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8.5話
「.........」
街灯などは当然存在せず、月光だけがここを除いて辺りを支配していた。
焚き火は月の青い、青い光を掻き消し、パチパチと心地よい音を立てている。
「まさか異世界生活はじめての夜が野宿になるなんてな...」
カイトはあくびをかきながらポイっと薪を炎にくべた。
この世界の夜は少し肌寒い。そのせいで余計炎の暖かさが際立ち、眠くなるものだ
「......暇だな」
興味の尽きることない異世界だが、この時ばかりは退屈であった。
身体で暖かさを噛み締め、能力で出したビーフジャーキーを口で噛み締めながらそう思った。