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プロローグ 憤怒を携えて

アレス・ミザール。


 星の名前を受け継いだ『大罪』の一人、『憤怒』の席に座っている男だ。


 いや、それを人間の性別で押し測るのは出来ないだろう。


 彼は魔族の中で、唯一人の形を取っていない種族なのだから。


 吸血鬼であろうと、死霊使であろうと、魔族の種族ではなぜか憎き人間の形を取っている者が多い。


 だが、彼は──火蜥蜴族サラマンダーはそれだけの理由で、魔族内から散々な目に遭ってきた。


 通常、魔族幹部である『大罪』は本来魔族を構成する七つの種族から選出される。


 しかし、彼が『大罪』の『憤怒』に認められるまでの間──実に3000年以上、火蜥蜴族は『大罪』に選ばれることはなかったのだ。


 それが彼の運命を決定づける一つの要因になったのかもしれない。


 火蜥蜴族の間で、実しやかに囁かれていたとある一つの噂。


 ──曰く、かの種族には生まれながらに『憤怒』をその身に宿している者がいる。


 それが、後の『憤怒』──アレス・ミザールだ。


 生まれた時より『憤怒』であることを強制され、『憤怒』という運命の糸に絡めとられてしまった。


 自由に生きることは許されず、ただひたすらに一族の悲願を叶える道具として扱われた彼が、反旗を翻すのもおかしくはないだろう。


 全てに裏切られたことを知った彼の行動は単純だ。


 ──『憤怒』の権能をフルに活用し、一族諸共吹き飛ばした。


 燃え盛る炎──それは即ち、怒りと同義。


 そして、アレス・ミザールは──運命に対して無限の怒りを爆発させることとなったのだ。

第四章の幕開けですが、活動報告に今後の更新状況についての報告を乗せますので、ぜひ見てください。

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