8話 結局野宿
「はやくしろ!!魔法使えるやつは建物に水ぶっかけろ!!ほかのやつは武器で延焼を防げ!!」
「へ?」
ジェーンは唖然としている。どうやら今現在火災が発生している集合住宅がジェーンの家だったようだ。かわいそうに...
「あら、すごい火事ねぇ...」「怖いわねぇ...うちまで延焼しなければいいけど...」
「さっきこの辺りでロス教団のエムブレムをつけた人がいたそうよ」
(!!)
「その話本当ですか!」
そう言いカイトは、おばちゃんたちに詳しい話を聞こうとした。
「え、えぇ...」
おばちゃんは突然会話に参加してきたカイトに困惑しつつも答えてくれた。
「ここの集合住宅、獣人が多かったからロス教団に狙われたのよ、きっと」
「もう...怒る気力もないな...故郷も家も奪われたけど...」
ジェーンは悲愴感たっぷりにそう言った。
こういう時って慰めた方がいいのか一人にさせてあげた方がいいのかわからないなぁ...
「これから...どうするの?」
「さぁね、しばらくは野宿だろうね。ここに残ってもしょうがない。行こうか...」
ーーーーーサラマ平原ーーーーーー
「今日の野宿はこの辺にしようか、とりあえず薪になりそうなの集めてきてくれるかい」
「わかった」
野宿ってなんかワクワクするよな。
俺は少し遠くで能力を使って薪を出したあとテキトーに10分ぐらい暇を潰して戻ってきた。やっぱ便利だなこの力。
「戻ったよー」
「おぉ!意外と早いね!まぁいいや、この辺は強い魔物いないけど念のため交代で見張りね、んじゃ私さきに寝るね!」
「え?」
(こいつ、俺の有無を言わずに寝やがった...)
まぁ...家燃えちまったし不貞寝だろうから寝かせてあげよう。