3話 とりあえず来ました
目がさめるとそこは街だった。
どうやら俺は広場のベンチで寝てたらしい。
さっきまでのことはただの夢か..そう思い辺りを見回すと、赤いレンガの建物、やたらうるさい露店街。
さながらドラ◯エや絵画で見たような風景が広がっていて興奮し立ち上った。
「うぉ〜!スッゲー!」
「ふぎゃ!?」
後ろからマヌケな声が聞こえた。
「いててて...」
どうやら俺に寄りかかって寝てたようだ。興奮してて気がつかなかったな...
「えーっと...だいじょうb..!?」
自分より歳が2〜3ぐらい下で茶髪の猫耳少女だった。
(モノホンか!?ピョコピョコ動くぞ!それに尻尾も!)
「あ...あぁ大丈夫だよ...」
少女は差し伸べられた手をしっかり掴み、猫らしく軽やかな身のこなしで立ち上がり、服の埃を払った
(とりあえずこの辺り周辺のことについて聞いてみるか?)
「あの〜突然なんですが〜この町、なんて言う名前ですかね?」
「へ?そんなことも知らないで生きてきたのかい?結構有名な町なのに」
「いや〜ごめん、ちょっとさっき頭打った?のかな?記憶喪失ってやつでイマイチここがどこなのかも分からないんだ」
テキトーに嘘ついた
「えぇっ!!キミこそ大丈夫なのかい!」
猫耳少女は驚愕の声をあげた
「う〜ん、正直この町どころかこの世界の右も左も分からないからなぁ、少し付き合ってくれるとかなり助かる」
「うん!いいよ!暇だし、まず、この町は【サラマ町】って言うんだ、この辺りは魔物が弱いから冒険者のスタート地点として、【始まりの街】とも言われてるよ」
「サラマ町かぁ...」
「ギルドに行くことをオススメするよ、ある程度の個人情報ならわかるから。ほらっ案内するよ」
「あぁ、ありがとう」
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知らない土地を歩くというのはとても楽しいことだ。
いろんな発見がある、景色だとか食事処やら、まぁ今はゆっくり観光してる暇なんてないけどな
ちょっと歩けばコンビニがあるような世界じゃないんだ
「それにしてもすごい熱気だなぁ」
(なんというか...中華街を思いだすな...)
「ここは冒険者が多いからねぇ、ほらもうすぐ着くよ」