今は無いの、魔猪の皮が10個有れば作るれるけどどうする?」
「魔猪の皮10個なら持ってるのでお願いして良いですか?」
「わかったわ、デザインに指定はある?」
「ララさんにお任せします。」
「任されたわ、現実時間で3日後以降に取りに来て」
防具デザインの指定とかできるんだ…裁縫系のスキルってどんな仕組みなんだろ?
「それじゃあエキト、弓はどうする?今あるのだとコレが1番強いけど、もし〔トレントの木材〕があるならコレより強いの作れるよ?」
トレント?
『北の草原の先にある森に生息しているモンスターですね。』
そこって確か胡椒が落ちてたとか言うあの場所か…
元から行く予定だったし、トレントの木材と胡椒を探す旅に出るか…
「それじゃあ今度森に行って〔トレントの木材〕持って来ますね」
「必要数は2個だけど、余裕があるなら余分に取ってきてくれると嬉しい。スキルレベル上げ用に買い取りたい。」
「それは私もお願いしたい。皮系ならなんでも買い取らせてもらうよ」
それならと今持っていた皮系の素材全てをララさんに売却。
その後2人とフレンド登録をし、近い内に素材を持ってまた来ると告げて店を後にする。
『エキトさんは私がいる分、他のプレイヤーより素材集めが楽ですし、あの2人に定期的に素材を卸すのも良さそうですね』
確かに、料理に必要な食材以外はインベントリで眠るだけだし、格安で譲るのはアリだね…
『それでは早速森を目指しますか?』
いや、明日が終われば夏休みだし、今日はここまでにするよ。
八代「明日は会議だからなー」
abcdefg「はーい」




