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謎解き 6

 オルザヴァの部屋に戻った美樹とトシキを待っていたのは、またしても戦時映像だった。天井モニターには潜水艦同士の戦いが映し出されている。不毛な光景。

 オルザヴァはベッドに横たわり、モニターを仰ぎ見ている。オルザヴァは美樹の手に「デジファルファ」が握り締められているのを見ると、悲しげだが満足したようだ。オルザヴァはデジファルファのことにはあえて触れずに、プロパガンダ映像を見つめる。


「やがて戦争は終わる。人々が戦争を続ける意味を失うからだ。全てが一つに収まる。そして私の役目も、終わりを迎える」


 オルザヴァの「感情」は、それが最後の閃き、瞬きであるかのように安定している。彼は自分の終わりを自覚しているようだ。彼は美樹たちに別れを告げる。


「もう、神秘のヴェールに包まれた『怪人』は消えてなくなる。君達と会う機会も、ないだろう。特に美樹嬢。君とは」


 美樹は言葉にならない。


「オルザヴァさん……」

「私は最後、宇宙の謎を繙くための知的探訪に出る。それは私の体が朽ちるまで続くだろう」


 オルザヴァの瞳は清々しい。


「それが私からの人類へのささやかな贈り物だ」


 オルザヴァの目には、人工生命体とは思えないほどの人間味があった。彼は何度かまばたきすると、後悔にも似た思いを口にする。


「ジファへ恩返し出来なかったのが、私の最後の心残りだ」


 その言葉を最後にして、オルザヴァは止まるかのように深い眠りに落ちていく。オルザヴァの様子を見て取ったトシキは口にする。


「私は、オルザヴァのメンテナンスのためここに残る。レジスタンスの一斉蜂起には、私も参加するつもりだ」


 モニターに映る、敵国の潜水艦は、炎上し、沈没していく。光を瞬かせながら海底深く沈んでいく潜水艦。

 その映像を前に美樹は力強く口にする。


「ローズ、終わらせましょう。この戦争を」

「ええ。美樹。もちろんよ」


 そう誓いを交わす二人の目には、海中戦の様子がうねるように未だ映っていた。


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