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精霊に癒されたかっただけ  作者: キファリス
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第十話 ウサギ狩り


さて、私が今何処にいるかと申しますと、FWOは〈始まりの街〉の北。〈北の草原〉に来ています。

 見て下さいこの景色!一面の草原に遠くには大きな山がそびえ立っています。

 あ、見て下さいあそこ、鹿です!鹿がいますよ!あっちには可愛らしいウサギさんがいます!


 おや?アレは少し小さいですが猪の様ですね…気付かれて突進されては敵いません、ココは一旦引くとしましょう。


『エキトさん、それ誰に向かって言ってるんですか?それと一度は口調を変えないと気が済まないんですか?あと、可愛いウサギさんと言うのは構いませんけど、それ今回の討伐対象ですからね?』


 ふぅ…さ、狩に行こうか。



茶番はさておき、漸く(10話目にして)戦闘のお時間ですね。戦闘に不安が無い言えば嘘になるが、俺は完全な後衛職、どうにかなるでしょう。


『では先程エキトさんが見つけたウサギ、正式名称〈ホーンラビット〉を狩りますよ。まず弓を構えて矢を番えて下さい』


 シアさんの指示通りに背中に装備していた弓を展開。矢筒から矢を1本引き抜き番えてみると、矢の先端から赤いラインが伸びる。


『その赤いラインは矢が何の影響も受け無かった場合の飛翔経路です。実際は弓矢の性能と〔器用〕〔精神〕のステータス、そして風などの要因で着地地点がバラけます。とりあえず1度射ってみて下さい。』


 30m程離れた所にいるウサギに赤いラインを合わせて弓を引く。矢は真っ直ぐにウサギへと飛んで行き、背中に命中した。


『お見事です。ですがアレだけではホーンラビットは倒れません。一撃で倒せなかった彼等が取る行動は逃げるか、突っ込んで来るかの2択です。』


 ウサギさんが血走った目でこちらを見ている。わかりますとも、突っ込むんですね。

 そうはさせぬと、もう1度矢を放つ。これもしっかりとウサギの胴体に命中するが、ウサギさんがポリゴンに変わる気配は無い。


「なんで⁈」

『エキトさんの筋力1桁だからですね。精神と器用値は高いので当たりはしますが、攻撃力は武器の性能と筋力次第です、今は弓の練習なので私は援護しませんから頑張って倒して下さいね。』


シアさん意外とスパルタ教育…

 仕方ないのでもう一度弓で攻撃。あ、ウサギさんがこちらに突っ込んで来た。走るウサギ目掛けて矢を射るも外れてしまう、慌てて4回目の攻撃を試みるも…


これ、間に合いませんわ。


「ヘブしッ!」


ガードされていないお腹への直撃でエキトのHPの7割が消しとんだ。


 ジャンプしてお腹に頭突きをかましてくれたウサギさん、直撃の瞬間まで「ジャンプで抱きついて来るウサギみたいでちょと可愛いかも」とか考えた俺が浅はかだった。



「どうやら俺はお前を甘くみていた様だ…認めてやる…お前は倒すべき敵だ!」


『(なぜこの人はホーンラビット1匹でここまで盛り上がれるのでしょうか?)』


 俺は立ち上がると再び弓を構える


「さっきまでの一撃と同じと思うなよ」


 右手とその右手に持った矢が薄らとオレンジ色に輝く。

 ウサギ相手なら素の攻撃でどうにかなるだろうと使っていなかった〈弓術〉のLv1から使えるアーツ、SPを使用して一撃の威力を上げる《パワーショット》の発動を示す光である。


「行くぞウサ公!くらえ《パワーショット》ォォォ」


 先程の攻撃よりも倍近い速さで飛ぶ矢は一直線に飛んで行き、吸い込まれる様にウサ公の頭に直撃。彼奴をポリゴンへと変える事に成功する。


(!)LvUP↑

(!)ホーンラビットの肉x1


お、レベルアップとドロップ品の通知だ。


シアさん!ウサ公倒せましたよー。それとレベルアップしました!でも角は落ちませんでした!


『とりあえずお疲れさまです。角が落ちなかったのは残念ですが、レベルアップは良い事です。それと最後の一撃、態々《パワーショット》を使わなくても倒せましたよ?次回からは敵のHPを見ながら適切な対応を心掛けましょう』


確かにHPゲージ見てなかったかも…そうか、奴は既に満身創痍だったか…


『レベル1上昇でどの程度最大MPが増えたのか知りたいので、ステータスプレート出して貰って良いですか?』


勿論良いですよステータスオープンっと


Name 《エキト》Lv2

種族〔エルフ〕

ジョブ〔精霊使い〕Lv1


HP 40/110

MP 0/300

SP 30/55

筋力 7

防御 6

俊敏 15

器用 15

精神 20


ステータスP:5


《スキル》

〈使役〉〈精霊言語〉Lv1

〈弓術〉Lv2〈鑑定〉Lv1

〈調合〉Lv1〈料理〉Lv1

〈気配察知〉Lv1

〈隠蔽〉Lv1



《精霊》

〔シア〕


ついでにシアさんのステータスもポチッとな


〈シア〉

〔大精霊〕Lv3(Lv120)

属性/型〈風/人〉

MP:410/43050 (43050~430500)


魔術:〈風〉Lv5(Lv100)

〈嵐〉Lv-(Lv100)

〈空間〉Lv-(Lv100)



『私との契約で常にMPを消費してる状況でも150しか上がりませんか…』

 150って多く無いのか?最大MP倍になったんですよ?

『一般的な〈エルフ〉の枠を出て無いのが不満なだけで、上昇量は多いですよ。これから徐々に、消費し続けるMPの量が増えるので効率は良くなる筈です』

 使うと増えるんですね

『はい、使えば使う程レベルアップ時の上昇量が増えます。コレはHP.MP.SP共通で、例えばタンクと回避盾、タンクの場合攻撃を自分の体で受けるのでHPの増減激しいです、この場合HPの伸びが良くなりますし、回避盾の様に常に回避行動でSPを消費しているとレベルアップ時のSP上昇量が多くなります』

 それじゃあ常に全てのMPを使い続けているおれは最高効率でMPの最大値が上昇していく?

『そうなりますね』


 今の所デメリットの方が目立つけど、コレはシアさんを仲間にしたメリットだね。

 目標の最大MPには思ったより早く到達できるかも知れないな。


 

ひとつシアさんに相談なのですが、ステータスPはどこに割り振ったら良いんでしょう?


『そうですね、エキトさんの目指す方向性次第…でしょうか?一撃離脱なら筋力に、先ほどの様なヘマをしないために俊敏に、もしく攻撃を受けても良い様に防御に、後は更なる命中率上昇を狙って器用や精神に振る。勿論、全てに均等に…でも大丈夫ですが、最初は苦労が多いと思います。と、これではアドバイスになっていませんかね?』

 いや、振り分ける参考にはなった。ありがとう。

『そのポイントを振り分ける前に私の戦闘力を確認しませんか?その方がエキトさんが今後どの様なキャラを作っていくかの指標にもなるでしょうし』


 そうだな、それが良い。さっきのウサ公と同じ位の強さのホーンラビットで検証したい。


『わかりました、では探しに行きましょう』





シア『エキトさんってもしかして…』

エキト「俺がどうかした?」

シア『・・・闇の炎に?』

エキト「抱かれて消えろっ!」

シア『やっぱり…』



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