14話 ドリームアイランドオブセッショナルパークとブラック・カーペンター
洋館を探索すること二時間先ほどの玄関にカイトたちはいた
「うーむ、大体一階は調べ尽くしたな」
ゼロが描いた地図とにらめっこしながら言った
「それにしても今のところはただの怖い洋館だな、魔物が出てくるって以外」
「まぁダンジョンかそうでないかはコアの有無でしから決まらないからね」
「コア?」
(なんじゃそれ?)
「いわばダンジョンの心臓だね、大体は魔力の一番溜まってるとこに存在するんだ」
「じゃあそれをぶっ壊せばこのダンジョンは死ぬって事か?」
「そういうことん、だけどコアの破壊は私たちの仕事じゃないさ、依頼書に書いてある通り私達は探すだけ」
「はえー」
(そうなんだ)
「...どれだけキミが依頼書を読んでないか分かるね」
ジェーンは呆れた顔でカイトを見た
「ほ、ほら!早く二階行こう!」
カイトは露骨に話題を逸らした。
2階は玄関の吹き抜けとなっており
左右の壁に2つずつ扉があった
「みんな、どこから調べる?」
「じゃあみんな『せーの』で行きたい方指さそう」
(我ながらいい考えである)
「「「了解」」」
「せーの!はい!...oh...」
見事全員バラバラである
「よしみんな!こういう時のためにジャンケンというものがある......
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「クソっ!!まさかの時グーが伏線だったとは...!」
「うううぅ...まさか4回連続でチョキを出すなんて...所詮自分は負け犬であります...」
「言ったでしょ...私は5回目もチョキを出すと...!これが勝ちか!素晴らしいものだね!勝ち猫となった気分は....!」
(まさかジャンケンごときでここまで白熱した心理戦になるとは...!)
「じゃ右前の扉行きますか」
「「「はーい!」」」
切り替えの早いやつらだ
扉をゆっくり開け前へ進むと、廊下に出た。ちょっと進むとここがU字型ということが分かる、カイトたちはまず、U字の廊下に囲まれた部屋から探査することにした、
「あれ...なんもないぞ?この部屋」
「ほんとだ...ってなんだ奥に扉があるじゃないか」
「すこし奇妙だな」
「でありますな」
カイトたちはとくに気にせず奥の扉を開けた
「えぇーっとここは倉庫っぽいな」
日常品から高級品まで棚に乱雑に置かれていた
「ご主人これ!」
オリヴィエが何か見つけたようでゼロの側へ近づいた
「おっおいこれ...」
なにやら紙のようだ
「なんだぁ?何見つけたんだ...って館の地図じゃねーかそれ!」
「みたいだな...一階がオレの描いた地図と一致する」
「じゃあなんだ?依頼達成か?」
「だな、無理してコアは探す必要はないしな、ここまで正確な地図があるんだしそこそこな額は貰えるぜ」
「なんだい、これから盛り上がってきたとこなのにねぇ」
ジェーンはちょっと残念そうな顔をした
「まぁなんだ、記念として高級品の一つでも持って帰るか」
「だな」
「だね」
各々棚などをゴソゴソと漁り始めた
「んー.....おっ!」
カイトの目に留まったのは銀の懐中時計であった。
銀と言っても既に輝きは失われており灰色に近いが、これがまた輝きとは違う美しさを感じさせた
「いぶし銀ってやつか...なかなかいいものだな」
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カイト一行は倉庫を物色した後、出て先ほどの何もない部屋にいた
「あ...あれ?開かないなぁ、建てつけわるいのか?」
ガチャガチャやっても開かない
「何やってんだい...貸してみ?...あら?あれ?開かない」
ジェーンはイラついたようで顔を真っ赤にするくらい本気で扉に力を入れたが
「....!!ぐぎぎ.....!!...っはーーっ!!!はー...はー...だめだぁ...オリヴィエ交代」
ジェーンは疲れでうつ伏せで寝っ転がった
ズズズズズ.....
「ん?なんか天井低くないか?しかもトゲなんて生えてたっけ」
「気のせいだろ、まぁ一回倉庫に戻ってみるか」
そう言いゼロは倉庫のドアノブに手を掛けた
ズズズズズ....
「あ...あれ開かねえなぁ.....」
「な...なぁカイト...天井ってこんなに低かったっけ...」
今更気づいたようで顔が青ざめている
「やべーぞ!!吊り天井だっ!!!オリヴィエ!扉を壊せ!!」
「既にやってるでありますがこれが結構頑丈であります!」
「クソッ!!トラップだったか!!」
「どういうことだ!」
「トラップだ、おそらく倉庫の高級品は餌だ!泥棒を貶めるための....!」
「なに馬鹿騒ぎしてんのさ...って天井ひっく!!トゲやば!!」
「ど...どうする」
(全身串刺しは勘弁だ!!)
「どうするも扉壊すしかないだろ!」
「だ...だな!手伝うぞオリヴィエ!ほらジェーンも!!」
「うーん多少のダメージはやむなしかな?」
(何言ってんだこいつ)
そう思うや否やジェーンは腕を伸ばし、ピョーンと跳躍し勢いで少し腕にハリが刺さるが重力で落下した
「あいてててて...」
「な...何やってんの!」
見るとジェーンの腕の傷は既にふさがっていた
「まぁ見てみな」
ジェーンはドヤ顔をしながら天井を指差した
「あ..あれ天井が止まってる?」
「み....みたいだな」
「不思議でありますねぇ〜」
「ど....どういうことなの....?」
「企業秘密さ」
「そう言われると気になるんだよなぁ」
人間のサガだな
「気にしなければいいんじゃないかな?」
「いやいやいや...」
「あ...で天井止めたけど扉はどうする?」
(こいつ露骨に話変えやがったな)
「自分でもちょっと時間かかるでありますよ?」
「じゃあブービーボムでも使うか」
「「「それはだめだっ!!!」」」
「なんでぇ?」
「うるさいから」
「うるさいであります」
「なんかキミ着実に爆弾魔になってない?」
(ひでーべ)
「じゃあどーすんだ?」
「出てこい!“オーク”」
そうゼロが唱えるとドスンっと筋肉モリモリマッチョマンのコワモテのオークが現れた
(ひぇ〜これがオーク種か...!ぜってぇ勝てねぇ!というかあと10センチほどで頭に針刺さりそうだけど大丈夫なのか?)
「お!ご無沙汰ですね!」
「あ!お久しぶりであります!」
(意外と礼儀正しいのな...)
「おひさー、ちょっとこの扉壊してくれ」
「えっ?いいんですか」
「あぁ!派手にかませ!」
「じゃあ遠慮せず」
オークは扉を蹴り、扉は無残に散った
「おーありがと」
「どうってことないです」
オークは煙のように消えていた
「おいおい...俺とジェーンがビクともしなかった扉が一撃!?オーク種...」
「すごいね...」
ジェーンはオーク種のヤバさを再確認したようだ
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「どうだ?初めてのダンジョン探索は?」
「あー危ない事もあったけどなんやかんや楽しかったな」
「おや?キミもダンジョン探査にハマっちゃったかい?」
「またなんかあったら呼んでくださいであります!」
そう締めよく玄関のドアノブに手を掛けると
メキメキメキ....
「ん?...んに゛ゃーーーーーっ!!!」
どうやらジェーンのとこの床だけ老朽化がひどかったらしい
「太ったんじゃないの?」
「うるさい黙れ!」
「あーなんだオリヴィエなら相談に乗ってくれるぞ?」
「黙れ!はやく引っこ抜くの手伝え馬鹿!」
ジェーンは顔を真っ赤にさせながら叫んだ
「「ヨイショーっ!!」」
「うにゃっ!!」
勢いよく抜いたせいでジェーンが玄関の扉に“ビターン”と背中をぶつけた
「やれやれ、とんだ災難だった...どうしたんだい?」
「お...おいこれ」
「あぁ...間違いねぇ地下なんて地図になかった『隠し部屋』ってやつだ」
「うわぁ本当だねぇ」
「今度はなんでありますか!敵ですか!探険ですか、はたまた世界滅亡でありますか!!...ってあれ、ここでありますか」
「地図に載ってない隠し部屋を見つけた、付いてきてくれるか?」
「了解であります!」
とりあえずカイトたちは穴を広げ一人ずつ入った
「廊下...だな」
片方には階段があって片方には扉がある
「おそらく、本来なら階段から来るんだろうな」
「だったら扉の方でありますね!」
「だね」
カイトたちは扉の方へと進んでいき、開けた
「お〜...スッゲェ綺麗」
部屋一帯にすこし大きめのシャボン玉がたくさん浮かんでいてとても素晴らしい空間だった、真ん中に悲痛な表情あげてる不気味な石像がなければ
「神秘的だねぇ」
ジェーンも目を輝かせて見てる
カイトはシャボン玉をまじまじと観察した
(それにしても綺麗だな、まるで地球が浮かんでいるようだな...ていうかまんまこれデザインが地球じゃないか?地理的にこっちの世界の地球だな)
カイトは地球柄のシャボン玉に触りたいという欲求に駆られた、少し震えながらもじわじわと手をシャボン玉に近づけた、そしてついに触れようとした瞬間
「待ってっ!!うかつに触らない方がいい!」
ジェーンからストップが入った
カイトはジェーンに言われ少し残念そうにしながら身を引いた
(まぁ倉庫室の前例もあるしな大人しく言うこと聞くか)
そう思った瞬間奥から『グニュ』という音の後に『パンっ!』という音が鳴り響いた、壁か何かにあたりシャボン玉が割れたのだ。
すると中から赤い、マグマのようなものが飛び散った。
どうやらシャボン玉からシャボン玉への連鎖はないらしくマグマが当たっても弾けなかった。
カイトはシャボン玉に気をつけ、試しに飛び散ったところに水筒の水をかけてみると、『ジューッ』と使った直後のフライパンに水をかけたような音が鳴った。
カイトはそのマグマと合わせたら紫色になるほど手と顔が青ざめた
(も...もし触ってたら....!)
「おっおい!お前らジェーンのいう通りシャボン玉には絶対触るな....ゼ..ゼロ!?」
真ん中にあったはずの石像はいつのまにか、ゼロの目の前に立っていた。
ゼロは目を見開いていた
「お...おいお前らこいつが俺の前に現れる瞬間のことを見てたやつはいるか?」
「い...いや」
「ないでありますな」
「ないね...」
「俺はこいつを眺めていた!...だが...まばたき...その一瞬だ...!その一瞬でこいつは目の前に...!
おそらくこいつから目を離したら....みんな死ぬ...!
そのシャボン玉といい、ヤバイ!ヤバすぎるぞこの部屋っ!!」
「クソっ!!どうする!!」
「ご主人!連携のとれた2人を出すであります!」
「出ろっ!!」
「こいつから絶対目を離すな!絶対まばたきを同時にするな!」
ゼロは新たに出した人間にそう命じた
「さてとりあえず一安心か?」
あとはシャボン玉かこれを絶対触らないとなると結構キツイぞ
「これに関しては私に任せてくれ」
「おっ!ジェーン先生今回はどんな策で?」
「あえて『触れる』....!」
そう言いジェーンはシャボン玉の中を突っ走っていった
「な...馬鹿な!!!」
....だが触れたシャボン玉は破裂しない、それどころかさっきまでふわふわ浮かんでたのにピタリと動かなくなっていた
「え?....」
「ふぅ....これで全部かな」
(あの天井の時と同じだ...!)
「と、特殊魔法か....?」
「正解!【機械仕掛けの神】私が触れたものなんであろうと固定出来る」
ジェーンはシャボン玉を背景に手を広げ自分の能力を解説した
「吊り天井を止めたのもその能力か」
「そーいうことん」
「それにしてもジェーンも持っていたとはね」
「まぁね、んなことより早く進もうよ!」
「まぁそうだな」
カイトはシャボン玉が少しトラウマになったのか出来るだけ触れずに進み、石像監視の2人以外のみんなが扉の前に集まったのを確認すると扉をゆっくり開けた
「うぉ...なんだここ...魔法陣...?」
カイトの目に入ったのはいわゆる魔法陣であった、線は青白く発光しており角にはロウソクが置かれている
(かっけぇぇぇぇっ!!)
「魔法陣でありますね!自分簡単な魔法しか使えないので憧れるでありますっ!!」
「あぁ...しかもかなり、いやかなりどこじゃねぇくらい複雑だ」
するとジェーンの足元からくしゃりと音が聞こえた、なにか踏んだらしい、ジェーンはそれを拾い上げた
「ん?置き手紙かな?...これ、なになに...この術式を使用する者へ.......カイト、こんなの爆破してさっさと帰ろう、これは残しておくべきではない」
「え?なんで?この魔法陣そんな悪いことなの?」
「えぇ、この魔法陣の効果は簡単に言うと呪いをかけて道連れにするんだ。
たとえば私がカイトにこの魔法陣のを使って呪いをかけたあと私が自殺するとカイトも死ぬ、そんな感じだ」
「なるほどなぁそいつぁ残すべきじゃねぇな」
そういいゼロは魔法陣から一歩離れると、また、くしゃりっという音がなった、ゼロはそれを拾い上げると
「えーなになにぃ.....おっ!多分その置き手紙の続きだ」
「なんだって!早く読み上げろ!」
「えー...P.S.途中で作るの途中でめんどくさくなったので、物にしか呪いはかけられません。
使う方は下に呪いをかける物の名前を描いて血を一滴垂らしてください...だってさ」
「ちなみにどんな物書いてあるでありますか!?」
「えぇーっと...本棚の奥の本、ベッドの下の本、隠し金庫の中身、本棚の偽装してある本....
「やけに本ばっかだねぇ、もしや諜報活動かなんかに利用されてるのでは!?なら尚更壊さなくては...」
ジェーンが真剣な表情で考えてる
「いや!!ジェーン!これは壊してはだめだ」
「なぜ?」
「あぁ、カイトの言う通りこれは男...いや..全ての漢の安心と心配の為にとっておくべきだ...」
(そういえば前の世界のパソコンの履歴を最後に消したのいつだっけ...!)
カイトの頬には一滴の冷や汗が流れていた
「まぁ諜報には使われてないと思うから心配しなくていいと思うぞ」
「まぁならいいけど...」
「ちょっと俺に使わしてくれ」
「ん?あぁどうぞ」
カイトはゼロから紙を受け取り、ノートに付属しているペンを具現化し、ベルトについてるナイフケースからナイフを取り出した
「なんだ、キミも本か?なんで本ばっかなんだろねぇ?」
ジェーンは不思議そうな顔をした
「知らんでよろしいぞそんなこと、まぁ俺は本じゃないけどちょっとね...」
そう言いカイトは自分の愛銃『M1911A1』の名を書いた
(正直これはこの世界を生きる上での気がかりの一つだったんだ...
もし、俺が死んだら能力で出したものはどうなるのか...ただ消滅するだけならいいが、これが残り続けたら...
『魔法』を選択したこの世界に『科学』というものを持ち込んでいいのかと?
魔法もチカラもない俺にとって、自衛の手段として仕方ないとはいえ、もし俺が死んでこの銃がこの世界の人の手に渡ったら?
ただの小悪党に渡るならまだマシだ、これがもし国や賢人に渡ったらどうなるか?...
おそらく戦争、戦略、防衛、パワーバランス、この世界の様々のありかたを大きく変えるだろう...
銃の存在で幸せになれる人々も存在するだろう、
だがそれは正しいことなのか?
この世界の選択を否定してまですることなのだろうか?)
「俺には世界を否定する責任はとれない...だが死にたくもない...!」
ジェーンたちは(何言ってんだこいつ)って顔をしたがプルプルと震えながらナイフを指に近づけてるカイトを見て、温かい目で見守る
ーーーーーーーーザシュッ
「イテェエェェェェッ!!!」
カイトはナイフに変な力が入って深くまで指を切ってしまい床をのたうちまわっているが気合いと根性で紙に指を押し付けた
「バカっ!!力加減を間違えたね!」
ジェーンはカイトの指の傷に触れ、傷口を固定し、塞いだ
「こ、これで契約完了なのか...?」
「いや、多分まだだな」
するとさきほどまで青白く発光していた魔法陣が一瞬、目を覆うほどの光度になり中央から白い玉のようなものが二つ現れた
「キレイでありますねぇ〜」
「だな」
その二つの玉は一方は銃へ一方はカイトの心臓へと入り込んだ
「これで契約完了か?」
「おそらくな」
「よーしじゃあもうちょいこの部屋物色するか!」
ジェーンとオリヴィエは目を輝かせながら部屋の棚などを漁った
「ゼロ、お前も使うか?」
「いや、俺はいい、やましいものなんてないからな!」
「ふ〜ん?」
カイトは訝しんだ
「だって俺の特殊魔法あるじゃぁん」
ゼロは小声でそう言った
「なっ!?クソッ!うらやましいぞ!」
「ははは!自分の能力を恨むことだな!チェリーボーイくん!」
「チクショウっ!なんでわかんだよ!」
「うーむ、雰囲気?」
「雰囲気から童貞なのか...俺...」
「まぁ落ち込むな、きっと童貞も需要はあるだろ....たぶん」
(泣きたくなってきた...指も痛いし)
「おーいなに話してんだーい!こっちに出口あったよー!」
そう言われ見ると、扉がありその上にデカデカと出口という文字が書かれていた。
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「え?食堂?」
その扉を出た先はヴァーウーたちと戦った食堂に出た
「どうやらこの大きな起き時計が隠し扉だったみたいでありますな」
「そうみてえだな」
カイトたちは玄関に行き扉を開け、館を後にした
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「あー、3回くらい死にかけたけどやっぱなんやかんや楽しかったな」
(俺ってMなのかもしれんな)
「そのドキドキの緊張感が堪らないんだよねぇ!!」
「もう石像はこりごりだな」
「お?なんだ?トラウマにでもなったか?」
カイトはゼロをおちょくりの目で見た
「ったりめーだろ!まばたきした一瞬であの石像が目の前にいんだぞ!」
「あ!町が見えてきたであります!」
カイトたちがツーソン街に着く頃にはすでに日は沈んでいた
(昼は主に主婦たちで賑わっていたが、夜は冒険者たちが食堂で騒ぐ声で賑わってる)
「どうする?どっかで飯食う?」
「いや、さっさと達成報告しよう」
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ギルドの中は朝とは変わらず冒険者たちが飲み食いして騒いでいた
(24時間ずっとうるさいなここ)
「えーっとカイトですダンジョンの地図描いてきました」
「カイトさんですねー少々お待ちください」
そういい受付嬢は机の中をガサゴソあさり書類を取り出した
「地図の方拝見いたしまーす」
「どうぞ」
カイトは本物の地図を写して描いた地図をわたした
「ほう!意外と綺麗な地図をお描きになられるのですね」
(なかなか失礼だなこの受付嬢!まぁ描いたの俺じゃないけど)
「部屋ごとの面積比なども正しいと思いますのでそこそこの完成度のはずです」
「うーん...あ!コアの発見は?」
「ないです」
「あっない...となると60000ユードルと言いたいとこですが、地図の出来がとても良いので65000ユードルといったところですね、こちらギルドの銀行に預けますか?」
「いや、結構です」
「そうですかわかりました〜」
「あっそうそうカイトさん、本依頼でランクDに昇格です!おめでとうございます!」
受付嬢は唐突にそう言った
「え?Dランク?」
(何それ?)
「では後ろが混んできたのでこちらの報酬をどうぞ」
「お..おう、ありがt...重!?ジェーン手伝って!」
「なんだい情け無い」
この世界に紙幣というものはないらしく全て金属で出来た硬貨なのでとても重かった...ありがたい重みだが
「なぁジェーン、ゼロ、さっき俺Dランクに昇格って言われたんだけど、やっぱギルドってそういうランク制度ある感じ?」
カイトは町を歩きながら尋ねた
「うん、もちろんあるさ、低い順からE D C B A Sってなってるよ」
「強さの目安はCが普通の冒険者、Aが地方トップクラス、Sがバケモノ級って感じだな」
「ほえ〜 ジェーンとゼロはランクどれくらいなの?」
「Cランク、たまに趣味でダンジョン潜りするだけだからねぇ」
「俺もCランクだ、今はもう身分証としか使ってないしなぁ」
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「あ゛ぁ〜しばらくぶりのベッドだぁ〜」
宿の部屋について早々ジェーンはベッドに飛び込んだ
「おい飯行くぞ...てもう寝てやがる!」
すでにジェーンの意識は途切れていた
「わりぃカイト俺も寝るわ」
ゼロはあくびをしながらソファーに寝転んだ
「えっ...えぇ〜」
(俺1人で外食とか行けないタイプなんだよなぁ〜)
カイトは仕方なく某鶏ガラのインスタントラーメンをすすり、懐かしみに浸って寝た。
魔法名:機械仕掛けの神
使用者:ジェーン
彼女が触れたものを固定出来る能力、石を空中に固定して足場にするなど応用が利く