第二十三話 パーティー
水島佳奈=クラスメイト
『あ!お兄ちゃんとリーサ発見!』
北の門に着くなり妹と思われる女の子に指を差される。
見た目はそれなりに変えたはずなのだが、なぜ確信を持って兄だと言えるのか。
…身バレの危機かな?今度髪型変えよう。
アレが妹だとすると、後ろの距離が近い男女が努と美登里で、もう1人の女の子が佳奈だろう…
5人揃ったのでとりあえずフレンド登録をして、俺、春花、理沙、努、美登里、佳奈の順で軽く自己紹介をしていく
「俺の名前は〈エキト〉、エルフの精霊使いだ。リーサ以外には見えないと思うが〈シア〉という名前の精霊を使役してる。武器に弓を装備しているが、よく当たるだけで攻撃力には期待しないでほしい。」
シアさんはリーサ以外に自己紹介する手段が無いので軽く会釈だけしている。
「私は〈エルカ〉。犬の獣人族で職業格闘家だよ。勿論武器は自分の拳。今の所魔法系スキルは持ってないよ」
妹よ…お主、実は脳筋だったりs…やっべ睨まれた
「私の名前は〈リーサ〉です。エキトさんと同じエルフの精霊使いで、〈ノア〉という精霊を使役してます。武器は短剣です。」
そのノアさんは頸に寄りかかって寝てますけどね。
「俺は〈ハク〉。人族で剣士をやってる。武器はこの両手剣だ。魔法剣士を目指してるから火魔法も使えるぜ」
お前はイメージぴったりだな。ランダムで作ってたら勇者になれたと思うぞ?
「私はの名前は〈ヒナタ〉。エキトとリーサちゃんと同じエルフで魔法使いをやっているわ。魔法の属性は水と闇よ。」
エルフの正しい使い方ですね、わかります。
「僕の名前は〈アイラ〉。天使の神官で、光属性魔法特化だよ。攻撃魔法も使えるけど、種族と職業の特性でサポート向きかな?あと、一応槍を持ってるから接近戦もできるよ」
貴重なサポート役か。
俺はてっきり佳奈は斥候になるのかと思ってたけど、サポート役は嬉しいね。
『近距離物理3、遠距離物理1、魔法2でうち1人がサポートですか…パーティーのバランスとしては悪く無いですが、壁役が居ないのが気になりますね。』
まぁ、攻略組って訳では無いし、仲間内でワイワイやるには十分じゃ無いですか?
『それなら問題有りませんね』
◇ ◇ ◇
「それじゃあお兄ちゃん、それとリーサ。チュートリアルに5時間近くかけた理由を教えて貰おうか。会えば分かるとか言ってたけど、私には普通のエルフにしか見えないけど?」
ですよねー
「実はかくかくシカジカでな…」
「何それ…」
「エキトお前、本当に運良いな…」
「でもリーサちゃんも同等の精霊持っているんでしょ?意外と確率高いのでは?」
「いえ、私の場合はかくかくシカジカだったので、エキトさんほどでは無いんです」
「いや、そもそも僕そのランダムシステム知らないんだけど…」
『あのシステムはキャメイクの初期段階で悩んで手を止めてしまった方にしか出現しませんからね…』
あれそんなシステムだったんだ…
「ま、そう言う訳で俺とリーサは暫く使い物にならないし、レベルもまだ4と3だ。」
「それだとパーティー組んで戦ってもエキト達のレベリングにはならないな…」
「お前ら今レベル幾つよ?」
「俺は26だぞ?」
「私は24」
「私25!」
「僕は17だよ」
「皆さん高いっすね…」
「「「エキト達が低過ぎるだけだから」」」
『 初期はレベル上がりやすいですから、普通にしててもLv10位までは1日で上がりますね。』
さいですか
「仕方ない…リーサ、午後も2人でレベリングしようぜ」
「そうですね、仕方ないですね。午後も2人でたっぷりレベリングしましょう。」
イレギュラーはイレギュラー同士で傷を舐め合いましょ
「話聞いた限りだとエキト達は後からかなり強くなりそうだし、今の内にリードしといた方が良さそうだよな…」
「そうね、あの2人がてこずっている間に出来る限りレベル差を付けたいわね」
「アバターの性能の差が戦力の決定的差では無いという事をお兄ちゃんに教えてあげよう」
向上心旺盛で良い事ですね…
それと妹よ、強いのはシアさんであって俺自身は普通以下のエルフだから、そこ間違えちゃダメだぞ
「それじゃあ申し訳ないが二手に分かれてレベリングだな」
「分かった、そのうちみんなで出来そうなクエストがあったら集まろう。」
「イベントとかもあるだろうし、そう言う時はみんなで協力しようね」
「ちょと待って!」
「ん?どうした〈アイラ〉」
「私、エキト達のレベリングを手伝いたいんだけど、ダメかな?」
「それはありがたいが、無理しなくていいぞ?」
「無理じゃないよ。私サポートだからエキト達のレベリングの効率上げれるし、きっと役に立つからさ」
確かに魔法でステータスを強化してもらえるのはありがたい。
「リーサどうする?」
「私は…別に…問題無いです…」
「それならお願いしようかな?」
「わかった、任せて!」
「ハク達は問題無いか?アイラが居た方が良かっただろ?」
「問題無いぜ?寧ろこっちに居た方が問題があったかも知れないくらいだ」
「そうね、私もアイラはエキト達と居た方がいいと思うわ」
「私は…どっちの応援をしたら…」
妹は何の話をしてるんですかね。
「……ま、問題無いならいいや」
『2人目ですか…』
ん?シアさん何か言った?
『いえ、特に何も。』
前にもこんな事あった気がするなー
こうして6人パーティーを組む為に集まったエキト達は、パーティーを組む前に2つに分裂し、3人1組となってそれぞれの狩場へと向かった…
ab「「世の中は不公平である」」
c「何よいきなり」
a「男2人に女の子4人でゲームとか羨ましい」
b「しかも可愛い子ばっかり」
ab「「ズルイ」」
c「あぁ…コレねエキトくんと…ハクくん?に女の子…あらあらまぁまぁ…」
f「二手に分かれましたね。」
c「三角…いやシアちゃん入れて四角ね」
ab「「チッ」」




