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精霊に癒されたかっただけ  作者: キファリス
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第十七話 料理・中


「イルさん、焼き上がるまで暫く掛かるのでお話でもしますか?」

「わかった。今も精霊さんは居るの?」

「居ますよ。常に私の近くを飛んでいるか、肩に座ってます。」

「やはり私には見えない…」


少し悲しそうなイルさんはホットドッグのソーセージを差し出してくる


「食べる?」


シアさん食べます?

『イルさんの屋台のソーセージは美味しいですし、いただきましょうか。』


 差し出されたソーセージをパクパク、ムシャムシャするシアさんは、どこか小動物の様で見ていて可愛らしい。

 初めて会った時に感じた、落ち着いた雰囲気のお姉さん…と言う感じのイメージは、昨日だけでだいぶ崩れて来ている。


「何度見ても不思議な光景…この子よく食べるけど意外と大きいの?」

「いえ、大体これくらい(20cm)で、人型の風属性精霊ですよ?明らかに胃に入らない量が食べれる理由は私も知りません」


 俺は解説しながら、シアさんの大体の大きさを指で示す。


 本当そのソーセージは何処へ消えているんですかね?


 わざとか、それとも聞こえていないだけなのか、俺たちの疑問を他所にソーセージの攻略を続けるシアさん。既に1/3はその底無しの胃袋へと消えている…




◇ ◇ ◇



「その子、名前は有るの?」

「ありますよ〈シア〉って言います。」

「〈シア〉?女の子?」


 食べっぷりの良さに男の子かと思ったのか、あからさまに驚いた表情をするイル。

 表情の変化に乏しい彼女が顔に出すほど驚くとは余程なのだろう。


 俺が頷くとイルさんは視線をソーセージに移す


「ねぇ、精霊ってどうやったら見える様になる?」

「〈精霊言語〉ってスキルを持っていれば見える様になりますね、契約もするなら〈使役〉が必要になります」

『それと…〈魔力視〉か…後天的に…獲得する方法は知りませんが…〔魔眼〕持ちなら見れますよ?』


精霊に関する話だったからか、シアさんが目線をソーセージに向けたまま補足を加える。

 

食べるか話すかどちらかにしましょ?


「シアさん曰く〈魔力視〉か〔魔眼〕でも見れるそうです」

「そう…〔魔眼〕はともかく〈魔力視〉か〔精霊言語〉なら可能性は十分にあるはず…」

「イルさん?どうかしました?」

「んー…ちょと出かけて来る」


イルさんはそう言うと手に持っていたソーセージ(シア付き)を俺に押し付けると、立ち上がって屋台の片付けを始めてしまう。


「ちょ…イルさん出かけるって何処に?」

「王都まで。スキルスクロールを扱ってる知り合いが居るから、持ってないか聞いてくる」

「いきなり過ぎません?」

「思い立ったら即行動。シアちゃん見てみたいし、精霊と一緒に店番するのも良いかなって思って…」


そう言ってさっさと片付けを進めていくイルさん。

そしてソーセージを食べるのをやめて、その様子を興味深そうに見るシアさん。


『イルさんに、可能なら〈精霊言語〉を取る様に。と伝えて貰えますか?』


理由を聞いても?


『〈精霊言語〉が有れば私と会話出来るじゃないですか』


 確かに、折角だし見えるだけじゃ無くて会話もできた方が良いね


「イルさん、シアさんからの伝言です。可能なら〈精霊言語〉を取る様に、と。そうすれば会話ができるので」

「ん、分かった。それじゃあ暫くこの町に居ないけど、私が居なくてもこの場所は好きに使っていいから。それじゃ」



 イルさんはそう言うと、本当に行ってしまった。去り際に近くの屋台の店主らと会話をしていたのは、暫く空ける事と、俺がココで料理する事を報告していたのだろうか?



イルさんが行ってしまった為に暇になった俺は、暫くの間ソーセージを頬張るシアさんを眺めるのだった…



八代「ん?おーいaかb、ちょと来てくれ」

ab「「どうはひはした?」」

八代「とりあえずホットドッグを飲み込め。それで今話題になってた〔イル〕が〈精霊言語〉取りに王都に行っちまったけど良いのか?」

a「彼女に積まれてるAIは4桁台のSシリーズですし、問題無いかと。」

b「ですね、本来彼女が居なくて困るのは料理人プレイヤーですけど、今の彼女の興味が精霊に向いている以上、始まりの街に彼女が居てもフラグを立てる事ができる料理人プレイヤーは居ません。」

八代「なら問題無いな。しかし彼女に精霊は扱えるのか?」

a「NPCの強さはAIの性能に比例する様に設定されてますから…Sの4桁となるとLv70以上はありますね、精霊を仲間にするくらい造作もないかと。」

b「人族の料理人となると、器用が高くなるあのパターンで…S4桁積みとなると…アレかアレだな。推測ですが、低く見積もってもシアちゃんと契約できる最低MP程度は保有しているかと…」


八代「ホットドッグ少女は強かったのか…」

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