7話 お昼ご飯
「んで、どこで食べる?あまり高いとこは無理だぞ」
(晩飯代も残しておきたいし)
「分かってるって、ギルドに食堂があるからそこで食べよう!こっちだよ、2階」
階段を上ってみると前世のイメージ通りみんな飲みまくって酔っ払って馬鹿騒ぎしてる。
とりあえず安そうなパンと肉を食べることにした。
「う〜んかたいな」
(あと胡椒が恋しいな...)
「安物の肉なんてそんなもんさ」
ジェーンはもはやビーフジャーキーみたいな食い方をしてる。
「そういえばカイトの故郷のニホン?だっけ?どんなとこだい?きいたこともないよ」
うーむ...素直に別世界でここから400年以上科学技術が進んでるとことは言えないよなぁ
「自然が豊かなとこだよ」
この世界の方が豊かだけどな
「へ〜」
スッゲェ興味なさそう!気持ちわかるけど、福井県から来ましたって言われてもへ〜ぐらいしか出ないもん!
「じゃあジェーンの故郷はどんなとこなの?」
するとジェーンの表情が少し暗くなった
「あ...嫌なら答えなくていいぞ...」
地雷踏んだか....?
「...故郷はなくなったさ数年前に」
「え...?」
「虐殺されたんだよ...ロス教に」
「ロス教?」
「簡単に言うと人間至上主義者の集まりのロクでもない教団さ」
やっぱどこの世界にいるんだな人種いや、この場合種族差別主義者か。こんな愛らしい耳と尻尾を生やした種族を差別するとは理解できないな。
「抵抗はしなかったのか?」
「したさ、だが敵わなかった。奴らの戦闘員に特殊能力者がいた、それも一人じゃない、とてもじゃないが敵わなかったさ」
「そうか...」
特殊魔法ってレアじゃなかったか?
「よし!こんな雰囲気じゃ元々マズイご飯がさらにマズくなるし明るい話題に変えよう!」
と、ジェーンはいつもの笑顔とにやけの間ぐらいの顔に戻り、今後のことについて話した結果、ジェーンの家に行くことになった。ちなみにそんな簡単に男を家に入れていいのかと聞いたら「カイトぐらいなら簡単に半殺しにできそう」だそうだ
ちょっと男としてのプライドが傷ついた。